桜ノ色ハ血ノ色(アスラン)【全38P完結】
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「よく分かったな。やはりお前は頭が回る。命令通りに動いていれば良かったものを」
「父さん」
振り向かなくても間違えようのない声が、真後ろから聞こえた。興奮しすぎて周りが見えなくなっていたことに、サラは心底後悔する。
「どうしてここに?」
「忘れ物を取りに来ただけだ。カトウに頼んでおいたデータを、な」
「カトウ? 確かMSのOS開発担当の……」
「そうだ。優秀なコーディネイターの学生を使って、良いOSを組んでくれたよ」
「嫌っているコーディネイターが組んだものを、よく喜んで持っていけるわね」
「私が嫌いなのはコーディネイターという存在であって、OSではないからな。過程ではなく、結果があればそれで良いんだよ」
くっくっと笑い声を漏らす父に、サラは激しい怒りを覚える。こんな奴と共に、戦争を終わらせようと必死になっていた自分がとても愚かに思えて仕方ない。だが今更悔やんでも遅いのだ。
全てを精算しよう。
瞬時にサラの頭に浮かんだのは、その言葉だった。
「お前にも色々と教えられたよ。素直に感謝している。だがもう疲れただろう? そろそろシルフィアの元に逝っても良い頃じゃないか?」
ガチャリとチェンバーを引く音が、背中越しに聞こえた。
サラにとって、一瞬の隙をついて逃げることは簡単なこと。だがどうしても聞いておきたいことがあったサラは、それをしない。
「父さん……最後に聞かせて」
覚悟を決めたかのように、サラが言う。良いだろうと先を促すケイジに、サラは問いかけた。
「どうしてコーディネイターを憎むの?」
「決まっているだろう? コーディネイターは自然の中の存在ではない。作り出された異なる者だ。我々は青き清浄なる世界のために、あいつらを一掃しなければならないんだよ」
「じゃあどうしてその憎んでいるコーディネイターにMSを盗ませようとしているの?」
「ナチュラルの人間がOSを組んでも、現状ではまだ実用に踏み切れるほどの物は作れない。それならどうすればいいか、お前なら分かるだろう。」
「コーディネイターにOSを組ませれば良い、と?」
「そうだ。ザフトには優秀なコーディネイターが集まっている。そこで開発を進めることが出来れば、想像以上に素晴らしい力を持ったMSが生まれると言うわけだ」
「それじゃ矛盾してるじゃない! ザフトがMSを完成させて、地球を攻撃してきたら……」
「大丈夫だ。ザフトの中には我々の息のかかっている者がいるのでね。完成と同時に、MSと共に地球へと戻ってくる手はずだ。コーディネイターの中にも、我々の支援者はいくらでも――」
そこまで言いかけたとき、ドウンッという大きな音と共に、地面が激しく揺れた。体勢を崩したケイジにサラはすかさず蹴りを入れ、銃をはじき飛ばす。慌ててその銃を拾おうとしたケイジだったが、すぐさまサラに体を押さえつけられた。
「許さない!」
「……っ」
「父さん……ううん、あんたなんて、私の父じゃない!」
「残念ながら、紛れもなく父親だ。血が繋がっていることはお前が一番よく知っているだろう?」
「うるさい……! うるさいうるさいうるさいっ!!」
渾身の力を込めて鳩尾を殴る。あっけなく伸びてしまったケイジを床に転がすと、サラは先ほど壊した物の隣のコンピューターに触れた。
再びパスワードを解除し、回線を開いていく。だが今回ハッキングしている場所は先ほどとは違う。
ピーッ
小さな音と共に開かれた回線は、『うわっ』という驚きの声を届けてきた。
『一体今のは……』
「アスラン!」
『その声、サラ!?』
回線を通して聞こえてきたのはアスランの声。ほっとしたようにサラは、スピーカーにもたれかかってアスランの声に聞き入る。
『サラ! 今どこにいるんだ!? サラ! 俺がこのMSに乗っていることが分かったと言うことは、見える場所にいるってことか? サラ! 聞こえてるのか!? サラ!!』
「何度も呼ばなくても聞こえてるよ。大丈夫」
今アスランを感じられるのは、声のみ。姿など見えてはいない。
これまでさんざん見てきたOSの書換の訓練で、個々の癖を覚えていたこともあり、MSを奪取した頃を見計らってハッキングすれば、誰が乗っているかなどサラには一目瞭然だ。
それが例えその場しのぎの中途半端な書換であったとしても。
――アスランの癖なら尚更。
スピーカーから聞こえてくるのは、喜びと焦りの入り交じる興奮した声。必死に自分に呼びかけてくれることが嬉しかった。
「父さん」
振り向かなくても間違えようのない声が、真後ろから聞こえた。興奮しすぎて周りが見えなくなっていたことに、サラは心底後悔する。
「どうしてここに?」
「忘れ物を取りに来ただけだ。カトウに頼んでおいたデータを、な」
「カトウ? 確かMSのOS開発担当の……」
「そうだ。優秀なコーディネイターの学生を使って、良いOSを組んでくれたよ」
「嫌っているコーディネイターが組んだものを、よく喜んで持っていけるわね」
「私が嫌いなのはコーディネイターという存在であって、OSではないからな。過程ではなく、結果があればそれで良いんだよ」
くっくっと笑い声を漏らす父に、サラは激しい怒りを覚える。こんな奴と共に、戦争を終わらせようと必死になっていた自分がとても愚かに思えて仕方ない。だが今更悔やんでも遅いのだ。
全てを精算しよう。
瞬時にサラの頭に浮かんだのは、その言葉だった。
「お前にも色々と教えられたよ。素直に感謝している。だがもう疲れただろう? そろそろシルフィアの元に逝っても良い頃じゃないか?」
ガチャリとチェンバーを引く音が、背中越しに聞こえた。
サラにとって、一瞬の隙をついて逃げることは簡単なこと。だがどうしても聞いておきたいことがあったサラは、それをしない。
「父さん……最後に聞かせて」
覚悟を決めたかのように、サラが言う。良いだろうと先を促すケイジに、サラは問いかけた。
「どうしてコーディネイターを憎むの?」
「決まっているだろう? コーディネイターは自然の中の存在ではない。作り出された異なる者だ。我々は青き清浄なる世界のために、あいつらを一掃しなければならないんだよ」
「じゃあどうしてその憎んでいるコーディネイターにMSを盗ませようとしているの?」
「ナチュラルの人間がOSを組んでも、現状ではまだ実用に踏み切れるほどの物は作れない。それならどうすればいいか、お前なら分かるだろう。」
「コーディネイターにOSを組ませれば良い、と?」
「そうだ。ザフトには優秀なコーディネイターが集まっている。そこで開発を進めることが出来れば、想像以上に素晴らしい力を持ったMSが生まれると言うわけだ」
「それじゃ矛盾してるじゃない! ザフトがMSを完成させて、地球を攻撃してきたら……」
「大丈夫だ。ザフトの中には我々の息のかかっている者がいるのでね。完成と同時に、MSと共に地球へと戻ってくる手はずだ。コーディネイターの中にも、我々の支援者はいくらでも――」
そこまで言いかけたとき、ドウンッという大きな音と共に、地面が激しく揺れた。体勢を崩したケイジにサラはすかさず蹴りを入れ、銃をはじき飛ばす。慌ててその銃を拾おうとしたケイジだったが、すぐさまサラに体を押さえつけられた。
「許さない!」
「……っ」
「父さん……ううん、あんたなんて、私の父じゃない!」
「残念ながら、紛れもなく父親だ。血が繋がっていることはお前が一番よく知っているだろう?」
「うるさい……! うるさいうるさいうるさいっ!!」
渾身の力を込めて鳩尾を殴る。あっけなく伸びてしまったケイジを床に転がすと、サラは先ほど壊した物の隣のコンピューターに触れた。
再びパスワードを解除し、回線を開いていく。だが今回ハッキングしている場所は先ほどとは違う。
ピーッ
小さな音と共に開かれた回線は、『うわっ』という驚きの声を届けてきた。
『一体今のは……』
「アスラン!」
『その声、サラ!?』
回線を通して聞こえてきたのはアスランの声。ほっとしたようにサラは、スピーカーにもたれかかってアスランの声に聞き入る。
『サラ! 今どこにいるんだ!? サラ! 俺がこのMSに乗っていることが分かったと言うことは、見える場所にいるってことか? サラ! 聞こえてるのか!? サラ!!』
「何度も呼ばなくても聞こえてるよ。大丈夫」
今アスランを感じられるのは、声のみ。姿など見えてはいない。
これまでさんざん見てきたOSの書換の訓練で、個々の癖を覚えていたこともあり、MSを奪取した頃を見計らってハッキングすれば、誰が乗っているかなどサラには一目瞭然だ。
それが例えその場しのぎの中途半端な書換であったとしても。
――アスランの癖なら尚更。
スピーカーから聞こえてくるのは、喜びと焦りの入り交じる興奮した声。必死に自分に呼びかけてくれることが嬉しかった。
