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焦凍が二位——!?
私はびっくりして、何度も画面を見返してしまった。
とても嬉しいことだ。まさかいとこが、あんな上位にいるだなんて。すごいじゃん! って後で会えたら伝えようかな。
そんなことを考えながら当の本人を見ると、悔しそうにぎゅっと歯を噛み締めていた。
やっぱり、一位になりたかったんだ。彼の胸中を察した私は、今は声をかけないようにしようと決めた。
そして、気づいてしまった。
焦凍は一番を目指しているんだ。それを諦めていた私とはすでに考えが違う。
あの頃みたいに、一緒にいたときとはもう違うんだ。手をつないで、一緒に歩いていたときとは。
見据えているゴールが、もう違うんだ。
嬉しいけれど、少し、寂しい。
「水火ちゃん」
私の後にゴールした友達が私の名前を呼ぶ。
「うちら、頑張ったよね……!」
彼女は悔しさに泣きそうな顔をしている。
「うん、頑張ったよ!」
自信を持って言える。敗退という結果は事実だ。それでも、確かに私たちは頑張ったんだ。
励ますと、友達は涙を拭って「そうだよね!」と笑った。
観客席に戻り、私たちは第二種目を観戦していた。
驚いたことがある。予選を突破したのはほとんどがヒーロー科の生徒だったが、C組からなんと一人だけ、心操くんが通り抜けたのだ。
嬉しかった。彼とは少ししか話したことがないけれど、すごい! と純粋に尊敬の感情が湧いた。
普通科から次へ進む人がいるだなんて考えてなかったからだ。私は最初から諦めていたから……。
第二種目は騎馬戦で、最後まで順位が読めずハラハラしながら見ていた。面白かった。
みんな派手で(特に個性が)しっかり長所を生かしていていいな、羨ましいなと思っていた。
ヒーロー科は普通科と違って、ヒーローになるためにちゃんと個性を生かした授業をしているんだろうな。焦凍も少し話していた気がする。ヒーロー基礎学という授業があるって。
記憶に刻まれたシーンがある。
最後の方、残り一分と実況で言っていたときだった。本当に、本当に少しだけ、焦凍が左側の個性を使っている瞬間を見た。見てしまった。冷たそうな氷の中、一瞬だけ燃えていた炎は、観客席からでも見えてしまった。
それまでは不思議なことに、焦凍は右側ばかり使っているのだ。というか、氷の方しか使っていない。半分でもしっかりと強く、彼の努力と成長のほどがわかるが……。
……もしかして。私は嫌な予感を抱く。
冬美さんからほんの少しだけ教えてもらっていた、焦凍と炎司さんの関係。確か、私と別れてからずっとずっと訓練をしているんだっけ。
その一方で、彼の母親の冷さんは入院したまま、だとか。
「……」
あまり考えたくはないけれど。
「私、は……」
「タイムアップ!」
実況が第二種目の終わりを告げる。その声で私ははっとなって会場を見る。
「水火ちゃん! すごいよ! 心操くん三位だよ!」
友達が嬉しそうに私に話す。
「あ、そうなの……? ……本当だ!」
順位の表示されたパネルを見て驚く。チーム戦でもすごい活躍……!
心操くん、本当に強いんだ。尊敬の念がさらに高まる。
この後は昼休みだ。少しだけ彼と話せたらいいな、なんて考えながら私は生徒控え室へ向かう。
私はびっくりして、何度も画面を見返してしまった。
とても嬉しいことだ。まさかいとこが、あんな上位にいるだなんて。すごいじゃん! って後で会えたら伝えようかな。
そんなことを考えながら当の本人を見ると、悔しそうにぎゅっと歯を噛み締めていた。
やっぱり、一位になりたかったんだ。彼の胸中を察した私は、今は声をかけないようにしようと決めた。
そして、気づいてしまった。
焦凍は一番を目指しているんだ。それを諦めていた私とはすでに考えが違う。
あの頃みたいに、一緒にいたときとはもう違うんだ。手をつないで、一緒に歩いていたときとは。
見据えているゴールが、もう違うんだ。
嬉しいけれど、少し、寂しい。
「水火ちゃん」
私の後にゴールした友達が私の名前を呼ぶ。
「うちら、頑張ったよね……!」
彼女は悔しさに泣きそうな顔をしている。
「うん、頑張ったよ!」
自信を持って言える。敗退という結果は事実だ。それでも、確かに私たちは頑張ったんだ。
励ますと、友達は涙を拭って「そうだよね!」と笑った。
観客席に戻り、私たちは第二種目を観戦していた。
驚いたことがある。予選を突破したのはほとんどがヒーロー科の生徒だったが、C組からなんと一人だけ、心操くんが通り抜けたのだ。
嬉しかった。彼とは少ししか話したことがないけれど、すごい! と純粋に尊敬の感情が湧いた。
普通科から次へ進む人がいるだなんて考えてなかったからだ。私は最初から諦めていたから……。
第二種目は騎馬戦で、最後まで順位が読めずハラハラしながら見ていた。面白かった。
みんな派手で(特に個性が)しっかり長所を生かしていていいな、羨ましいなと思っていた。
ヒーロー科は普通科と違って、ヒーローになるためにちゃんと個性を生かした授業をしているんだろうな。焦凍も少し話していた気がする。ヒーロー基礎学という授業があるって。
記憶に刻まれたシーンがある。
最後の方、残り一分と実況で言っていたときだった。本当に、本当に少しだけ、焦凍が左側の個性を使っている瞬間を見た。見てしまった。冷たそうな氷の中、一瞬だけ燃えていた炎は、観客席からでも見えてしまった。
それまでは不思議なことに、焦凍は右側ばかり使っているのだ。というか、氷の方しか使っていない。半分でもしっかりと強く、彼の努力と成長のほどがわかるが……。
……もしかして。私は嫌な予感を抱く。
冬美さんからほんの少しだけ教えてもらっていた、焦凍と炎司さんの関係。確か、私と別れてからずっとずっと訓練をしているんだっけ。
その一方で、彼の母親の冷さんは入院したまま、だとか。
「……」
あまり考えたくはないけれど。
「私、は……」
「タイムアップ!」
実況が第二種目の終わりを告げる。その声で私ははっとなって会場を見る。
「水火ちゃん! すごいよ! 心操くん三位だよ!」
友達が嬉しそうに私に話す。
「あ、そうなの……? ……本当だ!」
順位の表示されたパネルを見て驚く。チーム戦でもすごい活躍……!
心操くん、本当に強いんだ。尊敬の念がさらに高まる。
この後は昼休みだ。少しだけ彼と話せたらいいな、なんて考えながら私は生徒控え室へ向かう。