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「小十郎さん…恋愛相談にの」
「断る」
「早すぎる!」
非情なる小姑は、泣きつくわたしを華麗にスルーし畑仕事に戻った。
酷いな小十郎さん! こちとら筆頭の女だぞう!
「ちょっとは聞いてくれたっていいじゃないですかー! いいんですか、政宗さんとななしチャンの仲が険悪になっちゃうかもしれないんですよ!? ほらっ、今 凄い悲しい顔です見てくださいこれ」
「安心しろ、最高に笑える」
「か・な・し・い・か・お、ですっ!!」
憤慨するわたしを鼻で笑った後、鍬を持ってザックザックと土を耕し始める。これでもこの男、伊達政宗から一番信頼されてるんですね~、世の中不思議ですね、ほんッとに…!
どうにかして話を聞いてもらいたいわたしは(だって話できるの小十郎さんしかいないんだもん!)そばに放ってあったもう一つの鍬を手にとると、小十郎さんの向かいに立った。
「手伝いますから、話くらい聞いてくださいよね!」
「おい、よく聞いたら上から目線じゃねーか」
「えっいやツンデレ…」
どうやら彼にツンデレは通じませんでした、ざんねーん!
♪
「そりゃお前が悪い」
散々こき使われたわたしは、疲労感を背中にのせヘロヘロになりながらも、政宗さんとの一件を話した。
すると小十郎さんは目をとじながら、バッサリと言い放ったわけで。
まあうん、いやそうですよね、それは知ってますよそりゃ。
「薬指が両想いなんですけど、わたしは本気で政宗さんにそれを選んでもらいたかったんです。なのに体がオート操縦になってしまって、結局政宗さんに怒られた挙げ句中指をつかまれちゃいました」
中指、それは一番嫌な選択肢だ。
「なんとも思っていない」もしくは「嫌われている」という結果だから。
「こんなことなら、『後輩か妹のように思われている』小指のままにしておくんだった…!」
「そもそも手を動かさなけりゃいい話だろ」
「ヘン、それができたら苦労しないってんですよバーロー!」
気づいたら土の上に放り投げられてました(あれっちょっと前後の記憶が消えてる)
♪
何もする気が起きなくなったわたしは部屋に戻り、ひたすらゴロゴロしていた。
会いたいのは山々だけど、あの心理テストでネガティブな結果になってしまい、会いたくないなあとも………いやあ、我ながら複雑な心境だわ。
だって恋する乙女は心理テストを重要視してしまうもの。
あんなに力強く中指を握られれば、つまり政宗さんの深層心理は…。
「いやだあああああ!!!」
結果をまた思い出すだけで苦しくなる。
その苦しみから逃れるように、叫びながら畳の上をジタバタと泳いだ。
「こんな場所でswimの練習かい、ななし」
「えっ! まま政宗さんっ!」
ダーリンの訪問にテンションがあがり、笑顔になる。
しかし顔を見ると同時に、例の心理テスト結果が脳にボワンと浮かんだ。
眉をひそめて、ぶっきらぼうに言ってみる。
「…な、なんですか? 無関心な人間相手になんの用ですか!」
「I see. 小十郎の言った通りだ」
「小十郎さん…?」
訝しむわたしの前にしゃがむと、政宗さんはスッと手をあげた。
その左手が、ちょうど目の前の高さで止まる。
………もしかしなくとも、小十郎さんから聞いたのか。
「アンタの好きな指を選びな」
「じゃあ!」
「一本だけだ」
全部と言いそうになったのがバレた(ちぃっ)
ついでに両手でがっちり掴もうと思ったらスカッと逃げられてしまった。
それにしても、政宗さんがわたしに心理テストを仕掛けてくるなんて。
小十郎さんには全部の解説はしてないけど、どれくらい聞いているのかな。
そんなことを考えながらも、わたしが選ぶ指ははじめから決まっている。
「薬指ですっ!」
ぎゅうと握ったついでに、こちらを向いている手のひらにほおずりをする。
直後脳天に衝撃がはしり、わたしはゴジラのような叫び声をあげた。
よっ容赦ねええ!!
「やっぱ政宗さんはわたしのこと嫌いなんだあああっっ!!」
泣きべそをかきながら政宗さんに背を向けていると、後ろでため息をつかれた。
「ななし」
「………」
振り返ることがなんとなくためらってしまい、体育座りをして口を固く結ぶ。
けれど、政宗さんから拳はとんでこなかった。
一拍おいて、また声が聞こえる。
「小十郎から聞いた後、何人かに試した」
「………」
「親指が二人、人差し指が一人、小指が一人、中指が二人」
え、中指の人いたの!?!
それはショックだろう、政宗さん。
「中指を握った二人は、戦で俺を何度も助けてくれた仲間だ。それでも、例のtestによれば、俺はそいつらに嫌われているってことだな」
「…そう、です」
「俺はンなもん信じねえ」
きっぱりと言い放つ政宗さんにつられて、わたしの顔がくるりと回った。
政宗さんは自信満々に、一言。
「心理だがなんだかしらねえが、その結果よりも、俺は十何年も付き合えている絆を信じる」
つまり心理テストを否定されてしまったわけで。
どう返事していいのか考えているわたしをジッと見る政宗さん。
「それはアンタも同じだ、ななし」
「……え…」
え…、え、えっ?
ぽかんとする中、今の言葉をかみしめて理解する。
ということは!!
目を輝かせると、政宗さんにむき直した。
「わっわたしのこと嫌いじゃないってことですか?!」
「そもそも俺は言ったことねえ」
デ、デスヨネー!(そういえばまた例の如く一人で暴走しちゃってた)
うっきゃああ自分で自分のテンションがあがっていくのが丸わかりだぜえええ!!
鼻息荒く、さらに詰め寄る。
「じゃあ、じゃあ! 大好きってことですか?!!」
「それも言ってねえ」
「はい?!」
予想外の否定に、わたしは目が点になった。
「いやだって今、」
「だから言ったじゃねーか」
ニヤリ、男は笑う。
意地悪そうに。
「俺は『中指を握った』だけで、結果は信じねえ。つまりアンタについては無関心でも嫌ってもねえ」
「…………………………それだけ?」
「Yes.」
こ、この男ーーーーー!!
どこまでドSなんだァァァァっ!!!
「あっあれだけわたしに夢の中で愛の言葉を囁いてくれたくせに!」
「そいつァ偽物だ」
「二人きりの時はデレるっていうのが政宗さんのキャラなのに!」
「偶像だ」
「このっ、シャイボーイ! 眼帯ヘタレ! あっごめんなさいごめんなさいイタタタ!!!」
どうやらマイダーリン、意地でも肯定はしてくれないみたいです。
そんなにわたしに告白するのが恥ずかしいんですか、もう!
「まあそんな政宗さんが大好きなんですけど! いーですもん、嫌われてないならそれで。うっかりヤンデレデビューしそうでしたけどね。自傷系の」
「yeah right.(はいはい)」
呆れたように流す政宗さんは、突然わたしの左手をすくい取った。
ビックリして、とっさの反応ができずに固まってしまう。
手の甲を上にして、政宗さんがジッとそれぞれの指を見つめる。
「見た目なら、薬指が好みだ」
「ぶへらっ!!」
デレキターーーーー!!!
鼻から何かを噴出しながら、本日二度目の失神を起こしてしまった。
もったいない、非常にもったいない!!!
素直じゃない彼に二度目惚れ
左手を出して、握ってもらった指で「その人」が自分をどう思っているか判断できる心理テストでした。
親指:目上として尊敬できる
人差し指:同等の立場として仲間的意識
中指:不干渉を表すとして無関心又は嫌悪対象
薬指:愛情を表すので好意をもっている
小指:目下として後輩や弟or妹的意識
ちなみに参考先がまた別だと、「薬指:敵対」というケースもあるようです^^
また筆頭の仰る通り、信じる信じないはご自由に。