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狂って、堕ちて、その繰り返し
狭いアパートの一室で目覚めた。
あの日逃げ出してから何も変わらない朝に嫌気がさす。
全て壊してしまいたい衝動と、全てを守りたい庇護欲。
矛盾しているが、表すとすればそんな感情だった。
あれから時間だけは余りあったので、何度も過去を振り返ったり
己という人間について考える時間はあった。
ある日は悲しみに支配され、ある日の雨の日は怒りで部屋中を破壊して回った。
時々、自分が分裂しているような感覚がある。
俺は精神科医でも医者ですらないが、なんとなく正常ではないということは分かっていた。
ただ、俺にはこの世界は正常でいるには辛すぎる。
切り離した人格が目覚めるのを、意識の水底で見ながら深い眠りについた。
そして、数年。
「忍、おはよう」
本当の意味で目覚めたのは久しぶりだった。
「ああ、樹……おはよう」
隣の青年に薄く微笑めば、彼も少しだけ笑った。
「ずっと……考えていた。俺は人間は嫌いだ。
だが、あの頃……俺が何も知らなかった頃の俺たちは……
人間を本気で守ろうと思っていた」
全てを戻せるわけではないと青年は続ける。
「でも、俺は今でもあの日まで時間を戻したいと願うんだ。
――もし、魔界トンネルが開通したあかつきには……俺は」
視線を落とし、同じベッドの隣で意識を失っている少女を見る。
昔と変わらない頬の柔らかさに安堵しながら、彼は唇を開いた。
「また3人で一緒にいたい。――そうだ、3人で魔界で住もう」
分かり切っているがベッドの横にある椅子に腰掛けた青年にも問えば
同じような意見が帰ってきた。
隣で眠った天使の額に口づける。
「俺たちのお姫様」
どうか、今は素敵な夢を。
もう一度仙水は頬に唇を落とした。
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
【あとがき】
長編夢のだいぶ進んだ話ですね。
まぁ、こういう展開になるかは分からないので
IF展開ということで笑
仙水視点です。
彼は純真無垢すぎてある意味潔癖な人間ですよね。
樹も悪いっちゃ悪いけど、彼も今の人間界で生きていくには
性格が純真すぎた。白か黒かなんて人間選べないんだよ。
狭いアパートの一室で目覚めた。
あの日逃げ出してから何も変わらない朝に嫌気がさす。
全て壊してしまいたい衝動と、全てを守りたい庇護欲。
矛盾しているが、表すとすればそんな感情だった。
あれから時間だけは余りあったので、何度も過去を振り返ったり
己という人間について考える時間はあった。
ある日は悲しみに支配され、ある日の雨の日は怒りで部屋中を破壊して回った。
時々、自分が分裂しているような感覚がある。
俺は精神科医でも医者ですらないが、なんとなく正常ではないということは分かっていた。
ただ、俺にはこの世界は正常でいるには辛すぎる。
切り離した人格が目覚めるのを、意識の水底で見ながら深い眠りについた。
そして、数年。
「忍、おはよう」
本当の意味で目覚めたのは久しぶりだった。
「ああ、樹……おはよう」
隣の青年に薄く微笑めば、彼も少しだけ笑った。
「ずっと……考えていた。俺は人間は嫌いだ。
だが、あの頃……俺が何も知らなかった頃の俺たちは……
人間を本気で守ろうと思っていた」
全てを戻せるわけではないと青年は続ける。
「でも、俺は今でもあの日まで時間を戻したいと願うんだ。
――もし、魔界トンネルが開通したあかつきには……俺は」
視線を落とし、同じベッドの隣で意識を失っている少女を見る。
昔と変わらない頬の柔らかさに安堵しながら、彼は唇を開いた。
「また3人で一緒にいたい。――そうだ、3人で魔界で住もう」
分かり切っているがベッドの横にある椅子に腰掛けた青年にも問えば
同じような意見が帰ってきた。
隣で眠った天使の額に口づける。
「俺たちのお姫様」
どうか、今は素敵な夢を。
もう一度仙水は頬に唇を落とした。
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
【あとがき】
長編夢のだいぶ進んだ話ですね。
まぁ、こういう展開になるかは分からないので
IF展開ということで笑
仙水視点です。
彼は純真無垢すぎてある意味潔癖な人間ですよね。
樹も悪いっちゃ悪いけど、彼も今の人間界で生きていくには
性格が純真すぎた。白か黒かなんて人間選べないんだよ。