女は可憐が男は甘さが不似合い
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『ともかく意図があるんしてもさ、花には罪はなし きれいに飾りましょーよ』
花を愛でる趣味は持ち得てはいないが、趣味までは届かずとも花を飾る程度の好みは持ち得る。
主張のない飾りっ気のない部屋には明るい黄色は部屋に映えていた。
自分だけの思考だろうが花を飾る部屋はどこか高級感の漂う客室にいる錯覚を起こす。
花にそう触れることがないめぐるが花瓶に生ける正しい手入れ方法など知るはずもなく。
案の定 茎の長さも水の量も見た目のバランスもとれてはいないが満足げに眺めていた。
DIOにとっては花の存在などただの視界に入る風景の一部に過ぎないが。
やはり過去に名門貴族に育てられ、今現在でも身の回りの世話らを数人の者に奉仕させている相手。
可憐に飾られている花を見てきた者にとって無造作に生けられた花瓶の薔薇を見てDIOは薄笑いを浮かべた。
「贈られた相手はその花が不格好な飾られ方をされているとは露とも知らずにいるだろうな」
『満たされている気持ちに水を差す・・薔薇をもらうこと自体が私には似合わないと言われているようだ』
「花よりも目の前の菓子の方が似合いだ」
『・・・そりゃどうも』
謝罪の言葉を述べられたけれど反省の気持ちが伝わらないのはなぜだろうね?
芸術性が皆無な感性の持ち主で花も贈り主も可哀想だって?そんなん知らん。
貰ったもん勝ちだ、文句は受けつけない 大体DIOも私にハイセンスを期待して贈呈したわけちゃうやろ。
『こうして見られるのはDIOだけだし 見栄を張る必要もなし』
「それは信頼だと・・そう とらえても?」
『信頼と言うか あなたに対して大雑把になってるんじゃないですかねぇ』
「それだけ このDIOに気を許してる証拠じゃないか」
『あー・・』
めぐるは言葉が見つからず黙り込む、その際に冷え切った焼き菓子にスプーンを差し込む。
花束を渡してから手が止まっていたDIOもスプーンを手に取り菓子に腕を伸ばす。
甘酸っぱさが残る舌でDIOは先に言葉を見つける。
「私とめぐるは変わらず現状維持しているからな、それも数年単位でな」
『見た目も中身も変わらんですもんねぇ』
残り少ないリンゴ菓子に互いのスプーンの端がカチリと音を立てる。
『あぁ、でも ひとつのお菓子をつつき合う仲までは発展してますね』
まるで恋人のようだ。
花を贈られることもふたりでひとつの甘いデザートを食すこともしている。
それでも恋や愛ではないと聞かれれば断言する、誤解されても互いに恋人と呼べる相手もいない。
それ故に それらの行動にとやかく言う人物もいない。
信頼や恋人のようだ、そんなことを言ったが、自分は可憐な花を贈られるのが似合わないと言われたように。
相手はひとつの甘い菓子を一緒に食べる姿が似合わない。
そうDIOに向かってめぐるは皮肉な笑いを見せ、最後のひとすくいを奪う。
女は可憐が男は甘さが不似合い
あとがき⇒
花を愛でる趣味は持ち得てはいないが、趣味までは届かずとも花を飾る程度の好みは持ち得る。
主張のない飾りっ気のない部屋には明るい黄色は部屋に映えていた。
自分だけの思考だろうが花を飾る部屋はどこか高級感の漂う客室にいる錯覚を起こす。
花にそう触れることがないめぐるが花瓶に生ける正しい手入れ方法など知るはずもなく。
案の定 茎の長さも水の量も見た目のバランスもとれてはいないが満足げに眺めていた。
DIOにとっては花の存在などただの視界に入る風景の一部に過ぎないが。
やはり過去に名門貴族に育てられ、今現在でも身の回りの世話らを数人の者に奉仕させている相手。
可憐に飾られている花を見てきた者にとって無造作に生けられた花瓶の薔薇を見てDIOは薄笑いを浮かべた。
「贈られた相手はその花が不格好な飾られ方をされているとは露とも知らずにいるだろうな」
『満たされている気持ちに水を差す・・薔薇をもらうこと自体が私には似合わないと言われているようだ』
「花よりも目の前の菓子の方が似合いだ」
『・・・そりゃどうも』
謝罪の言葉を述べられたけれど反省の気持ちが伝わらないのはなぜだろうね?
芸術性が皆無な感性の持ち主で花も贈り主も可哀想だって?そんなん知らん。
貰ったもん勝ちだ、文句は受けつけない 大体DIOも私にハイセンスを期待して贈呈したわけちゃうやろ。
『こうして見られるのはDIOだけだし 見栄を張る必要もなし』
「それは信頼だと・・そう とらえても?」
『信頼と言うか あなたに対して大雑把になってるんじゃないですかねぇ』
「それだけ このDIOに気を許してる証拠じゃないか」
『あー・・』
めぐるは言葉が見つからず黙り込む、その際に冷え切った焼き菓子にスプーンを差し込む。
花束を渡してから手が止まっていたDIOもスプーンを手に取り菓子に腕を伸ばす。
甘酸っぱさが残る舌でDIOは先に言葉を見つける。
「私とめぐるは変わらず現状維持しているからな、それも数年単位でな」
『見た目も中身も変わらんですもんねぇ』
残り少ないリンゴ菓子に互いのスプーンの端がカチリと音を立てる。
『あぁ、でも ひとつのお菓子をつつき合う仲までは発展してますね』
まるで恋人のようだ。
花を贈られることもふたりでひとつの甘いデザートを食すこともしている。
それでも恋や愛ではないと聞かれれば断言する、誤解されても互いに恋人と呼べる相手もいない。
それ故に それらの行動にとやかく言う人物もいない。
信頼や恋人のようだ、そんなことを言ったが、自分は可憐な花を贈られるのが似合わないと言われたように。
相手はひとつの甘い菓子を一緒に食べる姿が似合わない。
そうDIOに向かってめぐるは皮肉な笑いを見せ、最後のひとすくいを奪う。
女は可憐が男は甘さが不似合い
あとがき⇒