鬼滅:竈門
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「おーい、」
「あ、今行く!」
名前を呼ばれる前に、図書委員長クンに返事をした。
同じクラスの友達にさよならの挨拶をし、委員長クンと一緒に玄関へ向かう。
今日の放課後は、とある男子と本屋さんに行くことになっている。
図書委員会の委員長である彼と、副委員長であるわたしの二人きり。
しかし、これはデートとかではない。れっきとした図書委員活動だ。
「委員のみんなが薦めた本、残ってるかな」
「残ってるといいけどな」
「売れてる本ばっかりだったからね」
我が学校の図書委員会では、図書委員推薦の本を選定し学校に入れる活動がある。
その本がまた、個人の趣味にはしっていたり(ギャグならいい、エログロ系のときはさすがにびびった)、タイトルが上品だと思えば下品な漫画だったりするので、実際に本屋さんで確認する必要があるのだ。
委員が本を持っていれば借りることができるが、最近はデジタル化が加速しているため、本ではなくデータDLすることで、媒体がないことが多い。
そのため、「なら一気に確認するか」ということで、本屋さんに行く必要があるのだ。
ちなみに炭治郎には事前通告済みなので、校門にはいなかった。
通告といっても「今日は委員会活動なので一緒に帰れません」しか伝えてないけど……
「(――って、何でわたしうしろめたさ感じてるの?)」
炭治郎が校門にいなかったことにもホッとした。
まるで見られたらどうしよう、と心配していたかのようだ。
…………ま、まさか。
「いやいやいや!!」
「えっ?!」
「あ、ごめん、何でもない」
思わず口にし、相手を驚かせてしまった。
互いに苦笑いする。すみません委員長クン、仕事モードに切り替えます。
*
遠くの本屋まで行くのもナンセンスなので、近所の商店街にやってきた。
ここの商店街はいろんなお店があり、活気があふれている。
本屋も数軒はあるので、はしごも可能だ。
――なのだが、今日の商店街は特に人が多い。
「えっと、何この人混み」
「あー、これだ」
委員長クンがスマホで調べてくれたところ、セールがあちこちで開かれているのだそう。それで主婦や家族連れが多いのか。
今日は金曜だし、これから飲食店に入る客も増えてくるはずだ。
気をつけないと体がぶつかりそうなくらい密集しているが、ここで別の場所に移るわけにもいかない。
二人同時に顔を見あわせ、商店街に一歩足を踏み入れた。
*
1時間半後。
見つかった図書、見つからなかった図書をわけ、次の本屋に行き……を2回行い、何とかコンプリートした。
やはり、学校図書として判断できないものがいくつかあったので、実際に見れてよかった。
「まあ個人の趣味ならいいんだけど」
「そうだな。悪いけど、あと頼めるか?」
「うん、いいよ」
あと、というのは、手書きメモした書類を、パソコンを使ってまとめ直す作業だ。
委員長クンはこれから塾であり、この作業は前々から頼まれていたことだが、再度依頼してくれる姿に実直さを感じる。
「いつもごめんな」
「いいって! そのかわり、テスト前勉強また頼むね、委員長」
「それなら任せて」
笑って返すと、委員長クンは安堵した笑顔を浮かべた。
やさしい人だなー。
*
委員長クンと商店街の入り口でわかれ、帰路につく。
――正直に言うと、ドキドキしていた。
それは委員長クンにではなく、炭治郎に、だ。
「(あれ、見られてなくて、よかったー!!)」
人混みで歩くのが下手だったわたしは、人にぶつかったときによろめいてしまった。
そのとき、後ろを歩いていた委員長クンがとっさに抱きかかえてくれたのだ。
よこしまな気持ちがない彼は、「アッゴメン!」とすぐ離してくれた。
このとき、わたしは勝手に汗が流れた。
炭治郎に見られたらどうしよう、という気持ちになったのだ。
なんで思ったのかはわからない、けど、なんだか心のどこかで、炭治郎を基準に決めてしまっている自分がいるのはたしかだ。
「まあ、考えすぎか……」
きっと毎朝と毎夕、ともに行動をしているせいで、炭治郎の好き好きオーラがわたしを侵食しているんだろう。
でもわたしと炭治郎は付き合ってないし、あのアクシデントは不可抗力だし、うしろめたさを感じる必要はない。
って、どんだけ自分に言い訳してんの。
「あ、着いた」
自宅ってこんなに近かったっけ。それだけ考え事してたのか、わたし。
両親は今日も残業だ。師走の時期だからしょうがない。
今の時期、陽が落ちるのが早いため、手元に明かりがないと鍵穴に鍵が入らない。
スマホのライト機能をつける。
そして家の鍵を取り出し、ドアの鍵穴に近づけた。
ガチャ。
「え?」
何も考える間もなく、開いた先の奥からのびた手に、引きずり込まれた。
妄想は現実になるものだ
手元から離れたスマホが、外に落ちていった。
「あ、今行く!」
名前を呼ばれる前に、図書委員長クンに返事をした。
同じクラスの友達にさよならの挨拶をし、委員長クンと一緒に玄関へ向かう。
今日の放課後は、とある男子と本屋さんに行くことになっている。
図書委員会の委員長である彼と、副委員長であるわたしの二人きり。
しかし、これはデートとかではない。れっきとした図書委員活動だ。
「委員のみんなが薦めた本、残ってるかな」
「残ってるといいけどな」
「売れてる本ばっかりだったからね」
我が学校の図書委員会では、図書委員推薦の本を選定し学校に入れる活動がある。
その本がまた、個人の趣味にはしっていたり(ギャグならいい、エログロ系のときはさすがにびびった)、タイトルが上品だと思えば下品な漫画だったりするので、実際に本屋さんで確認する必要があるのだ。
委員が本を持っていれば借りることができるが、最近はデジタル化が加速しているため、本ではなくデータDLすることで、媒体がないことが多い。
そのため、「なら一気に確認するか」ということで、本屋さんに行く必要があるのだ。
ちなみに炭治郎には事前通告済みなので、校門にはいなかった。
通告といっても「今日は委員会活動なので一緒に帰れません」しか伝えてないけど……
「(――って、何でわたしうしろめたさ感じてるの?)」
炭治郎が校門にいなかったことにもホッとした。
まるで見られたらどうしよう、と心配していたかのようだ。
…………ま、まさか。
「いやいやいや!!」
「えっ?!」
「あ、ごめん、何でもない」
思わず口にし、相手を驚かせてしまった。
互いに苦笑いする。すみません委員長クン、仕事モードに切り替えます。
*
遠くの本屋まで行くのもナンセンスなので、近所の商店街にやってきた。
ここの商店街はいろんなお店があり、活気があふれている。
本屋も数軒はあるので、はしごも可能だ。
――なのだが、今日の商店街は特に人が多い。
「えっと、何この人混み」
「あー、これだ」
委員長クンがスマホで調べてくれたところ、セールがあちこちで開かれているのだそう。それで主婦や家族連れが多いのか。
今日は金曜だし、これから飲食店に入る客も増えてくるはずだ。
気をつけないと体がぶつかりそうなくらい密集しているが、ここで別の場所に移るわけにもいかない。
二人同時に顔を見あわせ、商店街に一歩足を踏み入れた。
*
1時間半後。
見つかった図書、見つからなかった図書をわけ、次の本屋に行き……を2回行い、何とかコンプリートした。
やはり、学校図書として判断できないものがいくつかあったので、実際に見れてよかった。
「まあ個人の趣味ならいいんだけど」
「そうだな。悪いけど、あと頼めるか?」
「うん、いいよ」
あと、というのは、手書きメモした書類を、パソコンを使ってまとめ直す作業だ。
委員長クンはこれから塾であり、この作業は前々から頼まれていたことだが、再度依頼してくれる姿に実直さを感じる。
「いつもごめんな」
「いいって! そのかわり、テスト前勉強また頼むね、委員長」
「それなら任せて」
笑って返すと、委員長クンは安堵した笑顔を浮かべた。
やさしい人だなー。
*
委員長クンと商店街の入り口でわかれ、帰路につく。
――正直に言うと、ドキドキしていた。
それは委員長クンにではなく、炭治郎に、だ。
「(あれ、見られてなくて、よかったー!!)」
人混みで歩くのが下手だったわたしは、人にぶつかったときによろめいてしまった。
そのとき、後ろを歩いていた委員長クンがとっさに抱きかかえてくれたのだ。
よこしまな気持ちがない彼は、「アッゴメン!」とすぐ離してくれた。
このとき、わたしは勝手に汗が流れた。
炭治郎に見られたらどうしよう、という気持ちになったのだ。
なんで思ったのかはわからない、けど、なんだか心のどこかで、炭治郎を基準に決めてしまっている自分がいるのはたしかだ。
「まあ、考えすぎか……」
きっと毎朝と毎夕、ともに行動をしているせいで、炭治郎の好き好きオーラがわたしを侵食しているんだろう。
でもわたしと炭治郎は付き合ってないし、あのアクシデントは不可抗力だし、うしろめたさを感じる必要はない。
って、どんだけ自分に言い訳してんの。
「あ、着いた」
自宅ってこんなに近かったっけ。それだけ考え事してたのか、わたし。
両親は今日も残業だ。師走の時期だからしょうがない。
今の時期、陽が落ちるのが早いため、手元に明かりがないと鍵穴に鍵が入らない。
スマホのライト機能をつける。
そして家の鍵を取り出し、ドアの鍵穴に近づけた。
ガチャ。
「え?」
何も考える間もなく、開いた先の奥からのびた手に、引きずり込まれた。
妄想は現実になるものだ
手元から離れたスマホが、外に落ちていった。