仮面の告白(ラウ)
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それは、いつか聞かれるかも知れないと思っていた質問だったから。
「別に。あんたには関係のない事でしょう」
「私の薬だ。関係ないはずがないだろう」
「あんたは患者。患者が医師や研究者側の事を知る必要なんざない」
「いいや、あるな」
突如ぐい、と引かれたサラの腕。想像以上に力強い大きな手は、サラの体をあっさりとラウの腕の中へと引きこんだ。それだけならまだしも、あっという間にサラの着ていた白衣の袖がまくり上げられる。
「ちょ……何を!」
白衣に隠されていたサラの腕はとても白くて細い、美しい腕だった。
ただし、ある一部の場所を除いてーー。
「これは何だ?」
その場所は赤く、とても痛々しい印象を受ける。もう元の白に戻ることはないだろうと、素人目にも分かるほどに腫れ上がっていた。
「か、関係ない!」
力一杯ラウの手を振り払い、白衣で腕を隠す。
「いきなり何すんのよ。セクハラで訴えてやるわよ!?」
「好きにするがいい。だがこの意味を答えてからな」
「……どうせ答えなくても分かってるくせに……っ!」
たった今見られたその場所を、もう片方の腕で庇うように覆う。
誰が見ても明白なそれは、無数の注射針の痕。サラは、自らの体で実験を行っていたのだった。
「いくらなんでも、無謀なのではないのかね? 特にこの薬は……」
「これが私のやり方なの! 自分が作る薬は、自分の体で体感し、効果を確認する。これが私のポリシーなのよ」
「本当にそれだけなのか?」
「……何が言いたいのよ」
サラの体はまだ、ラウの腕の中にあった。そのため、必死に隠そうとしている動揺も、直接ラウに届いてしまう。
「随分動揺しているようだが、素直に言ったらどうかね? 私のためにやっているのだと」
「ち、ちが……っ!」
「本当に違うのかね?」
「あ……ったり前でしょっ!? そんな事するはずないじゃない! 私はあんたの事なんて別に好きじゃ……」
「私は別に、好きだなんて言葉は一言も使ってはいないのだがね」
「あ……!」
かぁっ! とサラの顔が一瞬にして赤く染まった。素直な反応がおかしくて、ラウは思わず笑みをこぼす。
「君は私のことが好きだったのかね?」
「自惚れるな……バカッ!」
これ以上相手にはしていられないと、ラウの腕から逃げるために手を振り上げる。だが頬をはたこうと振り下ろされたサラの手は、ラウの手に軽く受け止められてしまった。
「この……っ!!」
悔しさを言葉にしてぶつけようとしたサラだったが、それは音として成り立つことはない。
「ん……っ」
重ねられた唇は、サラが紡ぎ出そうとした恨みの言葉を全て飲み込んでしまった。
驚いて逃れようとジタバタしても、しっかりと体を固定されてしまっていて逃げられない。やがて侵入してきたラウの舌は、サラの言葉だけでなく思考までも奪っていった。
「別に。あんたには関係のない事でしょう」
「私の薬だ。関係ないはずがないだろう」
「あんたは患者。患者が医師や研究者側の事を知る必要なんざない」
「いいや、あるな」
突如ぐい、と引かれたサラの腕。想像以上に力強い大きな手は、サラの体をあっさりとラウの腕の中へと引きこんだ。それだけならまだしも、あっという間にサラの着ていた白衣の袖がまくり上げられる。
「ちょ……何を!」
白衣に隠されていたサラの腕はとても白くて細い、美しい腕だった。
ただし、ある一部の場所を除いてーー。
「これは何だ?」
その場所は赤く、とても痛々しい印象を受ける。もう元の白に戻ることはないだろうと、素人目にも分かるほどに腫れ上がっていた。
「か、関係ない!」
力一杯ラウの手を振り払い、白衣で腕を隠す。
「いきなり何すんのよ。セクハラで訴えてやるわよ!?」
「好きにするがいい。だがこの意味を答えてからな」
「……どうせ答えなくても分かってるくせに……っ!」
たった今見られたその場所を、もう片方の腕で庇うように覆う。
誰が見ても明白なそれは、無数の注射針の痕。サラは、自らの体で実験を行っていたのだった。
「いくらなんでも、無謀なのではないのかね? 特にこの薬は……」
「これが私のやり方なの! 自分が作る薬は、自分の体で体感し、効果を確認する。これが私のポリシーなのよ」
「本当にそれだけなのか?」
「……何が言いたいのよ」
サラの体はまだ、ラウの腕の中にあった。そのため、必死に隠そうとしている動揺も、直接ラウに届いてしまう。
「随分動揺しているようだが、素直に言ったらどうかね? 私のためにやっているのだと」
「ち、ちが……っ!」
「本当に違うのかね?」
「あ……ったり前でしょっ!? そんな事するはずないじゃない! 私はあんたの事なんて別に好きじゃ……」
「私は別に、好きだなんて言葉は一言も使ってはいないのだがね」
「あ……!」
かぁっ! とサラの顔が一瞬にして赤く染まった。素直な反応がおかしくて、ラウは思わず笑みをこぼす。
「君は私のことが好きだったのかね?」
「自惚れるな……バカッ!」
これ以上相手にはしていられないと、ラウの腕から逃げるために手を振り上げる。だが頬をはたこうと振り下ろされたサラの手は、ラウの手に軽く受け止められてしまった。
「この……っ!!」
悔しさを言葉にしてぶつけようとしたサラだったが、それは音として成り立つことはない。
「ん……っ」
重ねられた唇は、サラが紡ぎ出そうとした恨みの言葉を全て飲み込んでしまった。
驚いて逃れようとジタバタしても、しっかりと体を固定されてしまっていて逃げられない。やがて侵入してきたラウの舌は、サラの言葉だけでなく思考までも奪っていった。