期末試験
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時間は過ぎて、午後三時になる。
「あら……おやつの時間ですわね。みなさん! 一度休憩をとりませんこと?」
「さんせーい」
「ちょっと頑張り過ぎて疲れたわ……」
上鳴くんと尾白くんが賛成する。他のみんなもそうしよっか、とシャーペンを持つ手を止めた。
「ねぇねぇヤオモモ、おいしいお菓子とか……あったりしない?」
「もちろん準備しておりますわ、芦戸さん!」
百ちゃんは元気よく返事をして、どこかへ行ってしまう。
見渡すと、勉強漬けでグロッキーなA組のみんな。少しスピードが速すぎただろうかと視線を彷徨わせる私。
「水火ってさー……どうやったらそんな高得点取れんのよ……」
魂の抜けた声で上鳴くんが私に聞く。
「うーん……あれかな、わからないところをわかるようにすることかな」
「えっと……どゆこと?」
首を傾げた響香ちゃんに尋ねられて、私は言葉を変える。
「わからない問題があったとき、どこがわからないのかをはっきりさせるってこと。模範解答の二行目まではわかるけど、三行目からはわからないなーとか。あと、先生に質問するとわかるまで教えてくれるよ。先生とも仲良くなれるし、一石二鳥っていうか」
エクトプラズム先生、13号先生の顔が浮かぶ。「先生!」と職員室に聞きに行くときの嬉しそうな顔。いつも理系科目教えてくれてありがとうございます。心の中で礼をする。
「すげー……」
疲労で机に突っ伏したままの瀬呂くんがぼんやり褒めてくれた。
「あはは……」
苦笑いの反対に、モヤモヤが残る。
だって、私には勉強しかないんだもん。褒められても心の底から嬉しいとは思えない。それしかないから。医師になることが大きな目標で、それを貪欲に目指しているだけ。
個性が使えて、それで人を救うヒーローになろうって前向きなみんなとは、違うんだ。純粋なみんなと反対に、私の、個性は――
「みなさん! 紅茶とクッキーをお持ちしましたわ!」
百ちゃんの声にはっとなって思考を現実に呼び戻す。みんなが歓喜の声を上げている。
休憩を楽しもう。今はきっと、それに向き合うときじゃない。笑顔を作ってみせた。
「あら……おやつの時間ですわね。みなさん! 一度休憩をとりませんこと?」
「さんせーい」
「ちょっと頑張り過ぎて疲れたわ……」
上鳴くんと尾白くんが賛成する。他のみんなもそうしよっか、とシャーペンを持つ手を止めた。
「ねぇねぇヤオモモ、おいしいお菓子とか……あったりしない?」
「もちろん準備しておりますわ、芦戸さん!」
百ちゃんは元気よく返事をして、どこかへ行ってしまう。
見渡すと、勉強漬けでグロッキーなA組のみんな。少しスピードが速すぎただろうかと視線を彷徨わせる私。
「水火ってさー……どうやったらそんな高得点取れんのよ……」
魂の抜けた声で上鳴くんが私に聞く。
「うーん……あれかな、わからないところをわかるようにすることかな」
「えっと……どゆこと?」
首を傾げた響香ちゃんに尋ねられて、私は言葉を変える。
「わからない問題があったとき、どこがわからないのかをはっきりさせるってこと。模範解答の二行目まではわかるけど、三行目からはわからないなーとか。あと、先生に質問するとわかるまで教えてくれるよ。先生とも仲良くなれるし、一石二鳥っていうか」
エクトプラズム先生、13号先生の顔が浮かぶ。「先生!」と職員室に聞きに行くときの嬉しそうな顔。いつも理系科目教えてくれてありがとうございます。心の中で礼をする。
「すげー……」
疲労で机に突っ伏したままの瀬呂くんがぼんやり褒めてくれた。
「あはは……」
苦笑いの反対に、モヤモヤが残る。
だって、私には勉強しかないんだもん。褒められても心の底から嬉しいとは思えない。それしかないから。医師になることが大きな目標で、それを貪欲に目指しているだけ。
個性が使えて、それで人を救うヒーローになろうって前向きなみんなとは、違うんだ。純粋なみんなと反対に、私の、個性は――
「みなさん! 紅茶とクッキーをお持ちしましたわ!」
百ちゃんの声にはっとなって思考を現実に呼び戻す。みんなが歓喜の声を上げている。
休憩を楽しもう。今はきっと、それに向き合うときじゃない。笑顔を作ってみせた。