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近侍の彼ら

「カッカッカッ‼ 主殿、今帰ったぞ」



いつも近侍を担当している山伏国広は今回出陣の命を受け、一番隊の隊長として隊員を率いていた



臨時の近侍であるへし切り長谷部に世話をしてもらっていた幼き審神者である梨愛奈は報告へやって来た山伏の元へ駆け寄った



「お帰り‼ 山伏さん、お疲れ様‼」



笑みを浮かべ声を掛けると山伏も笑みを浮かべて駆け寄った梨愛奈を担ぎ上げた



「ただいま修行から帰ったぞ」



肩に乗せて向かい合うものの梨愛奈の表情は優れなかった



「主殿、どうなされた⁇」



疑問に思った山伏は梨愛奈に尋ねたが、彼女は答えなかった、答えたのは意外にも彼女のお世話係りをしていた者だった



「山伏、主がずっと寂しそうにしてたぞ」


「長谷部‼」



喉の奥から聞こえる声に嗜めるように言った梨愛奈、それに山伏は豪快に笑って見せた



「それは嬉しい限りであるな」



その言葉と共に髪がぐしゃぐしゃになるくらいに頭を撫でられた梨愛奈は頭を揺らされた



「ち、違……」



否定しようと声を上げようとしたが、その声は山伏の大きな笑い声によって掻き消されてしまった



「じゃあ、先程出陣した時の話をしようか、主殿ここに座られよ」



山伏は梨愛奈の足を地に着かせ、自身も腰を下ろして隣に座らせた


その後、障子の向こうではとても楽しそうな声が聞こえたという
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