錦上添花
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「なんや遅かっ……は? なんでコイツおんねん」
銀の後ろを歩いて集まっているという教室に入れば、図体のデカイ男3人が机を寄せて座っているのが見えた。治がフライングで弁当を食べている。
待たせたな、と声をかけた銀に最初に反応したのは侑だった。
「お前、まさか銀に取り入って何とかしてもらお、とでも思ったんか? 豚らしいやり方やな〜」
「おい侑 、教室やぞ」
治の制止は意味がなかった。普通に座っていたのに、わざわざ足を組んで、下から見上げるように顎を上げてヘラヘラと挑発される。
そっちがその気なら、こっちだって見下す。ご自慢の顔面に一撃入れてやりたい気持ちを込めて。この睨み合いの展開は火を見るより明らかに分かりきっていた。
銀が庇うかのように前に出た。
「侑、仲堂さんは俺が誘ったんや。バレー部の仲間なんやから、これから一緒に飯食ったってええやろ? それに、さっきの発言といい、日頃のお前のその態度はあかん。ちゃんと話し合った方がええ」
「はぁ? この邪魔なだけの女のどこが仲間や。銀、お前はこいつに誑かされとるだけやで! こんな奴仲間でもなんでもない! もうすぐいなくなる奴と話すことなんか無いわ! おい、突っ立ってへんでさっさと去ね!」
随分と威勢のいい啖呵を切った侑は怒りのあまり肩で息をしている。
「侑、言い過ぎ」
角名の責めるような視線が気に食わなかったのか、角名にまで噛み付いた。
「角名、お前もや。部活ん度にヘラヘラ話しかけよって、調子乗らせんな」
「ふぅん。……侑は錦花ちゃんを見込んだ北さんの目が狂ってたって言うの?」
「……っ! ちゃう、こいつの化けの皮が厚すぎて、北さんも騙されとるだけやろ」
あ、怯んだ。
「チッ、なんやねん! ……もうええ、お前なんかと飯食ったら不味なるわ。お前が消えんなら俺が出てく」
そう言って弁当を引っ掴んで出ていった。
「……すまん、余計なことしてもうた」
ほんとそう。項垂れて落ち込んでる銀には悪いが想像通りの展開だった。
「いや……こうなるの予想出来てたから」
侑が居なくなって空いた席に座る。銀も大人しく席に着いた。お腹空きすぎて鳴りそう。
「侑 がすまん。後でどついとくわ」
「ほんまに悪かった。元はといえば俺が軽く考えすぎたせいや」
「うん、シバいといて。銀もそんなに落ち込まなくていいよ。いつもの事だし」
今日のお弁当はオムそばだった。美味い。
「それが問題やから何とかしたかったんやけどな……」
「そもそも急に仲堂さん連れてきてどないしたん?」
「え! いや、それは……」
治に突っ込まれた銀がアワアワしだす。言っちゃまずい事でもないので代わりに説明する。
「いつもご飯食べてた子が今日から部活の友達と食べるからってそっち行っちゃって。そしたら銀が気きかせてくれただけ」
「ほーん、薄情な子やな。女子って独りやと飯食えんのやろ? シカツモンダイやないか。銀おらんかったら餓死してまうで」
「せやろ、やから誘ったんやけど裏目にでたわ」
「……うん、銀、ありがと」
餓死しませんが。誘ってくれたのは銀の優しさ100%だったのか。黙って甘んじよう。
「ねぇ、侑が『もうすぐいなくなる』ってハッキリ言い切ってたの、引っかかるんだけど。錦花ちゃん、何か言われた?」
黙って話を聞いていた角名が切り出した。鋭いところに気づく。
「2日前にインハイ終わるまでに退部届出して辞めとけって言われた」
「あの人でなし……」
「それはアカンなぁ……」
「監督に相談した方がいいんじゃない?」
「それも考えたけど……。侑さ、何回も私に嫌がらせしては尾白さんとかに怒られるのに全然聞いてないじゃん。今回の事をチクって侑が超怒られても、侑が納得しなかったらなんにも解決しないと思うんだよね」
「あー、確かにね」
角名の同意に無言で頷く治と銀。
「……それに、侑、私のこと相当舐めてるからさ、一回理解 らせないと気が済まないんだよね」
脳裏にチラつく。
――これは最終通告や。黙って言うこと聞いて退部届だしといてな〜。
「アレ さぁ、誰に喧嘩売ってんのか……」
侑の出ていった教室の出入口に視線が行く。
部活のしがらみが無かったら即刻やり返してるけど、そもそも部活のせいで絡まれてる。だからといって辞める=私の負けになるからその選択肢は無い。とはいえ、話して解決する訳でもなし。実力行使しかないけど、北さん、引いては部活に迷惑がかかる。どうしたものかな。
「………………」
「……仲堂サン、あの人でなしがホンマにすんません」
治がバツの悪そうな顔をしている。片割れに責任を感じるんだろうか。
「ううん、治が謝んなくてもいいよ、ただ……」
喧嘩した時に私の分も含めて多めにボコってくれれば。そう言いかけて気づいた。この双子はよく乱闘している。兄弟喧嘩の延長線だとしても、お互い殴り合って湿布まみれはなかなか問題のハズ。それでも退部にはならない。だったら、私が侑に少しくらい何かしたっていいのでは。嫌がらせの反撃という大義名分もある。でも、事後報告は良くないか。ちょっとやり返していいですか、って聞こう。
「ただ何!? そこで黙るん怖いわ!」
銀のツッコミで思考の沼から戻ってくる。
「え、あぁ、ごめん。なんでもない。解決した」
「なにが!?」
「片割れの行動は謝るけど、侑 の代わりに俺が償うのは嫌や……」
バツの悪そうな顔を通り越して顔が青い。
「大丈夫、ちゃんと侑に償ってもらうから。練習後にでも監督辺りに相談するよ」
話を切り上げればそれ以上追求されなかった。
銀の後ろを歩いて集まっているという教室に入れば、図体のデカイ男3人が机を寄せて座っているのが見えた。治がフライングで弁当を食べている。
待たせたな、と声をかけた銀に最初に反応したのは侑だった。
「お前、まさか銀に取り入って何とかしてもらお、とでも思ったんか? 豚らしいやり方やな〜」
「おい
治の制止は意味がなかった。普通に座っていたのに、わざわざ足を組んで、下から見上げるように顎を上げてヘラヘラと挑発される。
そっちがその気なら、こっちだって見下す。ご自慢の顔面に一撃入れてやりたい気持ちを込めて。この睨み合いの展開は火を見るより明らかに分かりきっていた。
銀が庇うかのように前に出た。
「侑、仲堂さんは俺が誘ったんや。バレー部の仲間なんやから、これから一緒に飯食ったってええやろ? それに、さっきの発言といい、日頃のお前のその態度はあかん。ちゃんと話し合った方がええ」
「はぁ? この邪魔なだけの女のどこが仲間や。銀、お前はこいつに誑かされとるだけやで! こんな奴仲間でもなんでもない! もうすぐいなくなる奴と話すことなんか無いわ! おい、突っ立ってへんでさっさと去ね!」
随分と威勢のいい啖呵を切った侑は怒りのあまり肩で息をしている。
「侑、言い過ぎ」
角名の責めるような視線が気に食わなかったのか、角名にまで噛み付いた。
「角名、お前もや。部活ん度にヘラヘラ話しかけよって、調子乗らせんな」
「ふぅん。……侑は錦花ちゃんを見込んだ北さんの目が狂ってたって言うの?」
「……っ! ちゃう、こいつの化けの皮が厚すぎて、北さんも騙されとるだけやろ」
あ、怯んだ。
「チッ、なんやねん! ……もうええ、お前なんかと飯食ったら不味なるわ。お前が消えんなら俺が出てく」
そう言って弁当を引っ掴んで出ていった。
「……すまん、余計なことしてもうた」
ほんとそう。項垂れて落ち込んでる銀には悪いが想像通りの展開だった。
「いや……こうなるの予想出来てたから」
侑が居なくなって空いた席に座る。銀も大人しく席に着いた。お腹空きすぎて鳴りそう。
「
「ほんまに悪かった。元はといえば俺が軽く考えすぎたせいや」
「うん、シバいといて。銀もそんなに落ち込まなくていいよ。いつもの事だし」
今日のお弁当はオムそばだった。美味い。
「それが問題やから何とかしたかったんやけどな……」
「そもそも急に仲堂さん連れてきてどないしたん?」
「え! いや、それは……」
治に突っ込まれた銀がアワアワしだす。言っちゃまずい事でもないので代わりに説明する。
「いつもご飯食べてた子が今日から部活の友達と食べるからってそっち行っちゃって。そしたら銀が気きかせてくれただけ」
「ほーん、薄情な子やな。女子って独りやと飯食えんのやろ? シカツモンダイやないか。銀おらんかったら餓死してまうで」
「せやろ、やから誘ったんやけど裏目にでたわ」
「……うん、銀、ありがと」
餓死しませんが。誘ってくれたのは銀の優しさ100%だったのか。黙って甘んじよう。
「ねぇ、侑が『もうすぐいなくなる』ってハッキリ言い切ってたの、引っかかるんだけど。錦花ちゃん、何か言われた?」
黙って話を聞いていた角名が切り出した。鋭いところに気づく。
「2日前にインハイ終わるまでに退部届出して辞めとけって言われた」
「あの人でなし……」
「それはアカンなぁ……」
「監督に相談した方がいいんじゃない?」
「それも考えたけど……。侑さ、何回も私に嫌がらせしては尾白さんとかに怒られるのに全然聞いてないじゃん。今回の事をチクって侑が超怒られても、侑が納得しなかったらなんにも解決しないと思うんだよね」
「あー、確かにね」
角名の同意に無言で頷く治と銀。
「……それに、侑、私のこと相当舐めてるからさ、一回
脳裏にチラつく。
――これは最終通告や。黙って言うこと聞いて退部届だしといてな〜。
「
侑の出ていった教室の出入口に視線が行く。
部活のしがらみが無かったら即刻やり返してるけど、そもそも部活のせいで絡まれてる。だからといって辞める=私の負けになるからその選択肢は無い。とはいえ、話して解決する訳でもなし。実力行使しかないけど、北さん、引いては部活に迷惑がかかる。どうしたものかな。
「………………」
「……仲堂サン、あの人でなしがホンマにすんません」
治がバツの悪そうな顔をしている。片割れに責任を感じるんだろうか。
「ううん、治が謝んなくてもいいよ、ただ……」
喧嘩した時に私の分も含めて多めにボコってくれれば。そう言いかけて気づいた。この双子はよく乱闘している。兄弟喧嘩の延長線だとしても、お互い殴り合って湿布まみれはなかなか問題のハズ。それでも退部にはならない。だったら、私が侑に少しくらい何かしたっていいのでは。嫌がらせの反撃という大義名分もある。でも、事後報告は良くないか。ちょっとやり返していいですか、って聞こう。
「ただ何!? そこで黙るん怖いわ!」
銀のツッコミで思考の沼から戻ってくる。
「え、あぁ、ごめん。なんでもない。解決した」
「なにが!?」
「片割れの行動は謝るけど、
バツの悪そうな顔を通り越して顔が青い。
「大丈夫、ちゃんと侑に償ってもらうから。練習後にでも監督辺りに相談するよ」
話を切り上げればそれ以上追求されなかった。
