「えっ!?ええっと……」
チラッと雲雀さんを見ると、並盛という単語に反応したのか
カッと目を見開いて、力強くツナの言葉に賛同して頷いている。
しかも私の返答を聞く前に、行くよと歩き出したんだけど!?

「あっ、はい!!じゃあそうします!!」

確かに特に用事もないし、ここに来る前に電話先でも並盛懐かしいとか
今どうなってるんだろうとか口にしていたしで、断る理由もないのでそのまま雲雀さんについて行くことにした。

「あっ!!待って二人とも!!」

慌てて振り向くと、ツナから差し出されたのは2枚のチケット。
チラッと見るとどうやら並盛映画館のチケットらしい。
これ、とどう返答していいか分からずに視線をあげるとツナが困ったように眉を下げて苦笑した。

「押しつけるみたいで悪いんだけど、使う機会あれば使って?
いやー、ホントは京子ちゃんと行く予定だったんだけど……」

まだ俺の心の予定が…と赤面するツナに色々と察して受け取る。
そして少し中学から数年経つのに大丈夫かと二人の恋愛事情が心配になってきた。

まぁ、断る理由もないので受け取る。あ、日付今日までのやつだね。
だからか、と2枚ポケットにしまいながら考えた。
映画、か。――実は割と映画含めて映像コンテンツ好きなんだよね。（ドラマもミュージカルとか劇とか）
いつもは馬鹿高い映画館の学生料金を渋ってDVDか配信サービスで後から見る派なんだけど……あ～、でも久々にいいな映画館!!