本編
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6限目の授業は時間通りに終わった。鳥束くんが去った後の休み時間は何人かが話しかけてくれた。帰国子女のブランド凄い。帰りの時も声をかけてくれた子達が居たけれど、くーちゃんとの約束があるからまた今度にしてもらった。
「鳥束くん、案内お願いね」
鳥束くんに声をかければ「こっちッス」と指を指した。駆け寄って並んで歩く。
「あの〜、春沙ちゃんって斉木さんの知り合いなんスか?」
「うん。くーちゃんとは家が近くでね、お母さん同士の仲が良かったから2人でよく遊んでたんだ」
「じゃあ、春沙ちゃんは知ってるんスか? ほら、斉木さんの……」
鳥束くんが言葉を濁した。言いたいことは分かった。きっと超能力のことだ。くーちゃんが+組を出ていく時、会話していないはずなのに鳥束くんはくーちゃんに返事をした。それが気になっていた。
「うん。知ってるよ。鳥束くんはどうして知ってるの?」
じっと見つめれば鳥束くんは得意げに笑った。
「オレも同じような変わった力があるんスよ」
「?」
「オレ幽霊が見えるんス。最初、斉木さんのことも幽霊から聞いて知ったんスよ。」
「ゆうれい……? テレビに出てくる霊と会話したりお祓いしたりする人、みたいな感じ?」
夏になるとテレビに出てくる霊能力者を思い浮かべる。
「いや、会話は出来るんスけど、祓ったりは無理っス。まぁ、見せた方が早いッスかね」
そう言って鳥束くんは急に目線を私の上にあげて話し始めた。
「ちわっす。あの、春沙ちゃんてなんでフランスに引っ越したんスか? ……へぇ! お父さんパティシエなんスね。……ずっと修行スか、大変っスね。……いや、聞いたことないっス。……そんなに有名なんスか。へぇ〜」
「……!」
「こんな感じッス。今話してたのは春沙ちゃんの守護霊。スーツ着た金持ちっぽいおじいちゃんっス」
正直、虚空と会話している姿にはギョッとした。
「本当に話せるんだね。お父さんのことは言ってないのに……」
「信じてくれたっスか」
「うん。くーちゃん以外に力を持ってる人、初めて見た」
「あともう1人いるんすけど、そっちは占い師っス。その子も斉木さんのことは知ってます」
「そうなの!?」
霊能力も驚いたけれど、占い師もいるなんて。くーちゃんと同じような存在がいることに驚きはしたけれど、その秘密を打ち明けられる友達がいることに安心した。
廊下の突き当たりを降りていけば、踊り場には既にくーちゃんが居た。
「あ、くーちゃん。お待たせ」
(鳥束に何もされてないか)
くーちゃんは読んでいた本を閉じると鳥束くんを睨みつけた。
「大丈夫だよ。ただ話してただけで」
「する訳ないっス! その言い方は酷いですよ斉木さん! それなら自分で迎えに行けばよかったのに」
鳥束くんへの警戒がすごい。苦笑いでくーちゃんを見ればため息をついている。
(下手に見つかると面倒だからな。この方が早い。春沙、帰るぞ)
くーちゃんが私の右手を掴む。多分、瞬間移動で家に行くんだろう。
「あ゛あ゛ぁ! 何手ぇ繋いでんすか! 羨ましい! つかオレは! オレも送ってってくださいよ!」
(うるさい。文句を言うな)
「くーちゃん鳥束くんへの当たり強いね……」
「そうッスよ! 春沙ちゃんもっと言ってやって」
(春沙、こいつは澄んだ目をしたクズだ。四六時中幽霊に女子のスカートの中身を聞いている変態だぞ。今回は仕方ないから頼んだが極力関わるな)
「ちょっ、それもう悪口。あとスカートは最近聞いてないっス。パンチラ特集拾ったんでしばらくは間に合ってます」
(うわぁ)
「言っちゃうんだ、それ……。」
決め顔で見てない宣言をしてるけれど、言ってることは最悪だ。この手の話題には多少耐性はあるけれど、できれば避けたい。
(この煩悩のことは放っておけ。帰るぞ。)
「あはは、ごめんね、鳥束くん。ありがとう。また明日」
「えっ! あっ」
手を振って曖昧な笑顔で挨拶をしたら、鳥束くんが何か言う前に視界が切り替わった。
「鳥束くん、案内お願いね」
鳥束くんに声をかければ「こっちッス」と指を指した。駆け寄って並んで歩く。
「あの〜、春沙ちゃんって斉木さんの知り合いなんスか?」
「うん。くーちゃんとは家が近くでね、お母さん同士の仲が良かったから2人でよく遊んでたんだ」
「じゃあ、春沙ちゃんは知ってるんスか? ほら、斉木さんの……」
鳥束くんが言葉を濁した。言いたいことは分かった。きっと超能力のことだ。くーちゃんが+組を出ていく時、会話していないはずなのに鳥束くんはくーちゃんに返事をした。それが気になっていた。
「うん。知ってるよ。鳥束くんはどうして知ってるの?」
じっと見つめれば鳥束くんは得意げに笑った。
「オレも同じような変わった力があるんスよ」
「?」
「オレ幽霊が見えるんス。最初、斉木さんのことも幽霊から聞いて知ったんスよ。」
「ゆうれい……? テレビに出てくる霊と会話したりお祓いしたりする人、みたいな感じ?」
夏になるとテレビに出てくる霊能力者を思い浮かべる。
「いや、会話は出来るんスけど、祓ったりは無理っス。まぁ、見せた方が早いッスかね」
そう言って鳥束くんは急に目線を私の上にあげて話し始めた。
「ちわっす。あの、春沙ちゃんてなんでフランスに引っ越したんスか? ……へぇ! お父さんパティシエなんスね。……ずっと修行スか、大変っスね。……いや、聞いたことないっス。……そんなに有名なんスか。へぇ〜」
「……!」
「こんな感じッス。今話してたのは春沙ちゃんの守護霊。スーツ着た金持ちっぽいおじいちゃんっス」
正直、虚空と会話している姿にはギョッとした。
「本当に話せるんだね。お父さんのことは言ってないのに……」
「信じてくれたっスか」
「うん。くーちゃん以外に力を持ってる人、初めて見た」
「あともう1人いるんすけど、そっちは占い師っス。その子も斉木さんのことは知ってます」
「そうなの!?」
霊能力も驚いたけれど、占い師もいるなんて。くーちゃんと同じような存在がいることに驚きはしたけれど、その秘密を打ち明けられる友達がいることに安心した。
廊下の突き当たりを降りていけば、踊り場には既にくーちゃんが居た。
「あ、くーちゃん。お待たせ」
(鳥束に何もされてないか)
くーちゃんは読んでいた本を閉じると鳥束くんを睨みつけた。
「大丈夫だよ。ただ話してただけで」
「する訳ないっス! その言い方は酷いですよ斉木さん! それなら自分で迎えに行けばよかったのに」
鳥束くんへの警戒がすごい。苦笑いでくーちゃんを見ればため息をついている。
(下手に見つかると面倒だからな。この方が早い。春沙、帰るぞ)
くーちゃんが私の右手を掴む。多分、瞬間移動で家に行くんだろう。
「あ゛あ゛ぁ! 何手ぇ繋いでんすか! 羨ましい! つかオレは! オレも送ってってくださいよ!」
(うるさい。文句を言うな)
「くーちゃん鳥束くんへの当たり強いね……」
「そうッスよ! 春沙ちゃんもっと言ってやって」
(春沙、こいつは澄んだ目をしたクズだ。四六時中幽霊に女子のスカートの中身を聞いている変態だぞ。今回は仕方ないから頼んだが極力関わるな)
「ちょっ、それもう悪口。あとスカートは最近聞いてないっス。パンチラ特集拾ったんでしばらくは間に合ってます」
(うわぁ)
「言っちゃうんだ、それ……。」
決め顔で見てない宣言をしてるけれど、言ってることは最悪だ。この手の話題には多少耐性はあるけれど、できれば避けたい。
(この煩悩のことは放っておけ。帰るぞ。)
「あはは、ごめんね、鳥束くん。ありがとう。また明日」
「えっ! あっ」
手を振って曖昧な笑顔で挨拶をしたら、鳥束くんが何か言う前に視界が切り替わった。