再会
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「あの、轟くんいますか……!」
ドアの近くにいた黒髪ポニーテールの女子生徒に話しかける。彼女は振り返って私を見つめた。
私は、入学式とガイダンスのあとA組の教室の前にいた。目的はもちろん、焦凍に会うためだ。
当たり前だ。それ以外になにがあるというのだ。
きっとこの教室にいるはず。それは冬美さんから教えてもらったのだ。A組の推薦枠だって。
焦凍に会うために、来たんだ。
あぁ、でもなんて言えばいいのかなぁ。絶対びっくりするよね。私も、相手も。それで、ちょっと混乱して「久しぶりだね」なんて言葉を交わして……。
「轟さんなら、もう帰りましたよ」
女子生徒はそう告げた。
「……え?」
驚きの声が私の口から漏れる。
「……」
もう、帰った?
こんなに……こんなに待ち侘びていたのに?
十年も。十年間も。
家も通話も拒否されて、ここでなら、雄英でなら会えると思ったのに。
どうして。
やっぱり、私。焦凍に嫌われて……。
「……なにがあったのか、私は分かりかねますが……」
固まっている私を女子生徒は言葉でほぐしていく。私ははっとなって意識を思考から現実に戻す。
「明日もチャンスはありますわ。えーっと……もしかして、轟さんのご親戚かなにか?」
私の髪をちらっと見てその子は言う。
「あ! そうです! いとこなんです……」
「そうなんですね。髪色が似ているから、てっきり双子なのかと思っていましたわ」
女子生徒はにこっと笑う。途端に空気が華やかになったのがわかった。笑顔が素敵な人だ。
「私、八百万 百 といいます。あなたは?」
「私は、轟水火です。C組です。えっと……百ちゃん、って呼んでもいいですか?」
「もちろんですわ。では……私は水火さんと呼ばせていただきますわね」
やった。ヒーロー科の友達ができた! かも!
私は心の中で一人ガッツポーズをする。
「水火さんがいらしたこと、轟さんに伝えておきましょうか?」
「あ、いや……いいです。迷惑になっちゃうとよくないので……」
「……そうですか」
百ちゃんは「そんなことないのに」とこっそり呟いた。聞かなかったことにした。
「じゃあ、また明日来ます!」
「また明日ですわ、水火さん!」
百ちゃんに手を振って私はA組を後にする。
きっと大丈夫。焦凍は "たまたま" 今日帰っちゃっただけで、きっと明日はいるよね!
また明日、チャレンジだ!
ドアの近くにいた黒髪ポニーテールの女子生徒に話しかける。彼女は振り返って私を見つめた。
私は、入学式とガイダンスのあとA組の教室の前にいた。目的はもちろん、焦凍に会うためだ。
当たり前だ。それ以外になにがあるというのだ。
きっとこの教室にいるはず。それは冬美さんから教えてもらったのだ。A組の推薦枠だって。
焦凍に会うために、来たんだ。
あぁ、でもなんて言えばいいのかなぁ。絶対びっくりするよね。私も、相手も。それで、ちょっと混乱して「久しぶりだね」なんて言葉を交わして……。
「轟さんなら、もう帰りましたよ」
女子生徒はそう告げた。
「……え?」
驚きの声が私の口から漏れる。
「……」
もう、帰った?
こんなに……こんなに待ち侘びていたのに?
十年も。十年間も。
家も通話も拒否されて、ここでなら、雄英でなら会えると思ったのに。
どうして。
やっぱり、私。焦凍に嫌われて……。
「……なにがあったのか、私は分かりかねますが……」
固まっている私を女子生徒は言葉でほぐしていく。私ははっとなって意識を思考から現実に戻す。
「明日もチャンスはありますわ。えーっと……もしかして、轟さんのご親戚かなにか?」
私の髪をちらっと見てその子は言う。
「あ! そうです! いとこなんです……」
「そうなんですね。髪色が似ているから、てっきり双子なのかと思っていましたわ」
女子生徒はにこっと笑う。途端に空気が華やかになったのがわかった。笑顔が素敵な人だ。
「私、
「私は、轟水火です。C組です。えっと……百ちゃん、って呼んでもいいですか?」
「もちろんですわ。では……私は水火さんと呼ばせていただきますわね」
やった。ヒーロー科の友達ができた! かも!
私は心の中で一人ガッツポーズをする。
「水火さんがいらしたこと、轟さんに伝えておきましょうか?」
「あ、いや……いいです。迷惑になっちゃうとよくないので……」
「……そうですか」
百ちゃんは「そんなことないのに」とこっそり呟いた。聞かなかったことにした。
「じゃあ、また明日来ます!」
「また明日ですわ、水火さん!」
百ちゃんに手を振って私はA組を後にする。
きっと大丈夫。焦凍は "たまたま" 今日帰っちゃっただけで、きっと明日はいるよね!
また明日、チャレンジだ!