COLORS(種運命)
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――destiny18―― 約束
「嘘はいけませんわ」
ラクスと共に部屋へと戻ったシオンは机に向かうと、端末の電源に触れて椅子へと腰を下ろした。
そのシオンの背後に回り、ラクスは椅子の背もたれ越しに彼を抱きしめるように腕を伸ばす。
「嘘?」
胸元に回された手に自分の手を添え、ラクスの顔を見上げる。
心外だな、と言いつつもシオンの表情は冴えない。
「先程ハイネさんに言った『ザフト寄りの中立』だと言う言葉です。今のあなたはもうザフトに対して不信をあらわにしているでしょう?」
「だから『心情的』にだと言ったんだ」
シオンは右腕をラクスの後頭部に回すと、自らの顔を白く細い首筋に埋める。
デオキアでギルバートを信じるとは言ったものの、あの偽者の存在と襲撃事件が無関係だとはどうしても思えなかった。
もしもギルバートが自分の最愛の人の生命を狙っているのだとしたら……その時自分はどうすればいいのだろう。
ラウのように敵対し、銃を向けるのだろうか?
――それでも、それでも俺は……
「信じたい。だが、どうしても疑念の残る部分がある。それが明らかにならない限りは信じ切れない……どう動けば1番いいのか――」
事実上、今のオーブの実権はセイラン親子の手にある。
このまま帰国しても以前の二の舞になるだけだ。それどころか最悪の場合、再びオーブが炎に巻き込まれる事態になりかねない。
現状を鑑みるだけでもカガリを連れてオーブに戻るわけにはいかなかった。
自分が腑抜けていた間に、カガリはたった一人でセイランを始めとした首長たちを相手に戦っていた。
あの頃自分が傍にいて補佐していればオーブは条約にサインすることはなく、セイラン親子やそれに賛同するものたちを増長させることもなかった。
これは明らかに自分の失態だった。だからこそ、これからはより慎重に動くべきだ。
再び祖国を焼くような事態だけは、絶対に避けなければならない。
「本当に、難しい問題ですわね」
ラクスが溜息をつく。シオンは労わるようにラクスの髪を撫でた。
「ですから、わたくしプラントの様子を見てこようと思いますの」
「…………」
撫でていた手の動きが止まり、シオンの表情が凍りつく。
「道を探す為にも手がかりは必要ですわ」
シオンは、自分の胸元でラクスと重ねていた手に力を入れて彼女の腕を引き剥がす。
そして座っている椅子を回転させてラクスを見上げた。
「駄目だ! 自分が命を狙われている自覚があるのか?! プラントへ行くなんて『殺してください』と言ってるようなものだろう? もしものことがあったらどうするんだ! 君にもしもの事があったら俺は……っ」
焦燥感が抑えきれず、言葉も声も強くなってしまう。
彼女が考えもなく、そんなことを口にするはずがないのは分かっている。熟慮した末のことだと。
シオンは焦りも不安も隠すことなく、ラクスに感情をぶつけた。
「大丈夫ですわ、シオン。わたくしは大丈夫。行くべきときなのです。行かせてください。ねぇ、シオン?」
シオンを安心させようとするその声は、いつもと変わらず柔らかだった。なのに、揺るがない決意を秘めているのがわかる。
そんな彼女を引き止める術を模索するが見つからず、ただ黙ってその腰を引き寄せた。
そしてそのままラクスの身体に頭を預けると、ラクスは応えるように静かに腕を伸ばしてシオンを包み込んだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アマテラスのコックピットでシオンは本日何回目かの溜息をついた。
最愛の少女が自分の手を離れてプラントへ行くと言い出した。
覚悟を決めた彼女を引き止められず、バルトフェルドが護衛として就くという条件で不承不承許可を出したのだが、プラントへ行く方法が問題だった。
現在、プラントへ行く方法は限られている。ラクスはよりにもよって、偽者のラクス・クラインを装い、彼女の代わりにシャトルに乗り込むというのだ。
あまりにも大胆かつ稚拙な計画にシオンでなくとも心配で胃に穴が開くに違いない。
シャトルが滑走路を加速していく。
無事にシャトルが飛び立つのを見守るべく、アマテラスはミラージュコロイドシステムを展開させて空中に待機する。
案の定追手のモビルスーツがデオキア基地から飛び立つ。
バビがモビルアーマー状態に変形しミサイルとビームライフルを発射する。
地上からも対空ミサイルが発射される。
シオンはミラージュコロイドシステムを停止させ、シャトルに迫るミサイルを打ち落とし、襲いくるバビの頭部、脚部、翼を切り落とし、一瞬で戦闘不能に陥れていく。
1分とかからぬうちに追尾可能な戦力を不能にしたアマテラスはシャトルの後を追って加速する。
<無事か!>
「シオン!」
「助かった」
心配そうなシオンの顔がモニターに映り、ラクスが嬉しそうに瞳を輝かせる。
バルトフェルドは「相変わらずの鬼神ぶりだな」と苦笑いを浮かべた。
<こんなことだろうと思って待機していてよかった。心配すぎてお前たちだけ行かせられない。やっぱり俺も――>
「いけません!」
シオンの言葉を遮るように、ラクスが強い口調で続ける。
「あなたがアークエンジェルにいてくださらなければカガリさんやキラはどうなるのですか? オーブを救うのでしょう? わたくしなら大丈夫。必ずあなたのもとに帰ってきますわ」
ラクスが微笑む。
「そうそう。ここから先は俺に任せておけ。必ず守るさ。お前の代わりに命がけでな――信じて任せろ!」
バルトフェルドの言葉に、シオンが頷く。
<……解った。俺の生命より大切な宝を貴方に託す。必ず守りぬいてくれ>
アマテラスが減速を始め、シャトルとの距離が開いていく。
アマテラスの動きを止めたシオンはシャトルの姿が確認できなくなるまで、その場所から動かなかった。
「嘘はいけませんわ」
ラクスと共に部屋へと戻ったシオンは机に向かうと、端末の電源に触れて椅子へと腰を下ろした。
そのシオンの背後に回り、ラクスは椅子の背もたれ越しに彼を抱きしめるように腕を伸ばす。
「嘘?」
胸元に回された手に自分の手を添え、ラクスの顔を見上げる。
心外だな、と言いつつもシオンの表情は冴えない。
「先程ハイネさんに言った『ザフト寄りの中立』だと言う言葉です。今のあなたはもうザフトに対して不信をあらわにしているでしょう?」
「だから『心情的』にだと言ったんだ」
シオンは右腕をラクスの後頭部に回すと、自らの顔を白く細い首筋に埋める。
デオキアでギルバートを信じるとは言ったものの、あの偽者の存在と襲撃事件が無関係だとはどうしても思えなかった。
もしもギルバートが自分の最愛の人の生命を狙っているのだとしたら……その時自分はどうすればいいのだろう。
ラウのように敵対し、銃を向けるのだろうか?
――それでも、それでも俺は……
「信じたい。だが、どうしても疑念の残る部分がある。それが明らかにならない限りは信じ切れない……どう動けば1番いいのか――」
事実上、今のオーブの実権はセイラン親子の手にある。
このまま帰国しても以前の二の舞になるだけだ。それどころか最悪の場合、再びオーブが炎に巻き込まれる事態になりかねない。
現状を鑑みるだけでもカガリを連れてオーブに戻るわけにはいかなかった。
自分が腑抜けていた間に、カガリはたった一人でセイランを始めとした首長たちを相手に戦っていた。
あの頃自分が傍にいて補佐していればオーブは条約にサインすることはなく、セイラン親子やそれに賛同するものたちを増長させることもなかった。
これは明らかに自分の失態だった。だからこそ、これからはより慎重に動くべきだ。
再び祖国を焼くような事態だけは、絶対に避けなければならない。
「本当に、難しい問題ですわね」
ラクスが溜息をつく。シオンは労わるようにラクスの髪を撫でた。
「ですから、わたくしプラントの様子を見てこようと思いますの」
「…………」
撫でていた手の動きが止まり、シオンの表情が凍りつく。
「道を探す為にも手がかりは必要ですわ」
シオンは、自分の胸元でラクスと重ねていた手に力を入れて彼女の腕を引き剥がす。
そして座っている椅子を回転させてラクスを見上げた。
「駄目だ! 自分が命を狙われている自覚があるのか?! プラントへ行くなんて『殺してください』と言ってるようなものだろう? もしものことがあったらどうするんだ! 君にもしもの事があったら俺は……っ」
焦燥感が抑えきれず、言葉も声も強くなってしまう。
彼女が考えもなく、そんなことを口にするはずがないのは分かっている。熟慮した末のことだと。
シオンは焦りも不安も隠すことなく、ラクスに感情をぶつけた。
「大丈夫ですわ、シオン。わたくしは大丈夫。行くべきときなのです。行かせてください。ねぇ、シオン?」
シオンを安心させようとするその声は、いつもと変わらず柔らかだった。なのに、揺るがない決意を秘めているのがわかる。
そんな彼女を引き止める術を模索するが見つからず、ただ黙ってその腰を引き寄せた。
そしてそのままラクスの身体に頭を預けると、ラクスは応えるように静かに腕を伸ばしてシオンを包み込んだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アマテラスのコックピットでシオンは本日何回目かの溜息をついた。
最愛の少女が自分の手を離れてプラントへ行くと言い出した。
覚悟を決めた彼女を引き止められず、バルトフェルドが護衛として就くという条件で不承不承許可を出したのだが、プラントへ行く方法が問題だった。
現在、プラントへ行く方法は限られている。ラクスはよりにもよって、偽者のラクス・クラインを装い、彼女の代わりにシャトルに乗り込むというのだ。
あまりにも大胆かつ稚拙な計画にシオンでなくとも心配で胃に穴が開くに違いない。
シャトルが滑走路を加速していく。
無事にシャトルが飛び立つのを見守るべく、アマテラスはミラージュコロイドシステムを展開させて空中に待機する。
案の定追手のモビルスーツがデオキア基地から飛び立つ。
バビがモビルアーマー状態に変形しミサイルとビームライフルを発射する。
地上からも対空ミサイルが発射される。
シオンはミラージュコロイドシステムを停止させ、シャトルに迫るミサイルを打ち落とし、襲いくるバビの頭部、脚部、翼を切り落とし、一瞬で戦闘不能に陥れていく。
1分とかからぬうちに追尾可能な戦力を不能にしたアマテラスはシャトルの後を追って加速する。
<無事か!>
「シオン!」
「助かった」
心配そうなシオンの顔がモニターに映り、ラクスが嬉しそうに瞳を輝かせる。
バルトフェルドは「相変わらずの鬼神ぶりだな」と苦笑いを浮かべた。
<こんなことだろうと思って待機していてよかった。心配すぎてお前たちだけ行かせられない。やっぱり俺も――>
「いけません!」
シオンの言葉を遮るように、ラクスが強い口調で続ける。
「あなたがアークエンジェルにいてくださらなければカガリさんやキラはどうなるのですか? オーブを救うのでしょう? わたくしなら大丈夫。必ずあなたのもとに帰ってきますわ」
ラクスが微笑む。
「そうそう。ここから先は俺に任せておけ。必ず守るさ。お前の代わりに命がけでな――信じて任せろ!」
バルトフェルドの言葉に、シオンが頷く。
<……解った。俺の生命より大切な宝を貴方に託す。必ず守りぬいてくれ>
アマテラスが減速を始め、シャトルとの距離が開いていく。
アマテラスの動きを止めたシオンはシャトルの姿が確認できなくなるまで、その場所から動かなかった。