仮面の告白(ラウ)
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「は……あ……っ」
やっと解放されたサラの唇から最初に発せられたのは、ため息。瞳を潤ませ、頬を赤らめているサラの視線の先にいるのは、相変わらず仮面に隠れて表情の見えないラウ。
「甘い、な」
そんなラウの口から発せられた言葉に、サラは溶けかけていた思考を必死に取り戻そうとする。
「何が……よ……」
「君の唇。君の舌。何度でも味わいたくなるほどに美味だ」
「ば……っ! よくそんなセリフを恥ずかしげもなく言えるわね!」
「どうしてかね? 私は素直な気持ちを言ってるのだよ。好きな女性を味わいたいと思うことはおかしなことではあるまい?」
「え……ぇ?」
当たり前のようにさらりと言われ、サラは思わず固まってしまった。
「な……にを言って……」
「私が君を好きなのだ。君も私を好きなのだと思っていたのだがね」
「……それって……」
次々と発せられるラウの言葉に、サラはもうため息を付くしかない。
「自意識過剰」
「別に構わないだろう? 単なる思い込みでは無いのだからな。それとも私は間違っているのかな?」
ラウの手が、サラの顎を持ち上げる。真正面から目を合わせる形となった二人の間に、柔らかな空気が流れた。
「……こういう時、私は何て言えばいいのよ」
目の前の男の表情は、相変わらず見えない。
だが、何故かサラにはその時、ラウの本当の笑顔が見えた気がした。
「何も言わなくても、分かっているのではないかね? お互いが、お互いを」
再び触れた唇は、とても柔らかくて……優しくて。今までサラが全く気付いていなかったラウの熱を感じた。
「だが出来ることなら君の口から、私に対する気持ちを聞いてみたいのだがね」
「何よ、やっぱり言わなきゃいけないんじゃない」
サラが笑う。ラウの部屋に薬を届けるようになってから初めて見せたその笑顔は、とても目映い物だった。
「好きに……決まってるでしょう?」
小さな声で紡がれた言葉は、ラウの目を細めさせる。
「ふむ、ではお互いの気持ちがはっきりしたと言うことで、君には転属して貰おうか」
「……はい?」
せっかく甘い雰囲気になりかけていたのに。いきなりの話題転換は、さすがにサラを唖然とさせる。
だがその後続けられた言葉に、サラはもっと唖然とすることとなった。
何故ならーー。
「サラ・フユツキを本日付けて私の補佐役とする。期間は無期限。昼夜問わず私の側にいるように。では、早速荷物をここに移動してきたまえ」
〜FIN〜
やっと解放されたサラの唇から最初に発せられたのは、ため息。瞳を潤ませ、頬を赤らめているサラの視線の先にいるのは、相変わらず仮面に隠れて表情の見えないラウ。
「甘い、な」
そんなラウの口から発せられた言葉に、サラは溶けかけていた思考を必死に取り戻そうとする。
「何が……よ……」
「君の唇。君の舌。何度でも味わいたくなるほどに美味だ」
「ば……っ! よくそんなセリフを恥ずかしげもなく言えるわね!」
「どうしてかね? 私は素直な気持ちを言ってるのだよ。好きな女性を味わいたいと思うことはおかしなことではあるまい?」
「え……ぇ?」
当たり前のようにさらりと言われ、サラは思わず固まってしまった。
「な……にを言って……」
「私が君を好きなのだ。君も私を好きなのだと思っていたのだがね」
「……それって……」
次々と発せられるラウの言葉に、サラはもうため息を付くしかない。
「自意識過剰」
「別に構わないだろう? 単なる思い込みでは無いのだからな。それとも私は間違っているのかな?」
ラウの手が、サラの顎を持ち上げる。真正面から目を合わせる形となった二人の間に、柔らかな空気が流れた。
「……こういう時、私は何て言えばいいのよ」
目の前の男の表情は、相変わらず見えない。
だが、何故かサラにはその時、ラウの本当の笑顔が見えた気がした。
「何も言わなくても、分かっているのではないかね? お互いが、お互いを」
再び触れた唇は、とても柔らかくて……優しくて。今までサラが全く気付いていなかったラウの熱を感じた。
「だが出来ることなら君の口から、私に対する気持ちを聞いてみたいのだがね」
「何よ、やっぱり言わなきゃいけないんじゃない」
サラが笑う。ラウの部屋に薬を届けるようになってから初めて見せたその笑顔は、とても目映い物だった。
「好きに……決まってるでしょう?」
小さな声で紡がれた言葉は、ラウの目を細めさせる。
「ふむ、ではお互いの気持ちがはっきりしたと言うことで、君には転属して貰おうか」
「……はい?」
せっかく甘い雰囲気になりかけていたのに。いきなりの話題転換は、さすがにサラを唖然とさせる。
だがその後続けられた言葉に、サラはもっと唖然とすることとなった。
何故ならーー。
「サラ・フユツキを本日付けて私の補佐役とする。期間は無期限。昼夜問わず私の側にいるように。では、早速荷物をここに移動してきたまえ」
〜FIN〜
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