COLORS(種運命)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない』
この国――オーブへ来るまでは、口で言うだけの正義だと、ただの理想だと思っていた。
相手がこちらを撃とうとするなら撃ち返すしか方法はない。
力がなければ侵略を拒むことなどできはしない。
自分が生き残るためには、大切なものを守るためには、力が必要なのだと思っていた。
けれど。
強すぎる力は争いを呼ぶ。
守るために敵を撃てば、こちらも撃ち返される。
それは悲しい連鎖の始まりだと教えられた。
その連鎖を断ち切るために、ヒトは更なる力を……と願う。
力だけでも、想いだけでもダメなんだと、2年前思い知ったはずなのに。
この連鎖の終わりはどこにあるのだろうか。
――destiny04――癒えぬ傷痕
「ボルテールとルソーがメテオブレイカーを持ってすでに先行しています」
ブリッジに入ってきたデュランダルにタリアが報告した。
共に入ってきたシオンに一瞬目を留めるが、視線が合わないうちに身体の向きを変える。
レクルームの騒ぎの後、シオンはデュランダルに勧められるまま、彼と一緒にここ――ブリッジまで上がってきた。
タリアの報告に短く頷いたデュランダルは「こちらにかけたまえ」と、シオンに自分が座るべき後部シートの隣を指し、笑みを浮かべる。
指示されるまま腰を降ろしたシオンは、複雑な胸中のまま、慌しいブリッジの様子をただ眺めていた。
「連合は動くと思うかい?」
不意にシオンへと問いかけられた言葉。
他人へと向けられるものとは少し違う色を含むその音に、一瞬タリアの視線が二人へと向けられた。
部外者、しかもオーブ代表の随員をブリッジへと上げる意図が全く掴めず、疑念だけがタリアの胸中を埋め尽くす。
「……どうでしょう。現時点ではなんとも。今はただ、ユニウスセブンを」
眉を寄せ、拳を握り呟くシオンの言葉にタリアも納得する。
少しでも地表への影響を軽減するためには、ユニウスセブンが大気圏に突入する前に、可能な限り小さな破片へと砕くしか手はない。
「地表からミサイルで撃破を狙ったとしても、表面を焼くばかりで、さしたる効果はあげられないだろうし……」
憂鬱そうに溜息を漏らすデュランダル。シオンは正面のモニターに目を向けた。
「ともあれ、地球は我らにとっても母なる大地。その未曾有の危機に我らとしても出来るだけのことをせねばならん」
デュランダルの言葉をブリッジのクルーは真摯な表情で聞いている。
そんなクルー一人一人の顔を見回して語りかけた。
「この艦の装備はできることもそう多くはないかもしれないが、皆全力で事に当たってくれ」
「はっ!」
デュランダルの言葉に耳を傾けていたクルーは気合の入った敬礼をした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エレベータのドアが開くと、ブリッジのメインモニターにはユニウスセブンが映し出されていた。その向こうには青く美しい惑星がある。
アスランは、やや緊張した面持ちでその場からゆっくりと進み出ると、人の気配に気づいたデュランダルがゆっくりと振り向いた。
「どうかしたのかね、アスラン――いや、アレックス君か」
その声に、シオンとタリアもアスランへと目をやった。
議長の言葉と、シオンの存在に一瞬驚いた表情を浮かべたものの、アスランはすぐに唇を引き結ぶと、タリアへ視線を向けた。
「無理を承知でお願いします。私にもモビルスーツをお貸しください」
ブリッジ内のクルーが驚いてアスランを凝視する。シオンも驚きを隠せずアスランを見つめた。
前大戦後、争いを呼ぶ力で――モビルスーツを遠ざけてきたはずのアスラン。
自分もまた、理由に違いはあれど、同じようにモビルスーツを遠ざけてきた。
――私にもモビルスーツをお貸しください
この言葉を口したアスランの心情は如何ほどなのか、想像に難くない。
今、地球で暮らしている同胞、仲間、大切な人が危険に晒されている。
その人たちを守るためには、どんなことであろうと手を尽くしたい。
きっとアスランも同じ思いなのだろう。
アスランの申し出に、タリアは明瞭な口調で答えを返した。
「確かに無理な話ね。今は他国の民間人であるあなたに、そんな許可が出ると思って? カナーバ前議長のせっかくの計らいを無駄にしたいの?」
彼をアスラン・ザラだと暗に認めた上で、オーブのアレックス・ディノとして対応するタリアの温情。
それを理解しつつもアスランは一歩も引かない。
「わかっています。でもこの状況をただ見ていることはできません。使える機体があるのなら、どうか!」
オーブのため、いや、地上で暮らす全ての人たちのため、アスランは深く頭を下げる。
「気持ちはわかるけど……」
困り果てたタリアの声にシオンの声が重なった。
「決意は変わらないのか? アレックス」
それまで黙っていたシオンが口を開いた。クルーの視線が今度はアスランからシオンへと向けられる。
アスランは強く頷いた。
「そう、か……」
決意を秘めた翡翠の瞳。それを見たシオンも心を決めた。
ゆっくりと歩を進め、アスランの傍らへと並ぶ。
「グラディス艦長。私からも無理を承知でお願いします。彼を……アレックス・ディノを使ってやってはもらえないでしょうか。あなた方ができる限りのことをしてくださっているのに、オーブの我らが何もせずのうのうとしているのは、あまりに心苦しい」
デュランダルの切れ長の目が、面白そうなものを見るような笑みを含みシオンを見つめる。
シオンは言葉を続けた。
「幸い、ここにいるアレックス・ディノは我が国でも優秀な護衛官。モビルスーツを操る腕も、この艦にいるパイロットと比べても劣りはしません。どうか彼にモビルスーツを貸していただきたい」
頭を下げるシオンの頭上に、やや場違いな穏やかな声が降る。
「それはオーブ代表代理としての意見ですかな? シオン・フィーリア殿?」
その言葉にシオンはゆっくりと頭を上げると、鋭い視線をデュランダルへと向けた。
『オーブ代表代理』『シオン・フィーリア』の言葉にタリアが驚きの表情を浮かべる。
アスランも、なぜデュランダルがシオンの正体を知っているのか、と驚きに言葉を失った。
このミネルバに乗艦してから、クルーの前では一度たりともシオンの名を口にしていないというのに。
どこか楽しそうな雰囲気のデュランダルに、シオンは否定も肯定もせず、敢えて表情を変えずに話を続ける。
「どう取っていただいても結構です。ご回答は……」
「あなたもモビルスーツが必要ですか?」
「……っ」
予想もしなかったデュランダルの言葉に、シオンが一瞬うろたえる。
ユニウスセブンの破砕作業に加わりたい気持ちはアスランと同じだ。
だが、気持ちだけではどうにもならない、いまだ癒えない傷があった。掌に残る操縦桿の感覚に手が震える。
――モビルスーツにはまだ……。
そんな動揺するシオンを庇うように、アスランが割って入った。
「随員がそろって代表の側を離れるわけにはいきません。出撃させていただけるのなら、私が」
凛としたアスランの声に、シオンの身体から余計な力が抜けていく。
自分を庇う、その言動に、少し場違いな感動をおぼえた。出会った頃は世話の焼ける弟のようだったのに、と。
「だから君は残ってくれ」
そう告げられた言葉に、シオンは小さく頷く。
二人のやりとりを見ていたデュランダルは、口元に笑みを浮かべたかと思うと即座に口を開いた。
「いいだろう。私が許可しよう。議長特例の権限を持ってね」
あっさりと許可を出したデュランダルにタリアが抗議の声を上げるが、その反論に黙るほかなかった。
「戦闘ではないんだ、艦長。出せる機体は一機でも多いほうがいい」
「ですが議長……」
むっとした表情のタリアの声を押さえ込むようにデュランダルは言葉を続けた。
「せっかくオーブ側が協力を申し出てくださっているんだ、断る手はないと思うがね。彼の腕が確かなのは君も知っているだろう?」
柔らかな笑みをたたえながら紡がれる言葉は、まるで何かを楽しんでいるようで。
それが何か分からないアスランとシオンの胸中を得体の知れない不安がよぎった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
<発進停止! 状況変化! ユニウスセブンにてジュール隊が不明機と交戦中!>
発進シークエンスを待っていたアスランは管制官の告げた内容に驚く。
「ジュール隊……イザーク?」
彼とは士官学校同期で、共にザフトレッドとして軍では同じ部隊に配属された仲だ。ライバルとでもいうのだろうか。
(イザークがココに来ている? しかも交戦中だと? 不明機とは何者だ?)
混乱する状況に、様々な疑問が頭を駆け巡る。
管制官が全機に対モビルスーツ用の装備への変更を指示する。そこへさらにボギーワンの確認がされたと報告が入った。
「どういうことだ!」
まったく掴めない状況についつい声を荒げる。管制官にも事態を把握することが困難らしく、的確な返事は返ってこないが、作業は進んでゆく。
アスランの機体ザクウォーリアもカタパルトへ運ばれ、高機動戦用の追加装備がマウントされたブレイズザクウォーリアとなる。
目の前にはハッチに切り取られた星空が見えた。
(また、ここへ戻ってきたのか……俺は)
アスランの胸中に過ぎる想い。
けれど今は迷っている場合ではない。友――イザークが戦っている。
なによりも、ユニウスセブンは今この瞬間も地上へと向かっているのだ。
アスランは進路の先を見据える。
「――アスラン・ザラ、出る!」
この国――オーブへ来るまでは、口で言うだけの正義だと、ただの理想だと思っていた。
相手がこちらを撃とうとするなら撃ち返すしか方法はない。
力がなければ侵略を拒むことなどできはしない。
自分が生き残るためには、大切なものを守るためには、力が必要なのだと思っていた。
けれど。
強すぎる力は争いを呼ぶ。
守るために敵を撃てば、こちらも撃ち返される。
それは悲しい連鎖の始まりだと教えられた。
その連鎖を断ち切るために、ヒトは更なる力を……と願う。
力だけでも、想いだけでもダメなんだと、2年前思い知ったはずなのに。
この連鎖の終わりはどこにあるのだろうか。
――destiny04――癒えぬ傷痕
「ボルテールとルソーがメテオブレイカーを持ってすでに先行しています」
ブリッジに入ってきたデュランダルにタリアが報告した。
共に入ってきたシオンに一瞬目を留めるが、視線が合わないうちに身体の向きを変える。
レクルームの騒ぎの後、シオンはデュランダルに勧められるまま、彼と一緒にここ――ブリッジまで上がってきた。
タリアの報告に短く頷いたデュランダルは「こちらにかけたまえ」と、シオンに自分が座るべき後部シートの隣を指し、笑みを浮かべる。
指示されるまま腰を降ろしたシオンは、複雑な胸中のまま、慌しいブリッジの様子をただ眺めていた。
「連合は動くと思うかい?」
不意にシオンへと問いかけられた言葉。
他人へと向けられるものとは少し違う色を含むその音に、一瞬タリアの視線が二人へと向けられた。
部外者、しかもオーブ代表の随員をブリッジへと上げる意図が全く掴めず、疑念だけがタリアの胸中を埋め尽くす。
「……どうでしょう。現時点ではなんとも。今はただ、ユニウスセブンを」
眉を寄せ、拳を握り呟くシオンの言葉にタリアも納得する。
少しでも地表への影響を軽減するためには、ユニウスセブンが大気圏に突入する前に、可能な限り小さな破片へと砕くしか手はない。
「地表からミサイルで撃破を狙ったとしても、表面を焼くばかりで、さしたる効果はあげられないだろうし……」
憂鬱そうに溜息を漏らすデュランダル。シオンは正面のモニターに目を向けた。
「ともあれ、地球は我らにとっても母なる大地。その未曾有の危機に我らとしても出来るだけのことをせねばならん」
デュランダルの言葉をブリッジのクルーは真摯な表情で聞いている。
そんなクルー一人一人の顔を見回して語りかけた。
「この艦の装備はできることもそう多くはないかもしれないが、皆全力で事に当たってくれ」
「はっ!」
デュランダルの言葉に耳を傾けていたクルーは気合の入った敬礼をした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
エレベータのドアが開くと、ブリッジのメインモニターにはユニウスセブンが映し出されていた。その向こうには青く美しい惑星がある。
アスランは、やや緊張した面持ちでその場からゆっくりと進み出ると、人の気配に気づいたデュランダルがゆっくりと振り向いた。
「どうかしたのかね、アスラン――いや、アレックス君か」
その声に、シオンとタリアもアスランへと目をやった。
議長の言葉と、シオンの存在に一瞬驚いた表情を浮かべたものの、アスランはすぐに唇を引き結ぶと、タリアへ視線を向けた。
「無理を承知でお願いします。私にもモビルスーツをお貸しください」
ブリッジ内のクルーが驚いてアスランを凝視する。シオンも驚きを隠せずアスランを見つめた。
前大戦後、争いを呼ぶ力で――モビルスーツを遠ざけてきたはずのアスラン。
自分もまた、理由に違いはあれど、同じようにモビルスーツを遠ざけてきた。
――私にもモビルスーツをお貸しください
この言葉を口したアスランの心情は如何ほどなのか、想像に難くない。
今、地球で暮らしている同胞、仲間、大切な人が危険に晒されている。
その人たちを守るためには、どんなことであろうと手を尽くしたい。
きっとアスランも同じ思いなのだろう。
アスランの申し出に、タリアは明瞭な口調で答えを返した。
「確かに無理な話ね。今は他国の民間人であるあなたに、そんな許可が出ると思って? カナーバ前議長のせっかくの計らいを無駄にしたいの?」
彼をアスラン・ザラだと暗に認めた上で、オーブのアレックス・ディノとして対応するタリアの温情。
それを理解しつつもアスランは一歩も引かない。
「わかっています。でもこの状況をただ見ていることはできません。使える機体があるのなら、どうか!」
オーブのため、いや、地上で暮らす全ての人たちのため、アスランは深く頭を下げる。
「気持ちはわかるけど……」
困り果てたタリアの声にシオンの声が重なった。
「決意は変わらないのか? アレックス」
それまで黙っていたシオンが口を開いた。クルーの視線が今度はアスランからシオンへと向けられる。
アスランは強く頷いた。
「そう、か……」
決意を秘めた翡翠の瞳。それを見たシオンも心を決めた。
ゆっくりと歩を進め、アスランの傍らへと並ぶ。
「グラディス艦長。私からも無理を承知でお願いします。彼を……アレックス・ディノを使ってやってはもらえないでしょうか。あなた方ができる限りのことをしてくださっているのに、オーブの我らが何もせずのうのうとしているのは、あまりに心苦しい」
デュランダルの切れ長の目が、面白そうなものを見るような笑みを含みシオンを見つめる。
シオンは言葉を続けた。
「幸い、ここにいるアレックス・ディノは我が国でも優秀な護衛官。モビルスーツを操る腕も、この艦にいるパイロットと比べても劣りはしません。どうか彼にモビルスーツを貸していただきたい」
頭を下げるシオンの頭上に、やや場違いな穏やかな声が降る。
「それはオーブ代表代理としての意見ですかな? シオン・フィーリア殿?」
その言葉にシオンはゆっくりと頭を上げると、鋭い視線をデュランダルへと向けた。
『オーブ代表代理』『シオン・フィーリア』の言葉にタリアが驚きの表情を浮かべる。
アスランも、なぜデュランダルがシオンの正体を知っているのか、と驚きに言葉を失った。
このミネルバに乗艦してから、クルーの前では一度たりともシオンの名を口にしていないというのに。
どこか楽しそうな雰囲気のデュランダルに、シオンは否定も肯定もせず、敢えて表情を変えずに話を続ける。
「どう取っていただいても結構です。ご回答は……」
「あなたもモビルスーツが必要ですか?」
「……っ」
予想もしなかったデュランダルの言葉に、シオンが一瞬うろたえる。
ユニウスセブンの破砕作業に加わりたい気持ちはアスランと同じだ。
だが、気持ちだけではどうにもならない、いまだ癒えない傷があった。掌に残る操縦桿の感覚に手が震える。
――モビルスーツにはまだ……。
そんな動揺するシオンを庇うように、アスランが割って入った。
「随員がそろって代表の側を離れるわけにはいきません。出撃させていただけるのなら、私が」
凛としたアスランの声に、シオンの身体から余計な力が抜けていく。
自分を庇う、その言動に、少し場違いな感動をおぼえた。出会った頃は世話の焼ける弟のようだったのに、と。
「だから君は残ってくれ」
そう告げられた言葉に、シオンは小さく頷く。
二人のやりとりを見ていたデュランダルは、口元に笑みを浮かべたかと思うと即座に口を開いた。
「いいだろう。私が許可しよう。議長特例の権限を持ってね」
あっさりと許可を出したデュランダルにタリアが抗議の声を上げるが、その反論に黙るほかなかった。
「戦闘ではないんだ、艦長。出せる機体は一機でも多いほうがいい」
「ですが議長……」
むっとした表情のタリアの声を押さえ込むようにデュランダルは言葉を続けた。
「せっかくオーブ側が協力を申し出てくださっているんだ、断る手はないと思うがね。彼の腕が確かなのは君も知っているだろう?」
柔らかな笑みをたたえながら紡がれる言葉は、まるで何かを楽しんでいるようで。
それが何か分からないアスランとシオンの胸中を得体の知れない不安がよぎった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
<発進停止! 状況変化! ユニウスセブンにてジュール隊が不明機と交戦中!>
発進シークエンスを待っていたアスランは管制官の告げた内容に驚く。
「ジュール隊……イザーク?」
彼とは士官学校同期で、共にザフトレッドとして軍では同じ部隊に配属された仲だ。ライバルとでもいうのだろうか。
(イザークがココに来ている? しかも交戦中だと? 不明機とは何者だ?)
混乱する状況に、様々な疑問が頭を駆け巡る。
管制官が全機に対モビルスーツ用の装備への変更を指示する。そこへさらにボギーワンの確認がされたと報告が入った。
「どういうことだ!」
まったく掴めない状況についつい声を荒げる。管制官にも事態を把握することが困難らしく、的確な返事は返ってこないが、作業は進んでゆく。
アスランの機体ザクウォーリアもカタパルトへ運ばれ、高機動戦用の追加装備がマウントされたブレイズザクウォーリアとなる。
目の前にはハッチに切り取られた星空が見えた。
(また、ここへ戻ってきたのか……俺は)
アスランの胸中に過ぎる想い。
けれど今は迷っている場合ではない。友――イザークが戦っている。
なによりも、ユニウスセブンは今この瞬間も地上へと向かっているのだ。
アスランは進路の先を見据える。
「――アスラン・ザラ、出る!」