とまそん日記
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穏やかな昼下がりコハルはいつも通り図書室へと向かっていた。
昼前までは市販の大きめなリボンを胸に付けていたが、今は学校指定のリボンに変わっている。
図書室の扉を開けると、カウンターの近くで本を読んでいる黒森がいた。
眉間に皺が寄っているところをみると、また小難しげな本でも読んでいるのだろう。
一瞬目が合ったがすぐに手元の本に視線が戻された。
コハルも近くの本棚から本を取り出すとカウンターに腰掛けて本を読み始めた。
ややの間があり黒森が話しかけてきた。
「指定のリボンなんて珍しいな」
人のことをあまり気にしない質なのに思わず話しかけてしまうほど、普段のリボンは目立っていたのだろう。
「今日は全校集会だからね」
コハルが答える。
どうやら、以前の集会の時にリボンを注意されたのが面倒くさかったらしく、今回はその対策だという。
それでも髪は明るい金髪のまま、色を変えていないところはコハルらしいと、黒森は苦笑した。
「髪の色も言われるんじゃないか」
「髪は地毛って事で通してるから大丈夫~。頻繁に染めると傷むから嫌なんだよね~」
コハルは髪の毛を指先でくるくると弄りながら答えた。
金色の髪が光に当たりキラキラと揺れる。
「ちなみにカラコンも入れてハーフってことにしてあるから!」
コハルはケラケラ笑いながら、案外バレないんだよ~と続ける。
確かによく見るとコハルの瞳は薄らと青くなっている。
「どうでも良いが、リボン歪んでるぞ」
呆れたように言いながら、黒森は読みかけの本に視線を戻した。
確かにコハルの胸元のリボンは輪の大きさが非対称なら伸びている紐の長さも非対称でだらしない印象を与えていた。
「あ~…リボン結ぶの苦手なんだよね~」
胸元のリボンをイジりながらコハルは少し考えた後に、子どもがいたずらをするときのように笑った。
そしてカウンターから降り黒森の傍まで行くと
「黒森、リボン綺麗に結べてるじゃん。私のもむすんでよ~」
なんで俺が…そう言いかけるよりも早くコハルがぐいっと黒森に胸を近づけた。
歪んだリボンよりもその下の僅かな膨らみにどうしても目がいってしまう。
突然の出来事に、触ってもいいものなのか、何故自分なのか、そもそも自分で結べよと、黒森は瞬時に様々な考えを巡らせたが
「ほ~ら、早く~!」
急かすコハルに観念したように胸には触れないよう、恐る恐るリボンを綺麗な形に結び直した。
「さっすがじゃん!ありがと~」
コハルは笑いながらお礼を言うとそのまま図書室の入口へと向かった。
「じゃ、集会遅れないよ~にね~!」
黒森に背を向けたままヒラヒラと手を振りながらコハルは図書室を後にした。
廊下を少し進んだところでコハルは両手で顔を覆いその場にしゃがみ込んだ。
指の隙間からは真っ赤に染まった頬が見えていた。
昼前までは市販の大きめなリボンを胸に付けていたが、今は学校指定のリボンに変わっている。
図書室の扉を開けると、カウンターの近くで本を読んでいる黒森がいた。
眉間に皺が寄っているところをみると、また小難しげな本でも読んでいるのだろう。
一瞬目が合ったがすぐに手元の本に視線が戻された。
コハルも近くの本棚から本を取り出すとカウンターに腰掛けて本を読み始めた。
ややの間があり黒森が話しかけてきた。
「指定のリボンなんて珍しいな」
人のことをあまり気にしない質なのに思わず話しかけてしまうほど、普段のリボンは目立っていたのだろう。
「今日は全校集会だからね」
コハルが答える。
どうやら、以前の集会の時にリボンを注意されたのが面倒くさかったらしく、今回はその対策だという。
それでも髪は明るい金髪のまま、色を変えていないところはコハルらしいと、黒森は苦笑した。
「髪の色も言われるんじゃないか」
「髪は地毛って事で通してるから大丈夫~。頻繁に染めると傷むから嫌なんだよね~」
コハルは髪の毛を指先でくるくると弄りながら答えた。
金色の髪が光に当たりキラキラと揺れる。
「ちなみにカラコンも入れてハーフってことにしてあるから!」
コハルはケラケラ笑いながら、案外バレないんだよ~と続ける。
確かによく見るとコハルの瞳は薄らと青くなっている。
「どうでも良いが、リボン歪んでるぞ」
呆れたように言いながら、黒森は読みかけの本に視線を戻した。
確かにコハルの胸元のリボンは輪の大きさが非対称なら伸びている紐の長さも非対称でだらしない印象を与えていた。
「あ~…リボン結ぶの苦手なんだよね~」
胸元のリボンをイジりながらコハルは少し考えた後に、子どもがいたずらをするときのように笑った。
そしてカウンターから降り黒森の傍まで行くと
「黒森、リボン綺麗に結べてるじゃん。私のもむすんでよ~」
なんで俺が…そう言いかけるよりも早くコハルがぐいっと黒森に胸を近づけた。
歪んだリボンよりもその下の僅かな膨らみにどうしても目がいってしまう。
突然の出来事に、触ってもいいものなのか、何故自分なのか、そもそも自分で結べよと、黒森は瞬時に様々な考えを巡らせたが
「ほ~ら、早く~!」
急かすコハルに観念したように胸には触れないよう、恐る恐るリボンを綺麗な形に結び直した。
「さっすがじゃん!ありがと~」
コハルは笑いながらお礼を言うとそのまま図書室の入口へと向かった。
「じゃ、集会遅れないよ~にね~!」
黒森に背を向けたままヒラヒラと手を振りながらコハルは図書室を後にした。
廊下を少し進んだところでコハルは両手で顔を覆いその場にしゃがみ込んだ。
指の隙間からは真っ赤に染まった頬が見えていた。
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