COLORS(種運命)
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――destiny15―― 戦火の陰
その場にいた全勢力が、突然現れた黄金のモビルスーツの姿に目を奪われた。
アマテラスからシオンの静かな声が発せられる。
<いつから我がオーブの兵士は自国の代表の真偽さえ見抜けぬほど腑抜けになったのか。このストライク・ルージュに施された獅子の紋章、パイロットの声。そしてアークエンジェルとフリーダム……それをそなたらは偽者と断ずるか>
低く静かなシオンの声。
その奥底に、本能で何かを感じたユウナは腰を抜かし、しりもちをついた状態で床に座り込んでいる。
ザフト、連合も突如現れたアマテラスとシオンの声にあっけに取られたのか、一時的に戦闘が停止状態になった。
「あーあ、馬鹿な司令官だねぇ。あのシオンを怒らせるとは」
「本当に」
バルトフェルドが呆れ、マリューも昔を思い出して身震いする。
初めて会った頃は、よくあの静かで冷たい声と、鋭い瞳に睨みつけられたものだ、と。
「けれど、シオンはまだ冷静ですわ。彼が本気で怒れば、きっとこんなものではすみませんもの」
さらりとラクスが言った。
シオンのすべてを受け入れ、包み込み、ただ側で見守ってきた彼女。
その存在があったからこそ、シオンはこの2年もの間、極限まで疲弊した精神状態でも生きてこられたのだろう。
<今は亡きウズミ・ナラ・アスハの理念を汚し、国の為と言う言葉を隠れ蓑に自身の保身しか考えぬとは何事か!ユウナ・ロマ・セイラン!>
シオンはアマテラスに装備されている全火器を一斉に連合軍に向かって撃ち放った。
射程圏内にいたモビルスーツや戦艦が次々と戦闘不能に陥る。
これ以上の戦闘は困難と判断した母艦から撤退命令が出された。
それを受けて、まず始めにカオスが撤退し、続いて損傷したガイアを回収したアビスが母艦へと戻っていく。
連合艦隊が退却し始めるのと同時にオーブ艦隊も撤退を始める。
シオンはオーブ軍が安全圏内まで退却するのを見届けた後、ミネルバに通信を繋げた。
<お久しぶりです。グラディス艦長>
「フィーリア代理……」
<この度は代表の力及ばず、我が国が世界安全保障条約機構に加盟し、大恩ある貴艦に対し攻撃を仕掛けたこと、まことに遺憾であり、心よりお詫びいたします>
シオンはモニター越しに頭を下げた。タリアを始めとしたミネルバクルーは困惑する。
<もうご存知のことと思いますが、現在、代表は本国に身をおいてはおられない。それをいい事に国を私欲のために動かす輩がいます。代表は大変心を痛めておいでだ。無論私を始め、あの艦に集まった心ある同志は全員。だが、私は今回のことは腐った膿を出すにはいい機会だとも考えています。どうか今回はこのまま追跡せず、引いていただくわけにはいきませんか>
「このまま手を引けと? 私たちは戦死者も出しているのです。それなのにこのままにしておけとおっしゃるのですか? それは随分と勝手すぎるお話しではないでしょうか」
<勝手なのは重々承知しています。仲間を失った貴官らの思いも。だが、そこを曲げてどうか……どうか今回だけは>
以前に会ったときとはまったく違う様子に驚きつつも、タリアは返答をした。
「事の重大さを理解していただけているのでしたら、こちらの答えを聞くまでもないでしょう――と言いたいところですが……」
タリアはそこでいったん言葉を切った。小さく溜息をつく。
「ご覧の通り、先程の戦闘でフリーダムに主砲を始めとした各箇所に大々的な修理が必要なほどの損傷を受けました。その修復作業が完了しない限り、本艦は身動きが取れません。よって、まことに遺憾ではありますが、本艦は敵性勢力の追跡は困難と判断し、一時的に追跡を断念します」
<ありがとうございます。グラディス艦長>
「貴方のためではありません。本艦に乗船しているクルーの安全のためです」
タリアはにべもなく言い切って、通信を切った。
ストライク・ルージュ、フリーダム、アマテラスを収容したアークエンジェルは再び海中へと潜航し、その姿を消した。
その場にいた全勢力が、突然現れた黄金のモビルスーツの姿に目を奪われた。
アマテラスからシオンの静かな声が発せられる。
<いつから我がオーブの兵士は自国の代表の真偽さえ見抜けぬほど腑抜けになったのか。このストライク・ルージュに施された獅子の紋章、パイロットの声。そしてアークエンジェルとフリーダム……それをそなたらは偽者と断ずるか>
低く静かなシオンの声。
その奥底に、本能で何かを感じたユウナは腰を抜かし、しりもちをついた状態で床に座り込んでいる。
ザフト、連合も突如現れたアマテラスとシオンの声にあっけに取られたのか、一時的に戦闘が停止状態になった。
「あーあ、馬鹿な司令官だねぇ。あのシオンを怒らせるとは」
「本当に」
バルトフェルドが呆れ、マリューも昔を思い出して身震いする。
初めて会った頃は、よくあの静かで冷たい声と、鋭い瞳に睨みつけられたものだ、と。
「けれど、シオンはまだ冷静ですわ。彼が本気で怒れば、きっとこんなものではすみませんもの」
さらりとラクスが言った。
シオンのすべてを受け入れ、包み込み、ただ側で見守ってきた彼女。
その存在があったからこそ、シオンはこの2年もの間、極限まで疲弊した精神状態でも生きてこられたのだろう。
<今は亡きウズミ・ナラ・アスハの理念を汚し、国の為と言う言葉を隠れ蓑に自身の保身しか考えぬとは何事か!ユウナ・ロマ・セイラン!>
シオンはアマテラスに装備されている全火器を一斉に連合軍に向かって撃ち放った。
射程圏内にいたモビルスーツや戦艦が次々と戦闘不能に陥る。
これ以上の戦闘は困難と判断した母艦から撤退命令が出された。
それを受けて、まず始めにカオスが撤退し、続いて損傷したガイアを回収したアビスが母艦へと戻っていく。
連合艦隊が退却し始めるのと同時にオーブ艦隊も撤退を始める。
シオンはオーブ軍が安全圏内まで退却するのを見届けた後、ミネルバに通信を繋げた。
<お久しぶりです。グラディス艦長>
「フィーリア代理……」
<この度は代表の力及ばず、我が国が世界安全保障条約機構に加盟し、大恩ある貴艦に対し攻撃を仕掛けたこと、まことに遺憾であり、心よりお詫びいたします>
シオンはモニター越しに頭を下げた。タリアを始めとしたミネルバクルーは困惑する。
<もうご存知のことと思いますが、現在、代表は本国に身をおいてはおられない。それをいい事に国を私欲のために動かす輩がいます。代表は大変心を痛めておいでだ。無論私を始め、あの艦に集まった心ある同志は全員。だが、私は今回のことは腐った膿を出すにはいい機会だとも考えています。どうか今回はこのまま追跡せず、引いていただくわけにはいきませんか>
「このまま手を引けと? 私たちは戦死者も出しているのです。それなのにこのままにしておけとおっしゃるのですか? それは随分と勝手すぎるお話しではないでしょうか」
<勝手なのは重々承知しています。仲間を失った貴官らの思いも。だが、そこを曲げてどうか……どうか今回だけは>
以前に会ったときとはまったく違う様子に驚きつつも、タリアは返答をした。
「事の重大さを理解していただけているのでしたら、こちらの答えを聞くまでもないでしょう――と言いたいところですが……」
タリアはそこでいったん言葉を切った。小さく溜息をつく。
「ご覧の通り、先程の戦闘でフリーダムに主砲を始めとした各箇所に大々的な修理が必要なほどの損傷を受けました。その修復作業が完了しない限り、本艦は身動きが取れません。よって、まことに遺憾ではありますが、本艦は敵性勢力の追跡は困難と判断し、一時的に追跡を断念します」
<ありがとうございます。グラディス艦長>
「貴方のためではありません。本艦に乗船しているクルーの安全のためです」
タリアはにべもなく言い切って、通信を切った。
ストライク・ルージュ、フリーダム、アマテラスを収容したアークエンジェルは再び海中へと潜航し、その姿を消した。