ファインダー越しに(ラスティ悲恋)
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君のその大切な一瞬をいつまでも残しておきたくて、夢中でシャッターを切った。
ファインダー越しに見える君の姿は、いつもの勇ましさとはほど遠く、むしろ儚さを感じる。
俺は君を本当はこんな風に見ていたのだろうか。それはとても不思議な感覚だった。
「何ぼんやりしてんのよ。ラスティ」
少し呆れたように覗き込んでくる彼女に、別にと答える。
時を同じくしてアカデミー、そしてザフトに入隊した彼女。ライバルであり片想いの相手である彼女はきっと、俺の気持ちなど知らないだろう。
「もうモデルは終了?」
くすりと笑うその笑顔もとても魅力的だ。
俺は今まで一体いくつのフィルムを潰しただろう。尋常ではない数の開封されたフィルムが、鞄の中に転がっている。
何枚撮っても。どれだけシャッターを切っても未だ足りないと思わせる何かを、彼女が持っているから。全て撮り終え、もうシャッターを押せなくなったカメラのファインダー越しに彼女を見続けていた。
目を離すのが名残惜しくて。
「撮り終えたんなら帰ろうよ。そろそろ雪の時間じゃない?」
プラントの天気は、全て機械で管理されている。そう言えば、今夜の天気は雪だった。見た目はとても綺麗だけれど、あの冷たさは体に響く。彼女に風邪を引かせるわけにもいかない。
「そうだな。そろそろ帰るか」
俺は頷き、荷物をまとめた。
「付き合ってくれてサンキュ。」
帰りの車の中、礼を言う。
元々カメラが趣味で、休みの日にはよく一人で写真を撮りに出かけていた。それ以外ではアスラン達や風景を撮ってはいたけれど、女の子を被写体にしたことはなくて。
そろそろ一度撮ってみたいと思い、それならば……と想い人であった彼女、サラにモデルを頼んだのだ。偶然同じ日が非番だった彼女は快く引き受けてくれ、今日こうして側にいてくれている。
「ううん、こっちこそ誘ってくれて嬉しかったよ。モデルなんて初めてでドキドキしたけどさ。結構面白かった。でも私なんかで本当に良かったの?」
最初に頼んだときにも言われた質問。男勝りなサラは、自分よりももっと女らしくて可愛い子がたくさんいるのに、と言っていた。
でも俺が撮りたかったのは、サラ。それ以外の誰でもない。
「今日は良い写真がたくさん撮れたよ。サラのお陰でね」
「そ? それなら良かったけど」
にこりと笑顔を見せてくれる彼女に、改めて惚れ直す。
どうやら本人は気付いていないらしい。自分がどれだけ魅力的なのか。こんなにも綺麗で、こんなにも俺の心を惹きつけているのに。
「感謝してるよ」
モデルになってくれたことだけじゃない。こうして隣で笑顔を見せてくれたことにも。
ファインダー越しに見える君の姿は、いつもの勇ましさとはほど遠く、むしろ儚さを感じる。
俺は君を本当はこんな風に見ていたのだろうか。それはとても不思議な感覚だった。
「何ぼんやりしてんのよ。ラスティ」
少し呆れたように覗き込んでくる彼女に、別にと答える。
時を同じくしてアカデミー、そしてザフトに入隊した彼女。ライバルであり片想いの相手である彼女はきっと、俺の気持ちなど知らないだろう。
「もうモデルは終了?」
くすりと笑うその笑顔もとても魅力的だ。
俺は今まで一体いくつのフィルムを潰しただろう。尋常ではない数の開封されたフィルムが、鞄の中に転がっている。
何枚撮っても。どれだけシャッターを切っても未だ足りないと思わせる何かを、彼女が持っているから。全て撮り終え、もうシャッターを押せなくなったカメラのファインダー越しに彼女を見続けていた。
目を離すのが名残惜しくて。
「撮り終えたんなら帰ろうよ。そろそろ雪の時間じゃない?」
プラントの天気は、全て機械で管理されている。そう言えば、今夜の天気は雪だった。見た目はとても綺麗だけれど、あの冷たさは体に響く。彼女に風邪を引かせるわけにもいかない。
「そうだな。そろそろ帰るか」
俺は頷き、荷物をまとめた。
「付き合ってくれてサンキュ。」
帰りの車の中、礼を言う。
元々カメラが趣味で、休みの日にはよく一人で写真を撮りに出かけていた。それ以外ではアスラン達や風景を撮ってはいたけれど、女の子を被写体にしたことはなくて。
そろそろ一度撮ってみたいと思い、それならば……と想い人であった彼女、サラにモデルを頼んだのだ。偶然同じ日が非番だった彼女は快く引き受けてくれ、今日こうして側にいてくれている。
「ううん、こっちこそ誘ってくれて嬉しかったよ。モデルなんて初めてでドキドキしたけどさ。結構面白かった。でも私なんかで本当に良かったの?」
最初に頼んだときにも言われた質問。男勝りなサラは、自分よりももっと女らしくて可愛い子がたくさんいるのに、と言っていた。
でも俺が撮りたかったのは、サラ。それ以外の誰でもない。
「今日は良い写真がたくさん撮れたよ。サラのお陰でね」
「そ? それなら良かったけど」
にこりと笑顔を見せてくれる彼女に、改めて惚れ直す。
どうやら本人は気付いていないらしい。自分がどれだけ魅力的なのか。こんなにも綺麗で、こんなにも俺の心を惹きつけているのに。
「感謝してるよ」
モデルになってくれたことだけじゃない。こうして隣で笑顔を見せてくれたことにも。
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