中編☁️お隣さん。
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今日から私も東京に住むことになった。
広島の大学を卒業して、ずっと憧れてた東京。
初めての一人暮らしも、初めての就職も、すごく心配だけど、
「まぁ、なんとかなるよね」
積み上げられた段ボールをひたすら開ける。
あまり荷物を持ってこないようにはしたけどそれでも量はあるものだ。
「はー、喉乾いたなぁ」
かれこれ2時間は整理してたようだ。
いつの間にか空が赤く染まっていた。
とりあえずは片付いたし、飲み物買いにコンビニでも行こう。
そう思い、私は部屋を出た。
歩いて5分ほどにあるコンビニ。
私は大好きなカルピスサワーを手に取り、おつまみを見ようと振り返ると後ろに人がいた。
「あっごめんなさい」
ぶつかりはしないが結構近い距離にいたので咄嗟に言葉が出た。
相手はビールを取ろうとしていたらしい。
「いや、こっちこそごめんなさい」
イントネーションが違う。関西の方なのかな。色っぽい声をしていてスラッとした体型が印象的なその人はペコッと頭を下げてレジへ向かっていった。
私もその時はいい人に会えたな、そのくらいにしか思っていなかった。
貝ひもにメンマにスルメイカ。
チョイスがおっさんすぎる。
コンビニから帰宅した私はカルピスサワーを開けようとしてふと思った。
そう言えばお隣さんにご挨拶しなきゃ。
お母さんが用意してくれた洗剤。
私よりも一人暮らしを心配してくれていた。
「ちゃんとお隣さんにはご挨拶するのよ!交流は大切なんだから!」
と、買ってきてくれた洗剤を手に、私はお隣さんのインターホンを鳴らした。
「はいはい」
インターホンから声が聞こえる。
「あ、すみません、今日から隣に越してきた者で、ご挨拶をと思いまして、」
「はぁ、ちょっと待ってくださいね」
声が男の人だ。ちょっと緊張する。
どんな人なんだろう、とドキドキしながら待っているとドアが開いた。
「今日から隣に越してきた」
顔を上げると、そこには
「あ、」
コンビニでぶつかりそうになった人が、そこにいた。
「あれ、君、さっき」
「あ、あの、先程はすみませんでした」
「いやいや俺もちゃんと見てなかったから…まさかお隣さんとは」
その人が少し微笑んだ。
優しいが溢れ出した微笑みに、私は、
「これからお隣さんになるんやね。俺は川西言います。君は?」
「、あ、高嶋と申します!」
「下の名前は?」
「えっ?あ、名前は、棭子です」
「棭子ちゃん、これからよろしくね」
恋が、始まる、
私のお隣さん。
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