錦上添花
夢小説設定
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練習後に監督を探せば都合よく周りに誰もいなかった。
「監督、相談があるんですが、今お時間ありますか?」
「構わんで、どないしたん?」
黒須監督は書類を眺めていた顔を上げた。
「宮侑についてなんですが……」
そう切り出して、先日の宮侑による大変腹立たしい退部勧告を報告する。監督は額に手を当てて長いため息を吐いた。
「あのアホ、なんべん言うても懲りん……」
「それで、考えたんですけれど、ちょっとやり返してもいいですか?」
「え? やり返す?」
「侑と治ってよく喧嘩してるじゃないですか。バレーのこととか、お互い殴りあって和解……と言えるかは分かりませんが、とにかく納得してますよね。もしかしたら、そういうぶつかり合いの方が侑に響くんじゃないかと思って」
「……それは仲堂が侑と乱闘するってことか?」
目を見開いて、とんでもないことを言い出した、みたいな顔をされた。
「いえ、それはしません。まぁ、ちょっとお灸を据えられたらな、と」
私が一方的に制裁する予定なので乱闘にはなりません、とは黙っておく。
「うーん……。仲堂にはいつもえらい思いさせてるからな……」
腕を組み直して、そのまま黙り込んでしまう。監督の頭の中では侑に罵詈雑言を投げかけて、ポコポコと殴る感情的な私の姿でも浮かんでいるんだろうか。
ここでダメだと言われると作戦変更になるから、頷いて欲しい。
「んー、ま、しゃーないか……危ないことはせんでな。なんかあったらすぐ言うてくれ」
随分悩んだ末に、監督は承諾した。
侑が言って聞くようなタイプではないことを知っているだけに、私の説明を一掃しないだろうと踏んでいたが、正直賭けだった。そして、それは通った。
明日には楽しいことが起きる。
気分上々を隠して監督の前から失礼した。
「監督、相談があるんですが、今お時間ありますか?」
「構わんで、どないしたん?」
黒須監督は書類を眺めていた顔を上げた。
「宮侑についてなんですが……」
そう切り出して、先日の宮侑による大変腹立たしい退部勧告を報告する。監督は額に手を当てて長いため息を吐いた。
「あのアホ、なんべん言うても懲りん……」
「それで、考えたんですけれど、ちょっとやり返してもいいですか?」
「え? やり返す?」
「侑と治ってよく喧嘩してるじゃないですか。バレーのこととか、お互い殴りあって和解……と言えるかは分かりませんが、とにかく納得してますよね。もしかしたら、そういうぶつかり合いの方が侑に響くんじゃないかと思って」
「……それは仲堂が侑と乱闘するってことか?」
目を見開いて、とんでもないことを言い出した、みたいな顔をされた。
「いえ、それはしません。まぁ、ちょっとお灸を据えられたらな、と」
私が一方的に制裁する予定なので乱闘にはなりません、とは黙っておく。
「うーん……。仲堂にはいつもえらい思いさせてるからな……」
腕を組み直して、そのまま黙り込んでしまう。監督の頭の中では侑に罵詈雑言を投げかけて、ポコポコと殴る感情的な私の姿でも浮かんでいるんだろうか。
ここでダメだと言われると作戦変更になるから、頷いて欲しい。
「んー、ま、しゃーないか……危ないことはせんでな。なんかあったらすぐ言うてくれ」
随分悩んだ末に、監督は承諾した。
侑が言って聞くようなタイプではないことを知っているだけに、私の説明を一掃しないだろうと踏んでいたが、正直賭けだった。そして、それは通った。
明日には楽しいことが起きる。
気分上々を隠して監督の前から失礼した。