「あらぁ～、紅葉ちゃんに幽助くん!!
それにこんなに来てくれるなんて嬉しいわぁ～」

蔵馬もその後ろから、準備して待っていたからあがってと顔を出した。
蔵馬!!ビンゴだよ!!お母さんめっちゃ嬉しそうだよ!!と目だけで
よかったねとメッセージを送れば、彼もそれに気づいて
少し照れたように微笑んでうなずいた。

全員お邪魔しますと頭を下げながら玄関ドアから入る。
全員、こうして中に入るのは初めてだ。

どんな感じなのだろうかとドキドキしていると
とても清潔で広々とした、けれども決して派手すぎない
いたって平凡な日本の家庭といった感じのリビングに通された。

「くら…南野の家って初めて来たぜ!!」

蔵馬と言いかけた幽助を肘でどつけば慌てて少年は言い直した。
よかった。蔵馬のお母さんは気づいていなさそうだ。
蔵馬も一瞬焦ったような顔をしたが、すぐに人の好さそうな笑みに戻った。