その頃、ひかるは……。

あの後、ベルフェゴールとマーモンも一緒に歩いていたものの、美緒確保というメッセージを見るときびすを返して
速攻でホテルへと戻って行った。

「この鬼ごっこよく考えりゃ超人とか、吸血鬼とか……化け物しかいねぇじゃん♪」
「僕ら、まともな人間が楽しめるとは思わないね、主催者ミスだよ」

お二人も十分、まともな人間じゃないような……?
しかし、ヘタレな私はそうですね……としか返せずにまた一人で歩きだしていた。

そこで、ジョルノさんと出会う。

「あ、こんばんはジョルノさん!!――今回はイタリアにご招待有難うございます」

礼儀正しく、頭を下げる少女に気づき少年もこれまた礼儀正しくとんでもない、とばかりに笑みを返す。

「いや……久しぶりにスカーさんとも会えましたしね!!」

「アレ?お互い、知り合いでしたっけ?確かに出身イタリアって聞いた事ありますけど……」

「昔……色々とマフィア絡みでの付き合いがあってね?」

あ、この顔は色々とあったみたいな感じだな。
ジョルノもここで、話をきった。

「あ、噂をすれば――」

「あ、スカーさん!!」

「どっかのバカのせいで足止めくらってた!!――大丈夫か?」

肩に手をおき、のぞき込む男に少女が照れたように小さく頷く。

「はい。私は大丈夫ですけど、めぐるさんが……」

めぐるという名前にジョルノが小さく反応する。

「なるほど……彼女はしぶとそうだ♪」

この時、ひかるのスマホがたまたまマナーモードになっていて気づかなかった。

『ひかる　確保』というメッセージに。