桜ノ色ハ血ノ色(アスラン)【全38P完結】
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3日という時は瞬く間に過ぎ去り、予定通りカオシュンへの猛攻撃が始まった。
そんな中クルーゼ隊はというと、未だ待機中である。次の作戦に備えておくようにとの通達を受けている少年達は、相変わらずシミュレーションを繰り返す毎日を送っていた。
だが今までとは少しだけ違う事がある。
その場所に、サラがいないという事。
いつもなら必ず監督をしていたサラが、今はいない。少年達も不思議に思ってはいたが、隊長命令により別の場所で動いていると聞かされると、納得するしかなかった。
それ以上に彼女の実力なら、特殊任務を与えられていてもおかしくないと思えるから。ただ黙々と、聖の帰りを待ちながらシミュレーションは続けられた。
その頃サラはというと、へリオポリスにある秘密工場に潜入していた。
以前サラがザフトにもたらした情報は、既に過去の物。現状がどのようなものなのかは未だはっきりと分かっていない。連合側が動き始めたこともあり、詳細を掴もうとクルーゼの命によりヘリオポリスへと降り立ったのだ。
現在は整備士として潜り込み、情報収集に追われている。サラがへリオポリスにその姿を見せたのは、父から連絡の入った翌日だった。
猜疑心の強くなっている地球連合軍。見慣れない人間がいればすぐに通報され、拘束されて当然なのだが、サラは決してそんなへまをしない。ザフト内では見せることを許されなかった素顔のサラの人懐こい笑みと、連合軍の内部事情を知っているという自信が、周りの者達に疑いを持たせはしなかった。
「とうとうコーディネーターの奴らがカオシュンまで迫ってきたんだな」
整備士の男に声をかけられ、MSのOSの点検をしていたサラが顔を上げる。
「そうみたいですね。恐いな……」
クルーゼ隊の面々が見たら度肝を抜きそうなほどに弱々しい、庇護欲をそそる表情を見せるサラ。一瞬見とれてしまった男だったが、慌てて取り繕う。
「へリオポリスは中立だから、奴らも攻撃はしてこないだろう。大丈夫だよ」
「でももしここにMSがあるって事がばれたらと思うと、冷や冷やしちゃいます」
「まぁ確かにこういう情報は、どこから漏れるか分かったもんじゃないからな。実際今回の『作業スピードを上げろ』ってお達しも、ザフトに情報が漏れたらしいと言う噂から出た物らしいぜ」
「そうだったんですか?」
「軍の中ですら極秘裏に進められてる計画だってのに、ザフトに知られてちゃ世話ないよな。ほんと、情報ってのはどんな形で流れてしまうか分からないもんだよ」
――そうそう、どこから漏れるか分からないもんだよ。
口にはしないがそんな事を考えながら、ザフトにその情報を最初に漏らした張本人はうんうんと頷いた。
「まぁ何にしても急がなきゃいけないことに代わりはないけどな。とりあえず出来る限り頑張ろうぜ」
「はい」
じゃあなと男はサラの肩を軽く叩き、自分を呼びに来た整備仲間と共に走り去る。軽く手を振ったサラも、男の姿が見えなくなると小さくぺろりと舌を出し、再び自分の作業に戻った。
それは既に解析を終えたMSの現OSを整備している呈にしながら、自分の部下達――アスラン達が最も作り替えやすいプログラムに変更するという作業。ただしこれは今回の任務からは少しはずれた、サラの独断での行動だったのだが。
ここ数日の情報収集で、以前サラが解析したMSのOSは、あくまで軍の一部が戦争兵器の新案として実験的に作っていた物だったことが分かった。その有効性が認められ、実際に今のG計画として動き出したのは、実はここ数ヶ月のことらしい。
だが実験段階であれ、情報を手に入れていたことで、ザフト側の対応は早くなる。しかもサラが先を読み、シミュレーション用に組み替えたOSは、今目の前にあるOS等とは比べ物にならないくらいに先を行っていた。
ここにあるのはあまりにも単純すぎて、逆に書き換えが苦労しそうな初期段階の物。例え別の場所で更に進んだOSを用意していたとしても、たかが知れているだろう。
「フユツキー! こっちのOSチェックも頼むなー!」
「はーい」
いつの間にかプログラム関係の仕事を任されるようになっていたサラ。今となってはもう誰も、サラがOSに触れていることに疑いを持たない。お陰で自分から集めに行かなくても、自ら飛び込んでくる情報もある程だった。
それから更に数日が過ぎ――。
やがてサラのもたらした情報が、ザフトを動かすこととなる。
そんな中クルーゼ隊はというと、未だ待機中である。次の作戦に備えておくようにとの通達を受けている少年達は、相変わらずシミュレーションを繰り返す毎日を送っていた。
だが今までとは少しだけ違う事がある。
その場所に、サラがいないという事。
いつもなら必ず監督をしていたサラが、今はいない。少年達も不思議に思ってはいたが、隊長命令により別の場所で動いていると聞かされると、納得するしかなかった。
それ以上に彼女の実力なら、特殊任務を与えられていてもおかしくないと思えるから。ただ黙々と、聖の帰りを待ちながらシミュレーションは続けられた。
その頃サラはというと、へリオポリスにある秘密工場に潜入していた。
以前サラがザフトにもたらした情報は、既に過去の物。現状がどのようなものなのかは未だはっきりと分かっていない。連合側が動き始めたこともあり、詳細を掴もうとクルーゼの命によりヘリオポリスへと降り立ったのだ。
現在は整備士として潜り込み、情報収集に追われている。サラがへリオポリスにその姿を見せたのは、父から連絡の入った翌日だった。
猜疑心の強くなっている地球連合軍。見慣れない人間がいればすぐに通報され、拘束されて当然なのだが、サラは決してそんなへまをしない。ザフト内では見せることを許されなかった素顔のサラの人懐こい笑みと、連合軍の内部事情を知っているという自信が、周りの者達に疑いを持たせはしなかった。
「とうとうコーディネーターの奴らがカオシュンまで迫ってきたんだな」
整備士の男に声をかけられ、MSのOSの点検をしていたサラが顔を上げる。
「そうみたいですね。恐いな……」
クルーゼ隊の面々が見たら度肝を抜きそうなほどに弱々しい、庇護欲をそそる表情を見せるサラ。一瞬見とれてしまった男だったが、慌てて取り繕う。
「へリオポリスは中立だから、奴らも攻撃はしてこないだろう。大丈夫だよ」
「でももしここにMSがあるって事がばれたらと思うと、冷や冷やしちゃいます」
「まぁ確かにこういう情報は、どこから漏れるか分かったもんじゃないからな。実際今回の『作業スピードを上げろ』ってお達しも、ザフトに情報が漏れたらしいと言う噂から出た物らしいぜ」
「そうだったんですか?」
「軍の中ですら極秘裏に進められてる計画だってのに、ザフトに知られてちゃ世話ないよな。ほんと、情報ってのはどんな形で流れてしまうか分からないもんだよ」
――そうそう、どこから漏れるか分からないもんだよ。
口にはしないがそんな事を考えながら、ザフトにその情報を最初に漏らした張本人はうんうんと頷いた。
「まぁ何にしても急がなきゃいけないことに代わりはないけどな。とりあえず出来る限り頑張ろうぜ」
「はい」
じゃあなと男はサラの肩を軽く叩き、自分を呼びに来た整備仲間と共に走り去る。軽く手を振ったサラも、男の姿が見えなくなると小さくぺろりと舌を出し、再び自分の作業に戻った。
それは既に解析を終えたMSの現OSを整備している呈にしながら、自分の部下達――アスラン達が最も作り替えやすいプログラムに変更するという作業。ただしこれは今回の任務からは少しはずれた、サラの独断での行動だったのだが。
ここ数日の情報収集で、以前サラが解析したMSのOSは、あくまで軍の一部が戦争兵器の新案として実験的に作っていた物だったことが分かった。その有効性が認められ、実際に今のG計画として動き出したのは、実はここ数ヶ月のことらしい。
だが実験段階であれ、情報を手に入れていたことで、ザフト側の対応は早くなる。しかもサラが先を読み、シミュレーション用に組み替えたOSは、今目の前にあるOS等とは比べ物にならないくらいに先を行っていた。
ここにあるのはあまりにも単純すぎて、逆に書き換えが苦労しそうな初期段階の物。例え別の場所で更に進んだOSを用意していたとしても、たかが知れているだろう。
「フユツキー! こっちのOSチェックも頼むなー!」
「はーい」
いつの間にかプログラム関係の仕事を任されるようになっていたサラ。今となってはもう誰も、サラがOSに触れていることに疑いを持たない。お陰で自分から集めに行かなくても、自ら飛び込んでくる情報もある程だった。
それから更に数日が過ぎ――。
やがてサラのもたらした情報が、ザフトを動かすこととなる。
