フラダリさんとの旅
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朝の駅前は、ガラルらしい澄んだ風が吹いていた。
巨大な駅舎のガラス越しに差す光が、やわらかく照らしている。
ホームへ向かう少し手前。
バトルタワーの服装のダンデさんがこちらに歩いてきた。
「やぁ、二人とも!……本当に行ってしまうんだな」
いつもの明るさを保ってはいるけれど、目元には名残惜しさが滲んでいるように感じる。
フラダリさんは軽く頭を下げ、いつもの丁寧な声音で応じた。
「これまで大変お世話になりました、ダンデさん。ガラルは、実にしっかりした地方でした。ジムリーダーの方々も優秀で、今のマクロコスモスも力強い企業……この地方に不安はありません」
「ははっ、それを聞けて安心したよ!」
ダンデさんは白い歯を見せて笑う。
そして、ふと真剣な目になる。
「二人の力は、本当に大きかった。他所から来たということを感じさせないほど、人を惹きつける何かが2人にはあるんだろう!」
「そんな……!」
私は思わず手を振ったけれど、ダンデさんは首を横に振った。
「セイカ、胸を張っていい!きみは間違いなくガラルのポケモンバトルを盛り上げた選手の1人だ」
胸の奥がじんわりと熱くなる。
「マクロコスモスも今、慈善活動のプロジェクトをいくつも進めてる。君たちの働きに刺激を受けたスタッフもいたらしいぜ!…おっと、これはコンプライアンスに引っかかるかな」
口元で人差し指を立てるダンデさんを見て、フラダリさんの横顔が少しだけ柔らかくなる。
「それは何よりです。人々を救う意志が力になるのなら、こんなに嬉しいことはありません」
ダンデさんは頷くと、私に目を向けた。
「セイカ、きみもフラダリさんと一緒にミアレに戻るんだな?」
「……はい。フラダリさんが“はねやすめも必要だ”って言ってくれて……」
隣でフラダリさんが穏やかに頷く。
「セイカさんが安心して戻れる場所に、きちんと一度帰るべきだと思いました。一度、大切にしてきた友人たちに、会ってほしいのです」
その言葉に胸が温かくなる。
……この人はいつも、私のことを気にかけてくれる。
ダンデさんは、そんな私たちを見て満足げに微笑んだ。
「うん、いい顔をしてるな!二人とも。また機会があれば是非ガラルに来てくれ。いつでも歓迎するぜ!」
電車に乗り込み、発車するタイミングでダンデさんは片方の腕を天高く突き上げた。
「元チャンピオンのサービスだ!最高の旅路を祈ってるぜ!!」
ーー輝かしい、リザードンポーズ。
朝の光の中で、彼の影が力強く伸びる。
私とフラダリさんは顔を見合わせ、自然と笑みがこぼれた。
「……帰りましょうか、セイカさん」
「はい、フラダリさん!」
こうして、ガラルをあとにして――
私たちは一度、ミアレへ帰ることになった。
第二の故郷、あの懐かしい街で、もう一度「ただいま」を言うために…。
巨大な駅舎のガラス越しに差す光が、やわらかく照らしている。
ホームへ向かう少し手前。
バトルタワーの服装のダンデさんがこちらに歩いてきた。
「やぁ、二人とも!……本当に行ってしまうんだな」
いつもの明るさを保ってはいるけれど、目元には名残惜しさが滲んでいるように感じる。
フラダリさんは軽く頭を下げ、いつもの丁寧な声音で応じた。
「これまで大変お世話になりました、ダンデさん。ガラルは、実にしっかりした地方でした。ジムリーダーの方々も優秀で、今のマクロコスモスも力強い企業……この地方に不安はありません」
「ははっ、それを聞けて安心したよ!」
ダンデさんは白い歯を見せて笑う。
そして、ふと真剣な目になる。
「二人の力は、本当に大きかった。他所から来たということを感じさせないほど、人を惹きつける何かが2人にはあるんだろう!」
「そんな……!」
私は思わず手を振ったけれど、ダンデさんは首を横に振った。
「セイカ、胸を張っていい!きみは間違いなくガラルのポケモンバトルを盛り上げた選手の1人だ」
胸の奥がじんわりと熱くなる。
「マクロコスモスも今、慈善活動のプロジェクトをいくつも進めてる。君たちの働きに刺激を受けたスタッフもいたらしいぜ!…おっと、これはコンプライアンスに引っかかるかな」
口元で人差し指を立てるダンデさんを見て、フラダリさんの横顔が少しだけ柔らかくなる。
「それは何よりです。人々を救う意志が力になるのなら、こんなに嬉しいことはありません」
ダンデさんは頷くと、私に目を向けた。
「セイカ、きみもフラダリさんと一緒にミアレに戻るんだな?」
「……はい。フラダリさんが“はねやすめも必要だ”って言ってくれて……」
隣でフラダリさんが穏やかに頷く。
「セイカさんが安心して戻れる場所に、きちんと一度帰るべきだと思いました。一度、大切にしてきた友人たちに、会ってほしいのです」
その言葉に胸が温かくなる。
……この人はいつも、私のことを気にかけてくれる。
ダンデさんは、そんな私たちを見て満足げに微笑んだ。
「うん、いい顔をしてるな!二人とも。また機会があれば是非ガラルに来てくれ。いつでも歓迎するぜ!」
電車に乗り込み、発車するタイミングでダンデさんは片方の腕を天高く突き上げた。
「元チャンピオンのサービスだ!最高の旅路を祈ってるぜ!!」
ーー輝かしい、リザードンポーズ。
朝の光の中で、彼の影が力強く伸びる。
私とフラダリさんは顔を見合わせ、自然と笑みがこぼれた。
「……帰りましょうか、セイカさん」
「はい、フラダリさん!」
こうして、ガラルをあとにして――
私たちは一度、ミアレへ帰ることになった。
第二の故郷、あの懐かしい街で、もう一度「ただいま」を言うために…。
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