ファインダー越しに(ラスティ悲恋)
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「そういや、明日出発だね」
「何が?」
不意に言われた言葉の意味を、俺はすぐに理解できなかった。
「何がって……L3に連合軍の新型極秘軍事衛星が建造中だって情報が入ったから、確かめに行く事になってたじゃない」
「あぁ、そうだったな」
「お~い、大丈夫か~い?」
心底呆れたようにため息を付くサラ。別に忘れていたわけではないけれど、ただサラと二人でいる時間に仕事のことを考えたくなかっただけ。
「分かってるさ。出撃の準備はもう万端。お互い気合い入れてかなきゃな」
「そうそう。もしかしたら初めての本格的な戦闘になるかもしれないもんね。クルーゼ隊の赤の力、見せつけてやる!」
「あんま力入れすぎてドジんなよ?」
「失礼な! 私は本番に強いタイプなの。ラスティこそヘマするんじゃないわよ?」
「へいへい」
いつも通りのちゃらけた俺の返事に、サラが肩をすくめる。その姿も俺の心を惹きつけていると言ったら、きっと君は笑うんだろうな。
「今回も絶対任務を成功させようね。ラスティ!」
「ああ」
いつだって生き生きと輝いているサラ。
そんな君に、俺は恋している。
未だこの気持ちを伝えることは出来ないけれど。
いつか戦争が終わったら。
ーーきっと告白しよう。
そう心に決めていた。
ーーやばい!
そう思ったときにはもう向けられていた照準。
でも不思議と恐怖が存在していなかったのはきっと、視界の端に彼女の姿が見えていたから。
「……っ!」
もう一度だけ紡ぎたかったその名前を、音にすることは出来なかったけれど。最期の瞬間に彼女を見ることが出来たのは幸運だった。
ーーサラの事が好きだった。
薄れゆく意識の中、伝えたかった言葉が頭の中をよぎる。
ーーこんな事なら、出撃前に伝えておけば良かったな。
スローモーションに流れる景色は、俺に後悔する時間を与えてくれた。
ーー気持ちを伝えていたら、サラは俺の気持ちを受け止めてくれたんだろうか?
そんな事まで考えられてしまうほどに、長い長い時間。
もしも更なる幸せを望めるのなら、ほんの一粒で良い。俺のために涙を流して欲しい。
時々で良い。俺のことを思いだして欲しい。
一瞬で良い。俺を……好きになって欲しい。
ーー俺ってば、こんな時まで我が儘で欲張りなんだな。
完全に意識の消える瞬間まで、サラの事を考えていられた俺は本当に幸せだったと思う。
ーーサラ……。
「何が?」
不意に言われた言葉の意味を、俺はすぐに理解できなかった。
「何がって……L3に連合軍の新型極秘軍事衛星が建造中だって情報が入ったから、確かめに行く事になってたじゃない」
「あぁ、そうだったな」
「お~い、大丈夫か~い?」
心底呆れたようにため息を付くサラ。別に忘れていたわけではないけれど、ただサラと二人でいる時間に仕事のことを考えたくなかっただけ。
「分かってるさ。出撃の準備はもう万端。お互い気合い入れてかなきゃな」
「そうそう。もしかしたら初めての本格的な戦闘になるかもしれないもんね。クルーゼ隊の赤の力、見せつけてやる!」
「あんま力入れすぎてドジんなよ?」
「失礼な! 私は本番に強いタイプなの。ラスティこそヘマするんじゃないわよ?」
「へいへい」
いつも通りのちゃらけた俺の返事に、サラが肩をすくめる。その姿も俺の心を惹きつけていると言ったら、きっと君は笑うんだろうな。
「今回も絶対任務を成功させようね。ラスティ!」
「ああ」
いつだって生き生きと輝いているサラ。
そんな君に、俺は恋している。
未だこの気持ちを伝えることは出来ないけれど。
いつか戦争が終わったら。
ーーきっと告白しよう。
そう心に決めていた。
ーーやばい!
そう思ったときにはもう向けられていた照準。
でも不思議と恐怖が存在していなかったのはきっと、視界の端に彼女の姿が見えていたから。
「……っ!」
もう一度だけ紡ぎたかったその名前を、音にすることは出来なかったけれど。最期の瞬間に彼女を見ることが出来たのは幸運だった。
ーーサラの事が好きだった。
薄れゆく意識の中、伝えたかった言葉が頭の中をよぎる。
ーーこんな事なら、出撃前に伝えておけば良かったな。
スローモーションに流れる景色は、俺に後悔する時間を与えてくれた。
ーー気持ちを伝えていたら、サラは俺の気持ちを受け止めてくれたんだろうか?
そんな事まで考えられてしまうほどに、長い長い時間。
もしも更なる幸せを望めるのなら、ほんの一粒で良い。俺のために涙を流して欲しい。
時々で良い。俺のことを思いだして欲しい。
一瞬で良い。俺を……好きになって欲しい。
ーー俺ってば、こんな時まで我が儘で欲張りなんだな。
完全に意識の消える瞬間まで、サラの事を考えていられた俺は本当に幸せだったと思う。
ーーサラ……。