中編☁️お隣さん。
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一人暮らし初めて一週間
「は〜、疲れた」
仕事から帰ってきた私はスーツを脱ぎ
部屋着に着替え、長い髪の毛をひとつに束ねた。
明日は仕事休みだし、今日はお酒飲みながらゆっくりご飯作ろう。
そう言えばお母さんからじゃがいも送られてきたな。
「肉じゃが…」
私が一番最初に作れるようになった料理だ。
「久し振りに作ろ」
三本ほど缶チューハイを開けつつ作った肉じゃが。酔いもあってか完全に作り過ぎた。
明らかに一人暮らしの量じゃない。
お母さんが大きい鍋は絶対いるからと持たせてくれた鍋で作ったのだが、確実に大家族で食べる量になってしまった。
う〜〜〜ん、
ふと浮かんだのは隣に住んでいる川西さんの顔。
男性の一人暮らしでも料理とかするのだろうか…
おすそ分け、しようかな。
タッパーに入れた肉じゃがを持って、川西さんの部屋のインターホンを鳴らす。
しかし、急に不安になった。
最初の挨拶から、結局話せてない。
のに、急に隣の女が肉じゃがを持ってきて
食べてくださいって…
「怖いか…」
「なにが?」
ひゃっと変な声が出た。
考え事をしていたので川西さんが出てきたのに全然気付かなかった…
「怖いってなんかあったん?」
心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
「ちょっと顔赤いよ?大丈夫?」
「あっ、大丈夫です!!」
声に力が入ってしまった。
じっと見られるとドキドキがうるさい。
すると川西さんが私の持っているタッパーに気付いた。
「それ、」
「あ、こ、これ、あの、肉じゃが作り過ぎちゃって…ご、ご迷惑じゃなければ、と、思ったんですけど…」
緊張し過ぎてしどろもどろだ。
自分でも気持ち悪すぎる。
こんなん川西さんもドン引きじゃろ…
「え、めっちゃ嬉しい!ほんまに貰っていいん?」
キラキラした笑顔で言う川西さんに
私は目を奪われた。
声にならない声を絞りだし、タッパーを渡した私はそそくさと部屋に戻った。
これはもう一目惚れだ。
その夜は川西さんの笑顔が頭から離れず
寝るのに苦労した。