桜ノ色ハ血ノ色(アスラン)【全38P完結】
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回線の向こうで何が起きているのかが分からないアスランは、とにかくMSを起動すると、爆発の続く工場からの脱出を試みる。やがて空が見えてくると、同時に大きな光が見えた。
あちこちで爆発は続いているというのに、太陽の光をも凌ぐほどに明るいその光だけが、アスランの心に大きな不安を与える。
「サラ? まさか……」
思い過ごしであってくれと願う。
そうでなくても奪取の際、ここにはいないはずの幼なじみ、キラらしき人物と出会ってしまうという、胸を痛める出来事があったというのに。サラの事もキラの事も、まだ確認はできていない。それでも何故かどちらにも、欲しくなどない確信があった。
「サラ、どうか無事に脱出していてくれ! キラ、君も……!!」
ザザッ
スピーカーからノイズが聞こえ、通信が入ってきたことが分かった。
もしかしたらまたサラかもしれない。そう思い、慌ててモニターをオンにすると、そこに映ったのはミゲル。
『よくやった、アスラン!』
信じていたぞと嬉しそうな笑顔を見せながら、アスランに労いの言葉をかける。サラでは無かったことに一瞬落胆の色を見せながらも、すぐにアスランは気を取り直して現状を伝えた。
「ラスティは失敗だ! 向こうの機体には地球軍の士官が乗っている!」
『何だって!?』
驚きの声が上がるのも無理はない。
心底信じていたのだから。全ての機体を確実に奪取できたのだと。
『ラスティはどうした!?』
慌てるミゲルに返ってきたのは沈黙。そしてモニターの中、沈痛な面持ちで首を振るアスランの姿。
「失敗……したんだ……」
『マ……ジかよ……っ!!』
そんなはずがないと思いたかった。だが、アスランがこんな悪い冗談を、こんな状況で言うはずがない。しかも――。
「サラも……」
『サラも!? どういう事だよ!!』
立て続けに伝えられる悪い知らせが、ミゲルを戸惑わせる。
『サラが見つからないのか? 誰か一人くらい接触してないのかよ!』
「分からない。さっき通信が入ったんだが……」
『入ったんなら何で迎えに行かない!?』
「居場所を教えてくれなかったんだ! 回線も一方的に切られて……っ!」
アスランにしては珍しい、癇癪を起こす姿。少し泣きそうな顔をしている事に驚いた。それと同時に、ふつふつと沸いてくる怒り。親友であるラスティの命を奪い、サラを危険な目に遭わせ、アスランを苦しめている地球軍が許せない。
『なら、あの機体は俺が捕獲する!』
激昂したミゲルの声が響いた。
『おまえは先に離脱しろ! ラスティの為にも必ず俺が……捕獲してみせる!』
「ミゲル!」
『良いから早く行け! 捕獲したら俺もすぐに行くから!!」
「……了解した」
一瞬ためらいを見せたアスランだったが、今自分がここにいても何も出来ないと言うことは分かっている。
とにかく一旦艦に戻ろう。もしかしたらサラは、誰か他の者と共に戻っているかも知れない。
いや、きっと戻っているに違いない。
必死に自分に言い聞かせると、すぐさまOSを完全に書き換えたアスランは、空へと飛びたった。
だが、艦に戻ってもアスランの願いは叶えられることはなく――。
艦のどこにも、サラの姿は無かった。
残された最後の1機を奪取すべく、新たな作戦が展開される。再びヘリオポリスへの攻撃を始めたザフト軍の中には、命令を受けていないはずのアスランの姿があった。
「くっ!」
繰り広げられる戦い。
時を追う毎に、次々と生み出される戦火。
対照的に、あっさりと消されていく仲間の命の火。
「ミゲルーーっ!!」
叫んでも何も変わらない。痛む胸の内を押さえ、確認すれば大きくなる傷。
「やはりキラ。キラなのか!?」
『アスラン……アスラン・ザラ!?』
追い打ちをかけるように、一番望んでいなかった答えが目の前に姿を現す。
「キラは敵で……サラは見つからなくて……」
ぶつかり合う毎に激しく散る火花は、アスランの心の叫びなのか。
「どうして……っ!!」
大地が崩壊していく。
戦いに戻ったわけじゃない。サラを見つけるために、ただそれだけの為に命令を無視してまで戻ってきたのに。
手がかりを見つけるどころか地上に降りることすらできないまま、アスランは形を変えていくヘリオポリスを、真っ青になりながら見下ろしている。
「サラ……!!」
自分がサラと交信をしていた時には既に、ほとんどのシェルターが閉鎖されていたはずだ。となると、サラはどうなる? 大地が残っていれば彼女のことだ。何とかして生き延びることは出来るだろう。だが、踏みしめる大地が無ければ……?
「サラっ! サラ~~っ!!」
チャンネルをオープンにして叫んでも、崩壊時の爆音が完全にその声を消し去ってしまう。
「やっと……サラの本音を聞けたのに……」
もう、そこにかつてのコロニーの姿は無い。
「やっと……手に入れたと思ったのに……」
崩れゆく物が、サラとの絆に重なる。
「サラ……っ!!」
悲痛な叫びは嗚咽へと変わり、涙は視界を曇らせた。
完全にヘリオポリスが崩壊し、宇宙に再び沈黙が訪れる。帰艦命令にも応えず、半ば放心状態でヘリオポリスがあったはずの場所を見つめていたアスランは、やがて心配して迎えに来たニコルに連れられて帰艦した。
あちこちで爆発は続いているというのに、太陽の光をも凌ぐほどに明るいその光だけが、アスランの心に大きな不安を与える。
「サラ? まさか……」
思い過ごしであってくれと願う。
そうでなくても奪取の際、ここにはいないはずの幼なじみ、キラらしき人物と出会ってしまうという、胸を痛める出来事があったというのに。サラの事もキラの事も、まだ確認はできていない。それでも何故かどちらにも、欲しくなどない確信があった。
「サラ、どうか無事に脱出していてくれ! キラ、君も……!!」
ザザッ
スピーカーからノイズが聞こえ、通信が入ってきたことが分かった。
もしかしたらまたサラかもしれない。そう思い、慌ててモニターをオンにすると、そこに映ったのはミゲル。
『よくやった、アスラン!』
信じていたぞと嬉しそうな笑顔を見せながら、アスランに労いの言葉をかける。サラでは無かったことに一瞬落胆の色を見せながらも、すぐにアスランは気を取り直して現状を伝えた。
「ラスティは失敗だ! 向こうの機体には地球軍の士官が乗っている!」
『何だって!?』
驚きの声が上がるのも無理はない。
心底信じていたのだから。全ての機体を確実に奪取できたのだと。
『ラスティはどうした!?』
慌てるミゲルに返ってきたのは沈黙。そしてモニターの中、沈痛な面持ちで首を振るアスランの姿。
「失敗……したんだ……」
『マ……ジかよ……っ!!』
そんなはずがないと思いたかった。だが、アスランがこんな悪い冗談を、こんな状況で言うはずがない。しかも――。
「サラも……」
『サラも!? どういう事だよ!!』
立て続けに伝えられる悪い知らせが、ミゲルを戸惑わせる。
『サラが見つからないのか? 誰か一人くらい接触してないのかよ!』
「分からない。さっき通信が入ったんだが……」
『入ったんなら何で迎えに行かない!?』
「居場所を教えてくれなかったんだ! 回線も一方的に切られて……っ!」
アスランにしては珍しい、癇癪を起こす姿。少し泣きそうな顔をしている事に驚いた。それと同時に、ふつふつと沸いてくる怒り。親友であるラスティの命を奪い、サラを危険な目に遭わせ、アスランを苦しめている地球軍が許せない。
『なら、あの機体は俺が捕獲する!』
激昂したミゲルの声が響いた。
『おまえは先に離脱しろ! ラスティの為にも必ず俺が……捕獲してみせる!』
「ミゲル!」
『良いから早く行け! 捕獲したら俺もすぐに行くから!!」
「……了解した」
一瞬ためらいを見せたアスランだったが、今自分がここにいても何も出来ないと言うことは分かっている。
とにかく一旦艦に戻ろう。もしかしたらサラは、誰か他の者と共に戻っているかも知れない。
いや、きっと戻っているに違いない。
必死に自分に言い聞かせると、すぐさまOSを完全に書き換えたアスランは、空へと飛びたった。
だが、艦に戻ってもアスランの願いは叶えられることはなく――。
艦のどこにも、サラの姿は無かった。
残された最後の1機を奪取すべく、新たな作戦が展開される。再びヘリオポリスへの攻撃を始めたザフト軍の中には、命令を受けていないはずのアスランの姿があった。
「くっ!」
繰り広げられる戦い。
時を追う毎に、次々と生み出される戦火。
対照的に、あっさりと消されていく仲間の命の火。
「ミゲルーーっ!!」
叫んでも何も変わらない。痛む胸の内を押さえ、確認すれば大きくなる傷。
「やはりキラ。キラなのか!?」
『アスラン……アスラン・ザラ!?』
追い打ちをかけるように、一番望んでいなかった答えが目の前に姿を現す。
「キラは敵で……サラは見つからなくて……」
ぶつかり合う毎に激しく散る火花は、アスランの心の叫びなのか。
「どうして……っ!!」
大地が崩壊していく。
戦いに戻ったわけじゃない。サラを見つけるために、ただそれだけの為に命令を無視してまで戻ってきたのに。
手がかりを見つけるどころか地上に降りることすらできないまま、アスランは形を変えていくヘリオポリスを、真っ青になりながら見下ろしている。
「サラ……!!」
自分がサラと交信をしていた時には既に、ほとんどのシェルターが閉鎖されていたはずだ。となると、サラはどうなる? 大地が残っていれば彼女のことだ。何とかして生き延びることは出来るだろう。だが、踏みしめる大地が無ければ……?
「サラっ! サラ~~っ!!」
チャンネルをオープンにして叫んでも、崩壊時の爆音が完全にその声を消し去ってしまう。
「やっと……サラの本音を聞けたのに……」
もう、そこにかつてのコロニーの姿は無い。
「やっと……手に入れたと思ったのに……」
崩れゆく物が、サラとの絆に重なる。
「サラ……っ!!」
悲痛な叫びは嗚咽へと変わり、涙は視界を曇らせた。
完全にヘリオポリスが崩壊し、宇宙に再び沈黙が訪れる。帰艦命令にも応えず、半ば放心状態でヘリオポリスがあったはずの場所を見つめていたアスランは、やがて心配して迎えに来たニコルに連れられて帰艦した。
