銀魂:神威(同行者ヒロイン固定)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うわー…誰もいない」
どうしてだか、今夜はなかなか眠くならない。しかし部屋のベッドでじっとしていても退屈なので、静かに部屋を出た。そしてたどり着いた戦艦の甲板から、宇宙を眺める。甲板といってもここは宇宙なので、酸素を失わせないように一面ガラス張りの仕様となっている。
いつ見ても、真っ暗な闇。
そこに輝くのは、小さな小さな、それこそちりのように散らばっている、星たち。そんな中、さっきまでわたしがいた地球が、目立つようにして浮いている。全体的に青いけど、宇宙の闇にとけこむことなく、輝いていた。
「相変わらず、きれー…」
思わず呟く。
春雨の戦艦から何度も地球は見下ろしたことはあるけど、見飽きない。
じっと見つめていると、カツカツと特徴的な靴音がした。
「ななし」
「神威さん」
振り返れば、やはり神威さんだった。
今日はちょっと強い天人と戦えたから、機嫌がよさそうだ。
「部屋にいってもいないから、びっくりしたよ」
「すみません、散歩してました」
「うん、別にいいよ。多分この後、アンタのほうが怒るだろうし」
「…はい?」
「何見てたの?」
見事にスルーされ(わかってたけどね! やっぱむかつく!)神威さんはわたしの隣に立った。そしてキョロキョロと宇宙を見回す。
「なんだ、何もないじゃないか」
がっかりしたような口調の神威さんにはわからないだろう。宇宙を眺めるだけで感傷的になるというか、こう、ロマンチックな感覚にひたることができる、人種がいるということを。
ま、花より団子の神威さんには到底理解しがたいことだろうから、いちいち説明する気にはならないけど。
「そういえば何かあったんですか?」
「いや、ないよ。ななしがいないから探しただけ」
「そうですか…」
アンタはわたしの保護者か、と突っ込みたくなる。でも相手は団長だ、つまりわたしの上司よりもっと上なわけで、我慢、我慢。というか単に生意気な口きいて殺されるのがおっかない。
「まあ、ななしが変なことしてなかったから良かったよ」
「変なことって…わたしそんなことした覚えもないですけど」
「ふーん………」
怪しげな微笑みをして(あ、やばいかも)神威さんはわたしの外側の肩をつかみ、引き寄せた。密着することで、自然と神威さんの声が聞き取りやすい位置になる。
そんな中、神威さんはわざわざ小声で囁いた。
「俺以外の前で、あんな顔しないでね」
「え? …あんな顔って…」
「あと、俺に隠れて男と喋ったら……………酷いよ」
何が、なんて聞いたらそれこそ最期だ。いけない扉を開けてしまう気がする。
真っ青になりながら、わたしはコクコクと頷く。そんな情けない返しに満足したのか、クスクス笑いながらわたしの肩に回していた手を離した。
「明日は、前話した星に行くから。今日は早く寝なよ」
おやすみ、と片手をひらひら振りながら、神威さんは甲板を去っていく。
その後ろ姿が見えなくなるまで見届けると、今更になって眠気がおそってきた。ううん、ちょうどよく緊張したからかな。あくびをしながら自分の部屋に戻って、
絶句した。
「………!?」
ベッドに敷いたシーツ、その上にかかっていた毛布が、それはもうグチャグチャに乱れていて、棚の上にあった小物は全部床に落ちているし、とりあえず「空き巣に入られたんだなこれは」と納得できるくらいの荒らしよう。
おまけにわたしの足もとには、こっそりかくしておいたお菓子の箱が転がっている。拾ってみると非常に軽く、中身だけ頂戴されて箱自体はグシャグシャにつぶされていた。
もう、辞めたいんだけど。
ねぇ君のそれは天然?
(宇宙を眺めている恍惚の表情が、
あまりにも妖美すぎた)
なんとも子供っぽい団長。