夏休み
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
列に並んで参拝をする。私は大学に受かりますように、なんてお願いをした。
「焦凍、なにかお願いした?」
尋ねると、焦凍は「内緒だ」と言って、教えてくれない。追及する代わりに、「叶うといいね」と応援している気持ちを伝えた。
「冬姉から、夕飯食べてこいって言われてるんだ。水火は?」
「私も! お父さんから楽しんできてって特別おこづかいもらってます!」
右手でお金のジェスチャーをすると、彼は苦笑いを浮かべる。
「同じだな。まずは、見て回ろうか」
頷いて、屋台を見て回る。焼きそばにたこ焼き、わたあめ。とうもろこしにベビーカステラ、ソースせんべい。お祭りならではの食べ物たちに、私のお腹がぎゅるっと鳴る。
その音を聞いたのか、焦凍はちょうど目の前にあった屋台に向かっていく。
「二つ、お願いします」
お金を払うときに、財布に一万円札がたくさん入っているのがちらりと見えた。
「水火。これ、よかったら食べてくれ」
戻ってきた焦凍に渡されたのは、赤く煌めくりんご飴。割りばしの先につけられた大きめの姫りんごはずっしりと重みがある。
「……いいの?」
「普段から世話になってるからな。これじゃ足りないくらいだ」
「あ、ありがとう……」
色とりどりの看板を並べる屋台を眺めながら、二人でゆっくりと歩く。
飴に歯を立ててかじると、硬い飴の砂糖の甘さと、りんごの爽やかで瑞々しい甘さが広がる。お腹が空いていたのもあり、ぱくぱく食べていく。
ふと、焦凍が私の口元を見つめていることに気づいた。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
ふい、とそっぽを向かれてしまった。視線を合わせてくれない彼に、もしかして口元が汚れていたのかと思った私は、ティッシュを取り出して口元をぬぐう。
白い紙に、紅色の華が咲いていた。
その後、いくつかの屋台で食べ物を買った私たちは、お祭りのときだけ並んでいるベンチに腰掛けた。腿の上に戦利品を置き、割りばしを手に取る。
「食べるか」
「うん。いただきます」
私はたこ焼きをほおばる。焼きたての灼熱のごとき熱さに、「あっつう!」と声を上げながら一つ目を口にする。
熱さに耐えながらはふはふしていると、焼きそばを食べている焦凍がこちらを見ている。その口角は、不自然に上がっている。
「あ、焦凍、笑ったでしょ!」
「笑ってない」
「もう!」
二つ目のたこ焼きは割りばしで二つに割って、しっかり冷ましてから食べることにした。
出汁の効いたふわふわの生地に、関西風ソース特有の濃い旨味。ネギや紅ショウガがアクセントになっていて、食べ飽きることがなさそうだ。
「安い味で高いのに、なんでこんなにおいしいんだろうね。お祭り限定、ってやつなのかなー……」
焦凍もそう思う? と投げかけると、彼はなぜかぽかんとした顔をしていた。
「……高いか?」
「……あっ」
そうだった、と思い出す。金銭感覚の違いに驚きながら、私は高いと思って買った残り五つのたこ焼きを見つめた。
「焦凍、なにかお願いした?」
尋ねると、焦凍は「内緒だ」と言って、教えてくれない。追及する代わりに、「叶うといいね」と応援している気持ちを伝えた。
「冬姉から、夕飯食べてこいって言われてるんだ。水火は?」
「私も! お父さんから楽しんできてって特別おこづかいもらってます!」
右手でお金のジェスチャーをすると、彼は苦笑いを浮かべる。
「同じだな。まずは、見て回ろうか」
頷いて、屋台を見て回る。焼きそばにたこ焼き、わたあめ。とうもろこしにベビーカステラ、ソースせんべい。お祭りならではの食べ物たちに、私のお腹がぎゅるっと鳴る。
その音を聞いたのか、焦凍はちょうど目の前にあった屋台に向かっていく。
「二つ、お願いします」
お金を払うときに、財布に一万円札がたくさん入っているのがちらりと見えた。
「水火。これ、よかったら食べてくれ」
戻ってきた焦凍に渡されたのは、赤く煌めくりんご飴。割りばしの先につけられた大きめの姫りんごはずっしりと重みがある。
「……いいの?」
「普段から世話になってるからな。これじゃ足りないくらいだ」
「あ、ありがとう……」
色とりどりの看板を並べる屋台を眺めながら、二人でゆっくりと歩く。
飴に歯を立ててかじると、硬い飴の砂糖の甘さと、りんごの爽やかで瑞々しい甘さが広がる。お腹が空いていたのもあり、ぱくぱく食べていく。
ふと、焦凍が私の口元を見つめていることに気づいた。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
ふい、とそっぽを向かれてしまった。視線を合わせてくれない彼に、もしかして口元が汚れていたのかと思った私は、ティッシュを取り出して口元をぬぐう。
白い紙に、紅色の華が咲いていた。
その後、いくつかの屋台で食べ物を買った私たちは、お祭りのときだけ並んでいるベンチに腰掛けた。腿の上に戦利品を置き、割りばしを手に取る。
「食べるか」
「うん。いただきます」
私はたこ焼きをほおばる。焼きたての灼熱のごとき熱さに、「あっつう!」と声を上げながら一つ目を口にする。
熱さに耐えながらはふはふしていると、焼きそばを食べている焦凍がこちらを見ている。その口角は、不自然に上がっている。
「あ、焦凍、笑ったでしょ!」
「笑ってない」
「もう!」
二つ目のたこ焼きは割りばしで二つに割って、しっかり冷ましてから食べることにした。
出汁の効いたふわふわの生地に、関西風ソース特有の濃い旨味。ネギや紅ショウガがアクセントになっていて、食べ飽きることがなさそうだ。
「安い味で高いのに、なんでこんなにおいしいんだろうね。お祭り限定、ってやつなのかなー……」
焦凍もそう思う? と投げかけると、彼はなぜかぽかんとした顔をしていた。
「……高いか?」
「……あっ」
そうだった、と思い出す。金銭感覚の違いに驚きながら、私は高いと思って買った残り五つのたこ焼きを見つめた。