「私、オカルト大好きで……内装素敵～!!それに見てください～!!
どれも美味しそうですよ～!!あ、何頼みますか?」

ハロウィンのコスチュームのド定番と言われそうなほどのザ・魔女っぽいコスプレをした店員から
凝った古書風のメニューを受け取り、目尻を下げてため息をつく。

「僕は決まった」
「あ、私も決まりました!」

ベルで店員を呼ぶと、すぐに可愛らしい店員がかけよってきてオーダーをとった。

「「このサリーちゃん特製ハンバーグ定食で」」

メニューを指さす指がコツンとあたってあ、と視線を交差させた。
店員は可愛らしくはにかんで、オーダーを記録する。

「うふふ…いいですね。カップルで好みが一緒で」

え、と照れて顔を真っ赤にして慌てて否定しようとすると店員は忙しいのか返答も聞かずにすぐ引っ込んでいった。

「やっやだなぁ～!!カップルだなんて……なんか勘違いさせちゃいましたね～!?」

雲雀さんも迷惑ですよね～こんな奴となんてと自嘲気味に自分を指さし
照れを誤魔化すように真っ赤な顔で苦笑すると彼は少しだけ視線を下げた。

「君は……本当に…」
「あ!早い～」

さきほどのオーダーからすぐ届いた定食にビックリして指さすと思わず雲雀の言葉を遮ったようになってしまった。
店員に頭を下げて、目の前に皿を引き寄せながらあ、と眉を下げる。

「すいません。何か言いかけてましたよね?」

「いや……いい」

小さな疑問を残しつつ、これ以上聞いても答えてくれなさそうなのでまぁいいかと
目の前に並ぶご馳走に目を輝かせた。好物のハンバーグは評判通り美味しいし、久々に白米だ～と喜んだ。