ちなみに二人の会話を盗み聞きした結果
もらったプレゼントは小さなナイフだったらしい。
でも結局すぐボロボロになって捨てたんだとか。

なんですぐボロボロにしたのかとかを聞かなかった自分をほめたい。
あと少しで好奇心にまけて聞きそうになったから。

「でも、別にクリスマスパーティーしたことないって
おかしいことでもないよ?－－まぁ少し珍しいかもだけど
いることには居るデショ?世界は広いし!!」

励ました方がいいかなと気を遣えば、そうではないと首をふられた。
おっと、気になるけど何か事情がありそうだぞと警戒していると
彼はゆっくりと言葉を続けた。

「この時期になると、よくパーティーでも開かないかって
母さんが聞いてくるんだ。でも面倒だしずっと断っていたんだ。
――しかし今考えてみると俺、母さんに
もしかしてクリスマスパーティーに呼ぶ
友達が一人もいないと、余計な心配をかけていたかも知れない」