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危険な目に遭わせるならいっそのこと(復活)
空気を振動させるほどの乾いた発砲音の中
全く身が入らない銃の練習に少女は苛立ちを覚えていた。
もう何度目かになる銃の弾薬だけを無駄に入れ替えてひたすら的に打つ作業。
戦場ではなるべく素早く行えと上司(主にスクアーロに)エアガンでひたすら練習させられたおかげか
小さな手を駆使して一生懸命素人目から見ると素早い弾倉の入れ替えを行う。
周囲も関心の声と、まだ年端も行かぬ見た目の少女がやけに事務的で手慣れた手つきで
淡々と弾倉を抜いて新しい弾薬に入れ替えていく様に好奇なものを見る目が半々。
少女がゲーム以外で銃を持ち、ましてや"射撃"を熱心に練習するなど
滅多になかったため、射撃場にいたヴァリアーの構成員達の多くが
何かあったのだろうか、と気が気でなかった。
自分達は望んでここに転がり込んできたゴロつきのようなものだ。
しかし少女の初対面のあどけなさや自分達には遠い……良い意味で一般人な濁りのない瞳に
誰もが不安と同情を拭えなかった。
………
……
「はぁっ……」
小さく舌打ちし、私は怒りで震えだした手で銃の弾倉を外して
新しい弾薬を弾倉につめてセットした。
いくら早くなったとはいえ、まだ戦場ではもたついてしまう。
少し銃の扱いになれた人からすればたいしたスピードでもないのも致命的だ。
悔しさから唇を軽く噛みしめて、頭の中で悪態をついた。
全部、全部…私のせいで……。
思い出すのは私が銃を抜くのが遅すぎて、今日の保護対象が打たれかけたこと。
今まで談笑していた相手が急に銃を抜くなんて思ってなかった。
それに驚いて反応も遅れただけじゃなく、慌てて近くにあったソファの後ろに
保護対象の人物を引きずり込んだが、弾は彼の腕をかすめて血が滴り落ちた。
それはスクアーロやベルに言われた無傷で自国まで送り届けるという任務の失敗を意味している。
ヴァリアークオリティーに傷をつけただけでなく、私は初めての銃撃戦で
保護対象よりも動揺を隠せなかった。
保護対象の男性は命を狙われたことが何度もあったおかげか私よりは落ち着いており
私に守ってくれるように…銃を構えてくれと懇願した。
私は幼子に諭すかのような声色にハッとして慌てて銃を構えて撃つ。
総段数は6発。――しかしついこの間までド素人で、しかも真面目に銃の練習をしてこなかったせいか
なかなか当たらず、祈るように願いを込めて放った最後の一発だけが
ようやく敵に命中し、彼は胸を打たれたせいか呻きながら倒れ込んだ。
肩で息をついて、震える腕でずっと長い間構えていたかと思えるほど
ずっしりきていた銃を下ろして、息をはく。
保護対象の男性は打たれた彼と私を交互に見つめ
ようやく自分が安全だと確信したのか、軽く笑みを浮かべた。
そしてカタコトの日本語でありがとうと呟いた。
その後の展開は、それはそれは酷いもんで
指導係のスクアーロだけでなく、ベルや他のメンバーからも
かなりの非難囂々だった。
まず保護対象を傷つけたことだけじゃなく
どうやら銃を撃ってきた相手側も銃の素人だったらしく
監視カメラを見るともっと早く隠れたり、逆に相手が発砲する前に
こちらから先手を打つことすら出来たのだと指摘された。
さらに弾が全然当たらないことにはもっと注意をうけた。
もし一発も当たらず、弾倉が空になれば銃はただの玩具<飾り>に成り下がる。
こうなると保護対象を護衛しつつ、丸腰かつ武術の心得もない私は相手の銃に立ち向かうすべはない。
今回はまだ任務につけるのが早かったお前を
実戦経験がつませたいと無理に任務に同行させたのが悪かった。
だが、今の敵にまともに弾を当てられない状態では
そのうちお前も、下手をすれば誰かも巻き込んで死ぬぞ、と言われて
青い顔で自分の犯した失態のでかさを実感させられた。
ルッスーリアがあまりにも項垂れ泣き出しそうな私に同情して
まだこれからよ、とフォローを入れてくれたけど……。
私はこの世界がこんなにも死と隣り合わせだなんて
受け入れがたく、自分が今まで楽したかったから
あまり練習にも本気になったことがないことを恥じた。
………
……
そうだ、私だけの命じゃないんだよね。
みんななんだかんだ言ってよく私のことを庇って怪我を負う。
その時はお前は素人だから気にするなと言ってくれるし
私は素人に一年近く経ってもしがみついて軽く考えていた。
何かあっても最悪、自分が死ぬだけとしか想定できていなかった。
しかし今回のように誰かを守る立場なら?
もし味方が傷をおっていたら?
私が足を引っ張った結果、全滅なんてシナリオは
このまま甘えたことを抜かしていたらきっと起こりえる。
ぎゅっと胸の前で手を握りしめた。
「そんなの…嫌」
誰かが私のせいで死んだり、危険な目に遭わせるならいっそのこと………。
目の前の人型の的に銃口をためらいなく構える。
「私が先に殺さなきゃ」
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
自己犠牲ならまだ絶えられますが
誰かが自分の代わりに傷つくのが絶対に絶えられない夢主でした。
夢主に任務が割り当てられることはほとんどなさそうですが
もし任務に割り当てるならヴァリアー総出だと
夢主的に有り難いですねw(自分が隠れてる間に全部片付くw)
空気を振動させるほどの乾いた発砲音の中
全く身が入らない銃の練習に少女は苛立ちを覚えていた。
もう何度目かになる銃の弾薬だけを無駄に入れ替えてひたすら的に打つ作業。
戦場ではなるべく素早く行えと上司(主にスクアーロに)エアガンでひたすら練習させられたおかげか
小さな手を駆使して一生懸命素人目から見ると素早い弾倉の入れ替えを行う。
周囲も関心の声と、まだ年端も行かぬ見た目の少女がやけに事務的で手慣れた手つきで
淡々と弾倉を抜いて新しい弾薬に入れ替えていく様に好奇なものを見る目が半々。
少女がゲーム以外で銃を持ち、ましてや"射撃"を熱心に練習するなど
滅多になかったため、射撃場にいたヴァリアーの構成員達の多くが
何かあったのだろうか、と気が気でなかった。
自分達は望んでここに転がり込んできたゴロつきのようなものだ。
しかし少女の初対面のあどけなさや自分達には遠い……良い意味で一般人な濁りのない瞳に
誰もが不安と同情を拭えなかった。
………
……
「はぁっ……」
小さく舌打ちし、私は怒りで震えだした手で銃の弾倉を外して
新しい弾薬を弾倉につめてセットした。
いくら早くなったとはいえ、まだ戦場ではもたついてしまう。
少し銃の扱いになれた人からすればたいしたスピードでもないのも致命的だ。
悔しさから唇を軽く噛みしめて、頭の中で悪態をついた。
全部、全部…私のせいで……。
思い出すのは私が銃を抜くのが遅すぎて、今日の保護対象が打たれかけたこと。
今まで談笑していた相手が急に銃を抜くなんて思ってなかった。
それに驚いて反応も遅れただけじゃなく、慌てて近くにあったソファの後ろに
保護対象の人物を引きずり込んだが、弾は彼の腕をかすめて血が滴り落ちた。
それはスクアーロやベルに言われた無傷で自国まで送り届けるという任務の失敗を意味している。
ヴァリアークオリティーに傷をつけただけでなく、私は初めての銃撃戦で
保護対象よりも動揺を隠せなかった。
保護対象の男性は命を狙われたことが何度もあったおかげか私よりは落ち着いており
私に守ってくれるように…銃を構えてくれと懇願した。
私は幼子に諭すかのような声色にハッとして慌てて銃を構えて撃つ。
総段数は6発。――しかしついこの間までド素人で、しかも真面目に銃の練習をしてこなかったせいか
なかなか当たらず、祈るように願いを込めて放った最後の一発だけが
ようやく敵に命中し、彼は胸を打たれたせいか呻きながら倒れ込んだ。
肩で息をついて、震える腕でずっと長い間構えていたかと思えるほど
ずっしりきていた銃を下ろして、息をはく。
保護対象の男性は打たれた彼と私を交互に見つめ
ようやく自分が安全だと確信したのか、軽く笑みを浮かべた。
そしてカタコトの日本語でありがとうと呟いた。
その後の展開は、それはそれは酷いもんで
指導係のスクアーロだけでなく、ベルや他のメンバーからも
かなりの非難囂々だった。
まず保護対象を傷つけたことだけじゃなく
どうやら銃を撃ってきた相手側も銃の素人だったらしく
監視カメラを見るともっと早く隠れたり、逆に相手が発砲する前に
こちらから先手を打つことすら出来たのだと指摘された。
さらに弾が全然当たらないことにはもっと注意をうけた。
もし一発も当たらず、弾倉が空になれば銃はただの玩具<飾り>に成り下がる。
こうなると保護対象を護衛しつつ、丸腰かつ武術の心得もない私は相手の銃に立ち向かうすべはない。
今回はまだ任務につけるのが早かったお前を
実戦経験がつませたいと無理に任務に同行させたのが悪かった。
だが、今の敵にまともに弾を当てられない状態では
そのうちお前も、下手をすれば誰かも巻き込んで死ぬぞ、と言われて
青い顔で自分の犯した失態のでかさを実感させられた。
ルッスーリアがあまりにも項垂れ泣き出しそうな私に同情して
まだこれからよ、とフォローを入れてくれたけど……。
私はこの世界がこんなにも死と隣り合わせだなんて
受け入れがたく、自分が今まで楽したかったから
あまり練習にも本気になったことがないことを恥じた。
………
……
そうだ、私だけの命じゃないんだよね。
みんななんだかんだ言ってよく私のことを庇って怪我を負う。
その時はお前は素人だから気にするなと言ってくれるし
私は素人に一年近く経ってもしがみついて軽く考えていた。
何かあっても最悪、自分が死ぬだけとしか想定できていなかった。
しかし今回のように誰かを守る立場なら?
もし味方が傷をおっていたら?
私が足を引っ張った結果、全滅なんてシナリオは
このまま甘えたことを抜かしていたらきっと起こりえる。
ぎゅっと胸の前で手を握りしめた。
「そんなの…嫌」
誰かが私のせいで死んだり、危険な目に遭わせるならいっそのこと………。
目の前の人型の的に銃口をためらいなく構える。
「私が先に殺さなきゃ」
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自己犠牲ならまだ絶えられますが
誰かが自分の代わりに傷つくのが絶対に絶えられない夢主でした。
夢主に任務が割り当てられることはほとんどなさそうですが
もし任務に割り当てるならヴァリアー総出だと
夢主的に有り難いですねw(自分が隠れてる間に全部片付くw)