相互リンク記念夢『パープル☆ベリー』
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その意味を知るにはまだ早い
「これって、やっぱりデートなのかなぁ……」
意識しだすと、余計に恥ずかしくなってくる。
事の発端は、私がたまたま見たかった感動系と思ってた映画が実は予想を裏切るスプラッタホラーだと後から気づき(これ、半分詐欺だよ)
スカ―さんにどうしようと、こぼしたことがキッカケだった。
そこからとんとん描写で話が進み、ついに当日が来たのだが……私は昨日、凛子と久々に電話した時に
「それって映画鑑賞デートじゃないの!?」
と言われて、気が付いた。
能天気に構えていた脳内にデートという言葉が突き刺さって、ようやく自覚させられた気がする。
まるで、お互い意識してなかったのにクラスメイトが付き合えよとはやし立ててきて
今までそういう感情抜きで付き合っていた関係が気まずくなるような感じに近いかも。
――でも、確かにスカーさんと晴れて付き合うことになれたものの、これまで一度も彼女らしいことやってあげられた覚えないし、付き合ってるのなら………。
「こういうイベントもこれから増やしていくべき……だよね」
それに、スカーさんも忙しい時もあるんだから……こういう時こそ彼女なら一緒にいれるチャンスだと考えるべきなんだろうなぁ。
ああ、考えるだけでハードル高すぎて胃がキリキリしてきた。
それなのに、身体はまるで熱病に犯されたようにぼうっと火照って私を辱める。
どうにか意識をそらそうと、頭をふって視線をあげるとベランダの方でボーンさんが煙をけゆらせて遠くの空を見つめていた。
その横顔はどこか寂しそうにも見えて、何だか無視できず……かと言って声をかけることも出来ずに黙ってオロオロと見つめていると
その視線に気づいた男が目線だけこちらに移し、煙草を咥えたままチョイチョイと手招きしてきた。
思わず、今までの前科を思い出してビクッと揺れるものの、それに気づいた彼はハッと自嘲気味に口角をあげ
何もしねぇと呟き、顎をクイッとしゃくった。
私も人里に降りて来たクマのようにオドオドしながら近づく。
私を呼び寄せた本人は、私がベランダに入る直前くらいでまた空に視線を一瞬もどすも
慣れた手つきでポケットから新しい煙草とライターを取り出した。
眉根をよせて、煙草に火をつけながら気だるげに男の吐き出した煙が宙にのぼる。
その姿がどこか色っぽくて、思わずドキッとした。
こうしてれば、スカーさんと変わらずイケメンなんだけどなぁ……。
そういえば、最初も顔はいいけど質が悪いって印象だったな。
「何だ?――俺に見とれてたか?」
「……えっ!?」いつの間にか、こちらの視線に気づいてからかうような笑みを浮かべる彼に思わずビクッとする。
「ムヒョヒョヒョ………まぁ、悪い気はしねぇけどな♪」
いつものように弄られると踏んでただけに、そこでプッツリと会話が途切れて
男が先ほどと同じように煙草を吸い出したので、思わず何を私は期待して……と恥ずかしくなってしまった。
今日は、どうやら恥ずか死の相が出ているかも知れない。
「そういや……そりゃあ何だ?」
行儀悪く煙草で指さした先に視線を移し、私も話を変えるように慌てて説明した。
私から映画のDVDとお菓子が入った袋を受け取り、しげしげと見つめるボーン。
「ふうん。あいつと映画みんのか?――しかも、何だこれ……犬と私?
こんなくだらねぇの見んのかよ?あいつも趣味わりぃ」
「ああ、あの……裏見ればわかります」
「あぁ?――えーっ、愛犬がある日突然ゾンビ化?家族を食いちぎっていく変わり果てた愛犬と私のサバイバルストーリー……犬と私………んだこれ?」
「……おそらく、B級スプラッタ系?」
「ムヒョヒョ。――俺が言うのもアレだけどよぉ、コレかなり詐欺だろ♪」
「ふふふ。確かにそうですよね、だからスカーさんと見ようかなって」
彼につられて思わず笑みをこぼすと、ふと彼が自嘲気味に笑ったので小首をかしげると
彼は視線を宙にうつして、煙を吐き出した。
「いや……あの野郎がいなけりゃ、お前の隣に俺がいたのかってな………」
「………ボーンさん」
「あぁ、でもまず会ってないと意味ねぇか………」
そう呟いたっきり黙った男に、思わず少女は狼狽える。
え、何この気まずい感じ……。私のせい?
辺りに気まずい沈黙が流れる。少女が思わずどう反応していいか分からずに困っていると
俺らしくねぇな……と笑う彼に、えっと疑問符を浮かべて見上げた少女にふぅーっと濁った煙を吹きかけた。
「ぅっ……げほっ、げほっ。ボーンさん………煙いです」
「ムヒョヒョ、わざとやってるからに決まってんだろ♪
――映画が盛り上がらなけりゃ俺のトコに来いよ?」
いつもの調子に悪戯っぽく茶化す彼に、スカーさんとの約束を思い出してあっと声をあげて時計を確認すると
もうすぐ約束の時間が迫っていたので、短く挨拶してスカーさんの部屋に直行した。
去っていく背を見つめながら呟いた、男の言葉と最後にこぼした意味ありげな微笑には恐らく永遠に少女は気づかない。
………
「ってなことがあって――酷いですよね?」
「――あいつ」
遅れた理由を無邪気に説明する少女とは対照的に、スカーの表情はどんどん険しくなっていく。
苛立ち、どこか落ち着かない様子を隠せずに筋肉質な腕で乱暴に抱きしめられたので
思わずビックリしながら、彼を見上げると真剣な面持ちでひかるを見つめる。
「今夜はこの部屋から出るな!!……後、俺から離れるなよ?」
「……はい?――わ、分かりました!?」
煙草の煙を相手に吹きかけるのは侮辱ともう一つ意味がある。
『今夜、お前を抱く』
「ひかるが何も知らねぇからって……」
スカーが苦い顔をしているどこかで、ボーンの独特の笑い声が響いていた。
その意味を知るにはまだ早い end
「これって、やっぱりデートなのかなぁ……」
意識しだすと、余計に恥ずかしくなってくる。
事の発端は、私がたまたま見たかった感動系と思ってた映画が実は予想を裏切るスプラッタホラーだと後から気づき(これ、半分詐欺だよ)
スカ―さんにどうしようと、こぼしたことがキッカケだった。
そこからとんとん描写で話が進み、ついに当日が来たのだが……私は昨日、凛子と久々に電話した時に
「それって映画鑑賞デートじゃないの!?」
と言われて、気が付いた。
能天気に構えていた脳内にデートという言葉が突き刺さって、ようやく自覚させられた気がする。
まるで、お互い意識してなかったのにクラスメイトが付き合えよとはやし立ててきて
今までそういう感情抜きで付き合っていた関係が気まずくなるような感じに近いかも。
――でも、確かにスカーさんと晴れて付き合うことになれたものの、これまで一度も彼女らしいことやってあげられた覚えないし、付き合ってるのなら………。
「こういうイベントもこれから増やしていくべき……だよね」
それに、スカーさんも忙しい時もあるんだから……こういう時こそ彼女なら一緒にいれるチャンスだと考えるべきなんだろうなぁ。
ああ、考えるだけでハードル高すぎて胃がキリキリしてきた。
それなのに、身体はまるで熱病に犯されたようにぼうっと火照って私を辱める。
どうにか意識をそらそうと、頭をふって視線をあげるとベランダの方でボーンさんが煙をけゆらせて遠くの空を見つめていた。
その横顔はどこか寂しそうにも見えて、何だか無視できず……かと言って声をかけることも出来ずに黙ってオロオロと見つめていると
その視線に気づいた男が目線だけこちらに移し、煙草を咥えたままチョイチョイと手招きしてきた。
思わず、今までの前科を思い出してビクッと揺れるものの、それに気づいた彼はハッと自嘲気味に口角をあげ
何もしねぇと呟き、顎をクイッとしゃくった。
私も人里に降りて来たクマのようにオドオドしながら近づく。
私を呼び寄せた本人は、私がベランダに入る直前くらいでまた空に視線を一瞬もどすも
慣れた手つきでポケットから新しい煙草とライターを取り出した。
眉根をよせて、煙草に火をつけながら気だるげに男の吐き出した煙が宙にのぼる。
その姿がどこか色っぽくて、思わずドキッとした。
こうしてれば、スカーさんと変わらずイケメンなんだけどなぁ……。
そういえば、最初も顔はいいけど質が悪いって印象だったな。
「何だ?――俺に見とれてたか?」
「……えっ!?」いつの間にか、こちらの視線に気づいてからかうような笑みを浮かべる彼に思わずビクッとする。
「ムヒョヒョヒョ………まぁ、悪い気はしねぇけどな♪」
いつものように弄られると踏んでただけに、そこでプッツリと会話が途切れて
男が先ほどと同じように煙草を吸い出したので、思わず何を私は期待して……と恥ずかしくなってしまった。
今日は、どうやら恥ずか死の相が出ているかも知れない。
「そういや……そりゃあ何だ?」
行儀悪く煙草で指さした先に視線を移し、私も話を変えるように慌てて説明した。
私から映画のDVDとお菓子が入った袋を受け取り、しげしげと見つめるボーン。
「ふうん。あいつと映画みんのか?――しかも、何だこれ……犬と私?
こんなくだらねぇの見んのかよ?あいつも趣味わりぃ」
「ああ、あの……裏見ればわかります」
「あぁ?――えーっ、愛犬がある日突然ゾンビ化?家族を食いちぎっていく変わり果てた愛犬と私のサバイバルストーリー……犬と私………んだこれ?」
「……おそらく、B級スプラッタ系?」
「ムヒョヒョ。――俺が言うのもアレだけどよぉ、コレかなり詐欺だろ♪」
「ふふふ。確かにそうですよね、だからスカーさんと見ようかなって」
彼につられて思わず笑みをこぼすと、ふと彼が自嘲気味に笑ったので小首をかしげると
彼は視線を宙にうつして、煙を吐き出した。
「いや……あの野郎がいなけりゃ、お前の隣に俺がいたのかってな………」
「………ボーンさん」
「あぁ、でもまず会ってないと意味ねぇか………」
そう呟いたっきり黙った男に、思わず少女は狼狽える。
え、何この気まずい感じ……。私のせい?
辺りに気まずい沈黙が流れる。少女が思わずどう反応していいか分からずに困っていると
俺らしくねぇな……と笑う彼に、えっと疑問符を浮かべて見上げた少女にふぅーっと濁った煙を吹きかけた。
「ぅっ……げほっ、げほっ。ボーンさん………煙いです」
「ムヒョヒョ、わざとやってるからに決まってんだろ♪
――映画が盛り上がらなけりゃ俺のトコに来いよ?」
いつもの調子に悪戯っぽく茶化す彼に、スカーさんとの約束を思い出してあっと声をあげて時計を確認すると
もうすぐ約束の時間が迫っていたので、短く挨拶してスカーさんの部屋に直行した。
去っていく背を見つめながら呟いた、男の言葉と最後にこぼした意味ありげな微笑には恐らく永遠に少女は気づかない。
………
「ってなことがあって――酷いですよね?」
「――あいつ」
遅れた理由を無邪気に説明する少女とは対照的に、スカーの表情はどんどん険しくなっていく。
苛立ち、どこか落ち着かない様子を隠せずに筋肉質な腕で乱暴に抱きしめられたので
思わずビックリしながら、彼を見上げると真剣な面持ちでひかるを見つめる。
「今夜はこの部屋から出るな!!……後、俺から離れるなよ?」
「……はい?――わ、分かりました!?」
煙草の煙を相手に吹きかけるのは侮辱ともう一つ意味がある。
『今夜、お前を抱く』
「ひかるが何も知らねぇからって……」
スカーが苦い顔をしているどこかで、ボーンの独特の笑い声が響いていた。
その意味を知るにはまだ早い end