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近侍の彼ら

「全員無事帰還した、資材も取れた、ちゃんと他の奴らが運んだから後で見てくれ」



出陣帰りの同田貫正国は主である梨愛奈に報告をする、今回帰りは早いと聞いていたために臨時の近侍は居ない



「分かった、報告ありがとうね」



笑みを浮かべた梨愛奈は同田貫の方へと歩み寄って大きく手を広げた



「……何だよ」



同田貫は実は分かっていた、次に放たれる言葉を



「抱っこ」



……やっぱり、同田貫は心の中で思った



「嫌だ」


「え~やだ、やってよ~」



それを拒否しては梨愛奈が口を尖らせながらもっとせがむように同田貫の方へ迫る



「嫌に決まってんだろ、何で俺が……」


「………どうしても、嫌⁇」



その言葉に二人の間に沈黙が生まれる、言葉を詰まらせた同田貫、そして彼は頭を何度も掻き、大きなため息を吐いた



「分かった分かった、やりゃあいいんだろ」



その言葉に梨愛奈は嬉しそうに笑みを浮かべてそっぽを向いて手を広げて待ってくれてる同田貫の方へ近付くと彼は持ち上げてくれた



そして優しく何度も背中を叩いてくれる、それに戯れ合うように擦り寄る



そんな穏やかな時間が終わりを告げ、同田貫は梨愛奈を下ろした



「じゃあ、俺は外で筋トレしてるから、何かあったら呼べ」



同田貫は一言そう言うと障子の向こうへと消えて行った、それを見届ける梨愛奈の顔は穏やかだったのは言うまでもない
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