銀魂:神威(同行者ヒロイン固定)
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提督に夕食を誘われた神威さん。
その時間帯、わたしはいつものように戦艦の中をうろうろしていた。この時間だけ、思い切り自由行動ができる。地球から購入した漫画を読んでもいいし、雑用組の部屋に乱入してもいいし。
ただ、今日は違った。
目の前に、ふらりと現れた男の人。
その人が、わたしの行く先をさえぎっている。
「……あの…」
いや、普通ならその人を避けて歩けばいいんだけど。
見るからに、あの男の人は通せんぼをしている。
まぶたを閉じて、口に据えたキセルを上手に揺らしながら。
「…あのー…通してもらっていいですか?」
天人ではないようだ。わたしと同じ人間。
なのに、どうしてだろう、人間なのにあの神威さんと同じような空気をまとっている。一緒にいて居心地が悪いというか、緊張する。落ち着かないのだ。
そんな人に、わたしは失礼のないようにお願いをした。
ところがどっこい。
「クク……。アンタが噂の同行人かィ」
「(スルー!)」
くつくつと可笑しそうに笑うその人は、ようやくわたしを見た。
うっ、怖い。とてつもなく怖い。第一印象最悪としかいいようがない。
………ていうか、なんて言ったこの人。「噂の同行人」?
「成程、確かに面白ェツラだ」
「な…! 面白いツラって…!」
「あァ、外見じゃねーよ。あの第七師団長が、えらいご執心の同行人がいるって聞いたもんで、見に来たのさ。それが、ごく普通の女だったからよォ…」
ごく普通の女で悪かったな!! ていうかわたしも好きで同行してるわけじゃないからね、雑用係だったんだからね。
そんな言い返しが、根性無しのわたしの口から出るはずもなく。うう、弱い。
黙りこんだままのわたしに、男の人は一歩一歩近づいてきた。
「アンタ、名前はなんて言う?」
「…ななしです」
「そうか。俺ァ高杉。高杉晋助だ」
「あ…鬼兵隊の方ですか」
「ああ。…これから長い付き合いになるだろうから、よろしく頼むぜ」
「え? あ、はい…こ、こちらこそ」
近づいたかと思えば、肩をぽんと叩かれただけ。
なんだか気が抜けそうになった。な、なんだ…てっきり何か怖いことされるのかと思ったぞ。胸ぐらつかまれたり睨まれたりとか。
わたしの阿呆な想像を見事に裏切ってくれた高杉さんは、わたしの拍子抜けした姿にフッと笑い、何事もなかったかのように去っていった。
その背中を、ただただ眺めることしかできない。
「……なんだったんだ、あの人」
結局、何がしたかったんだろ。
まあいいか。
さて、神威さんが戻ってこないうちに雑用組と愚痴を語り合って……。
「ななしー」
「(げ)」
ひいいいあの声はァァァ!!!
すぐに振り返ると、さっきまで高杉さんが現れたところに神威さんがニコニコと立っていた。
ニコニコと。笑いながら。ここ、重要。
「ななし」
奴は、殺る気だ。
「誰といた?」
「あ、だだだだ!!!」
肩をつかまれ、ぎゅうと力を込められる。
その肩は、まさに先程高杉さんに軽く叩かれた方のみ。何、見てたの? あ、でも見てたら普通聞いてこないか。それじゃ本能的に? それともあれか匂いか。どっちにしろ野性的すぎるわ!!
とりあえず全力で逃げようともがくけど、いや、ムリですよねー。
「たッ……たかすぎ、さんですゥゥ! 鬼兵隊の!」
観念して、正直に話す。
しかし神威さんは、まだ力を込めたままだ。
「……早速、手を出されたか」
「は?! いや、別に手は出されてませんけど…ったァァァ!! すみません、なんでかわかんないですけどすみませんんんん!!」
ダメだ、意味がわからない時の神威さんに口答えをしたら倍返しになって返ってくる。
結局気の済むまでわたしをいたぶった神威さんだけど、
「うーん、そろそろアンタには首輪が必要かな」
なんて恐ろしいことを真顔で(しかも眉をひそめながら真剣に)言い出した。
必要なわけ、あるかァァァァァ!!!!
まァ、いいか。
「どうせこの後殺すんだし」
そして本誌の殺し合いに発展という無茶展開。すいません。でも満足!