足りない言葉(アスラン悲恋)
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「また、行くの?」
3日間の休暇も今日で終わる。そろそろ迎えが来る頃だと、荷物を肩にかけたアスランに向けてサラが言った。
「あぁ」
言葉少なに頷くアスラン。その表情は困っているように見える。
「そう……」
寂しそうなサラの呟きが、ため息と共に漏れた。
「戦いが嫌いな癖に、自ら人を殺しに行くのね」
続いて吐き出された辛辣な言葉が、アスランの胸に突き刺さる。
だが反論は出来ない。それは紛れもない事実だから。
「……次の休みが決まったら連絡するよ。それまで元気で」
サラの言葉への返事はせず、いつも通りの挨拶を残してアスランが出ていく。ぱたりと無機質な音を立てる扉が、アスランとの繋がりを隔てた。
「バカ……」
いつだってそうだった。
どんなに苦しくても、弱音を吐かない。
どんなに辛くても、打ち明けようとはしない。
――サラにだけは。
「それが愛情表現だなんて、とんだ勘違いなのにね」
出会ったのは、アスランがプラントに引っ越してきた頃。
少しずつ育まれた想いを、お互いが知ったのは1年後。
そしてつきあい始めて丸2年。
最初はお互い会話も多かったはずなのに、アスランが戦争に身を投じるようになった頃から何かがずれ始め、今では一緒にいても言葉は少なかった。
想いは変わっていない。少なくともサラは、出会った頃のままアスランを想い続けている。
では、アスランは――?
「言葉にしてくれないと分からない事の方が、世の中多いのよ」
不安が増えれば傷となる。大切に思われているのは分かるが、それが真実の愛情だと心で感じられなければ、不安を消すことも、傷を癒すことも出来ないのだ。
「もう……限界なの」
サラの眦に浮かぶ涙に、望む姿は映っていない。
「アスラン……」
涙を湛えたまま、サラはゆっくりと机の引き出しに手をかけた。
「私は貴方のように、優しくも強くもなれない――」
3日間の休暇も今日で終わる。そろそろ迎えが来る頃だと、荷物を肩にかけたアスランに向けてサラが言った。
「あぁ」
言葉少なに頷くアスラン。その表情は困っているように見える。
「そう……」
寂しそうなサラの呟きが、ため息と共に漏れた。
「戦いが嫌いな癖に、自ら人を殺しに行くのね」
続いて吐き出された辛辣な言葉が、アスランの胸に突き刺さる。
だが反論は出来ない。それは紛れもない事実だから。
「……次の休みが決まったら連絡するよ。それまで元気で」
サラの言葉への返事はせず、いつも通りの挨拶を残してアスランが出ていく。ぱたりと無機質な音を立てる扉が、アスランとの繋がりを隔てた。
「バカ……」
いつだってそうだった。
どんなに苦しくても、弱音を吐かない。
どんなに辛くても、打ち明けようとはしない。
――サラにだけは。
「それが愛情表現だなんて、とんだ勘違いなのにね」
出会ったのは、アスランがプラントに引っ越してきた頃。
少しずつ育まれた想いを、お互いが知ったのは1年後。
そしてつきあい始めて丸2年。
最初はお互い会話も多かったはずなのに、アスランが戦争に身を投じるようになった頃から何かがずれ始め、今では一緒にいても言葉は少なかった。
想いは変わっていない。少なくともサラは、出会った頃のままアスランを想い続けている。
では、アスランは――?
「言葉にしてくれないと分からない事の方が、世の中多いのよ」
不安が増えれば傷となる。大切に思われているのは分かるが、それが真実の愛情だと心で感じられなければ、不安を消すことも、傷を癒すことも出来ないのだ。
「もう……限界なの」
サラの眦に浮かぶ涙に、望む姿は映っていない。
「アスラン……」
涙を湛えたまま、サラはゆっくりと机の引き出しに手をかけた。
「私は貴方のように、優しくも強くもなれない――」
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