米花町に愛を込めて
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いらっしゃいませ、こちらどうぞ」
「…ありがとうございます」
店員さんに案内され、奥側の席に着くと、水と手拭きを目の前に置いて貰った。
店員さんは金髪で褐色肌、顔立ちの整った優しげな男性だ。
…しかし何か隙の無さを感じるのは気のせいだろうか…
優しげな笑顔を投げかける店員さんに対して、風見さんはどうにも困惑気味のようだった。
…人にもよるだろうが、こういう場所が苦手な人もいるだろう。
だとしたら先程の店先での挙動も頷ける。
私は善意の押し付けで先走ってしまったんじゃないかと思ってしまった。
「…あの…ご迷惑でしたか?」
「い…いえ!そう言うわけでは無いんですが…」
風見さんがちらりと送った視線の先にはあの店員さん。
まさか、知り合いとかでは無いだろうか…?
「風見刑事、そんなに固くならないでくださいよ」
「えっ!?やっぱりお二人はお知り合いなんですか?」
私は目を輝かせるも、どうにもぎこちない風見さん。
「…えっ、あ、あの…?」
しかし裏腹に、終始穏やかな表情の店員さんは私たちに話しかける。
「ええ、実は僕はここのバイトをしながら探偵業を営んでいるんです。僕はこの上に住む毛利先生の弟子なんですよ」
「…え、す、凄い…あの名探偵毛利小五郎さんの!?」
「はい。職業柄刑事の方ともお会いしますので、風見刑事にも何度かお会いしたことがあるんです。にしても…」
店員さんは風見さんの方に視線を送ってニッコリと一言。
「まさか刑事さんが彼女と一緒にここへ来るなんて思ってませんでしたよ」
それを聞いた風見さんは焦りぎみな様子だ。
「あっ、いや…そうじゃないんです!彼女じゃなくて…!」
「そ、そうなんです…色々深い事情があって…!えっと、さっき助けてもらったんです…裏道で人に絡まれてしまって…」
さっきの事件の話を、初めてお会いした店員さんに話すのもどうかと思うが、誤解されたままでは風見さんもよくは思ってくれないだろう。
「成程…そういうことでしたか。すみません、僕としたことが早とちりを。ところで、メニューはお決まりでしたか?この時間帯なら忙しく無いので、飲み物ならすぐにお出しできますよ」
「あ…本当ですか!じゃあ、美味しいって聞いたので…水出しコーヒーを2つお願いします」
「承知しました」
店員さんは一度カウンターに戻ると、手際よくコーヒーを注いですぐに持ってきてくれた。
「お待たせしました」
すると、店員さんは意外な一言を発した。
「今回の代金は考えず結構です。僕が2人分お支払い致しますよ」
それを聞き、私は風見さんと目を丸くした。
「えっ!?そんな…!悪いですよ!」
「そうですよ!降っ…いや、何故!?」
店員さんが焦る風見さんに向き直る。
「刑事さんが探偵の居る喫茶店にわざわざ女性を連れてくる訳がない…となれば、女性が道に迷い、目的地である喫茶ポアロに案内してきたということは明白。…つまり刑事さんは2度もこの女性を助けている。そういうことですよね?」
凄い…。流石探偵だ。
「あ、えぇ、その通りですが…」
再びふっとこちらを向いた店員さんはにこやかに微笑みかける。
「刑事さんの称賛できる行動に敬意を表し、ここは僕に払わせては貰えませんか」
「…ありがとうございます。そういうことならお言葉に甘えて…」
今のやりとりで風見さんの緊張が解かれたようだった。
風見さんはコーヒーを一口飲み、私に話しかける。
「…そういえば、そちらの名前をお聞きしてませんでしたね」
「あぁっ、すみません名乗らずに…!村雨です。下の名前は四羽と言います」
「村雨さん、ですね」
「ふふ、でも本当に助かりました!友人と来る予定だったんですけど、その子が風邪ひいちゃって…でも、そんな時に限ってあんな目に遭ってしまうなんて、ついてないです…」
「いえ、まあ…意外と事件に遭うことは珍しくないと思いますが…」
風見さんがちらっとカウンターの方を見た。
視線の先には店員さんが居る。
私もつられてカウンターごしで作業をしている店員さんを観察してみた。
「…ここの店員さん、よく見たら1人でテキパキこなしてて凄いですね!」
他愛もない話の種のつもりだったが、風見さんの反応が少し遅れた。
「…あの人は、ファンがいるくらい評判が良いようですよ」
「えっ、凄い人なんですね!」
「ええ…」
そう発言する彼はどこか悲しげだった。
チリンチリンーー
ふと、喫茶店のドアの鈴の音が鳴った。
誰か新しいお客さんたちが入ってきたみたいだ。
小さい眼鏡の少年と…その父親だろうか?
あれ、あの風貌、どこかでーー
ドアの方を確認した店員さんが、その2人に声をかける。
「あ、いらっしゃいませ毛利探偵、それに…コナンくん」
「!!!」
風見さんの顔色が青ざめたような気がした。
「…ありがとうございます」
店員さんに案内され、奥側の席に着くと、水と手拭きを目の前に置いて貰った。
店員さんは金髪で褐色肌、顔立ちの整った優しげな男性だ。
…しかし何か隙の無さを感じるのは気のせいだろうか…
優しげな笑顔を投げかける店員さんに対して、風見さんはどうにも困惑気味のようだった。
…人にもよるだろうが、こういう場所が苦手な人もいるだろう。
だとしたら先程の店先での挙動も頷ける。
私は善意の押し付けで先走ってしまったんじゃないかと思ってしまった。
「…あの…ご迷惑でしたか?」
「い…いえ!そう言うわけでは無いんですが…」
風見さんがちらりと送った視線の先にはあの店員さん。
まさか、知り合いとかでは無いだろうか…?
「風見刑事、そんなに固くならないでくださいよ」
「えっ!?やっぱりお二人はお知り合いなんですか?」
私は目を輝かせるも、どうにもぎこちない風見さん。
「…えっ、あ、あの…?」
しかし裏腹に、終始穏やかな表情の店員さんは私たちに話しかける。
「ええ、実は僕はここのバイトをしながら探偵業を営んでいるんです。僕はこの上に住む毛利先生の弟子なんですよ」
「…え、す、凄い…あの名探偵毛利小五郎さんの!?」
「はい。職業柄刑事の方ともお会いしますので、風見刑事にも何度かお会いしたことがあるんです。にしても…」
店員さんは風見さんの方に視線を送ってニッコリと一言。
「まさか刑事さんが彼女と一緒にここへ来るなんて思ってませんでしたよ」
それを聞いた風見さんは焦りぎみな様子だ。
「あっ、いや…そうじゃないんです!彼女じゃなくて…!」
「そ、そうなんです…色々深い事情があって…!えっと、さっき助けてもらったんです…裏道で人に絡まれてしまって…」
さっきの事件の話を、初めてお会いした店員さんに話すのもどうかと思うが、誤解されたままでは風見さんもよくは思ってくれないだろう。
「成程…そういうことでしたか。すみません、僕としたことが早とちりを。ところで、メニューはお決まりでしたか?この時間帯なら忙しく無いので、飲み物ならすぐにお出しできますよ」
「あ…本当ですか!じゃあ、美味しいって聞いたので…水出しコーヒーを2つお願いします」
「承知しました」
店員さんは一度カウンターに戻ると、手際よくコーヒーを注いですぐに持ってきてくれた。
「お待たせしました」
すると、店員さんは意外な一言を発した。
「今回の代金は考えず結構です。僕が2人分お支払い致しますよ」
それを聞き、私は風見さんと目を丸くした。
「えっ!?そんな…!悪いですよ!」
「そうですよ!降っ…いや、何故!?」
店員さんが焦る風見さんに向き直る。
「刑事さんが探偵の居る喫茶店にわざわざ女性を連れてくる訳がない…となれば、女性が道に迷い、目的地である喫茶ポアロに案内してきたということは明白。…つまり刑事さんは2度もこの女性を助けている。そういうことですよね?」
凄い…。流石探偵だ。
「あ、えぇ、その通りですが…」
再びふっとこちらを向いた店員さんはにこやかに微笑みかける。
「刑事さんの称賛できる行動に敬意を表し、ここは僕に払わせては貰えませんか」
「…ありがとうございます。そういうことならお言葉に甘えて…」
今のやりとりで風見さんの緊張が解かれたようだった。
風見さんはコーヒーを一口飲み、私に話しかける。
「…そういえば、そちらの名前をお聞きしてませんでしたね」
「あぁっ、すみません名乗らずに…!村雨です。下の名前は四羽と言います」
「村雨さん、ですね」
「ふふ、でも本当に助かりました!友人と来る予定だったんですけど、その子が風邪ひいちゃって…でも、そんな時に限ってあんな目に遭ってしまうなんて、ついてないです…」
「いえ、まあ…意外と事件に遭うことは珍しくないと思いますが…」
風見さんがちらっとカウンターの方を見た。
視線の先には店員さんが居る。
私もつられてカウンターごしで作業をしている店員さんを観察してみた。
「…ここの店員さん、よく見たら1人でテキパキこなしてて凄いですね!」
他愛もない話の種のつもりだったが、風見さんの反応が少し遅れた。
「…あの人は、ファンがいるくらい評判が良いようですよ」
「えっ、凄い人なんですね!」
「ええ…」
そう発言する彼はどこか悲しげだった。
チリンチリンーー
ふと、喫茶店のドアの鈴の音が鳴った。
誰か新しいお客さんたちが入ってきたみたいだ。
小さい眼鏡の少年と…その父親だろうか?
あれ、あの風貌、どこかでーー
ドアの方を確認した店員さんが、その2人に声をかける。
「あ、いらっしゃいませ毛利探偵、それに…コナンくん」
「!!!」
風見さんの顔色が青ざめたような気がした。