本編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夜、ここに来てから始めた日記を書いていたら、カサカサと音がした。
「ん?」
振り向いたわたしは、仰天して「ぎゃ!」と叫んでしまった。閉じているふすまが開く音なんてしなかったのに、いつの間にか政宗さんが立っていたのだ。それも、何故か鎧姿。
「・・・・・・?」
いつもであれば、足を開いてあんな大声をあげるわたしを嘲笑する政宗さんは、黙ったままだ。真剣な表情・・・というか、無表情で立っている。なんかおかしい、おかしいよこれ。でも、相手が政宗さんなので、わたしはやっぱり嬉しかった。「どうしたんですか、わたしに会いに来たんですかっ」とニッコリ笑えば(効果はバツグンのはず!)政宗さんはコックリとうなず・・・どえええええ!?</big>
ちょっ待てやァァァ! こんな上手い状況があっていいの?! そうだ、これは夢なのよななしちゃん! もしくは政宗さんの陰謀! きっと慌てるわたしを存分に楽しんでから、HAHAHAって笑うんだ、そうに決まってる。ふふん、なるほどね!←自己完結
政宗さんは無言でわたしの目の前まで来ると、かがみ、わたしをのぞきこむようにして 顔を近づけた。ワッワオ! 美形がドアップで拝めるなんて、アイムハッピー!(やばいテンションが高くなってきた!)
「むゎさむねさん(やべ、どもった) あ、あの、わたしの顔に何かついてます?」
鎧を着てるから、これから戦に行くってことなのかな。でも夜なのに・・・。あれか、この間来た武田さん達が救援を求めてるとか? いや、それなら無言じゃなくてさっさと言って行けばいい。なんだ、なんなんだ本当!! ・・・・・・と考えている間に、わたしは気づけば地面に寝かされてました。もっと詳しく言えば、政宗さんに覆い被せられています。
ま 、 ま さ か こ れ は ・ ・ ・ !
「これが本当の『コスプレイ』ですか政宗さん!!!!! えっちょっ、それならわたしが鎧を脱がせますわ・・・!」
もはやどちらがオオカミなのか。
政宗さんは相変わらず無言で顔を近づけて、わたしはハアハア言って(マジキモい!)、変な雰囲気のまま時間がすぎた。いつキスされるんでしょうか、やっぱ政宗さんだからディープかな!
そして、そのへんてこムードがぶっ壊されたのは、政宗さんの第一声。
「ななし!!」
「「!!」」
・・・え!!
床がギシギシとふすまが素早く開いた(ていうか吹っ飛んだ)かと思えば、小十郎さん達を従えた・・・・・・
「まっまさむねさん!!」
何これ、何これ!?! 上に乗ってるのも政宗さん、廊下でこっちを睨みつけてるのも政宗さん!? やだこれ、政宗天国?!(心を読まれて小十郎さんに「死ね」と言われてしまったけど、無視!) でもこれって危ないんじゃなかったっけ!
「まさかドッペルゲンガー!? いけない政宗さん、見たら死んじゃう!! ってこれどっちが本物? 見分けがつかない・・・」
「Ha? 蹴り飛ばすぞななし、俺がそんな行動するわきゃねーだろうが」
「サディスティックなアナタこそ本物ですね!」
いいもん、未来はどうなるかわかんないから!
・・・って スネてる場合じゃない。このニセ政宗から離れなければ。ニセ政宗は何が起こってもとことん無表情で、わたしをひたすら見つめ続けている。・・・あれか、キスしてくれるわけじゃあないのか(ニセとはいえガッカリ) まるで自分を見てくれといわんばかりに。
「Hey,そこの俺。バレてんだぜ、いい加減そこの女から離れやがれ」
「あっ、でも待ってください」
「what?」
「ニセ政宗さんのほうが積極的で わたし的にヒットかもしれブッ!!」
「お前は俺だったら誰でもいいのか、アァ?」
「ま゛さむねさん、それ言葉的に矛盾してます・・・!」
政宗さんが投げた物体が、わたしの顔にヒットしていた。な、何投げたんだ・・・とわたしが目を開けると、上にいたニセ政宗さんは消えていた。あれ、と政宗さんの方を見ると、なんとマサムネーズがガン見しあってました。
さ、寒い。急にあたりの気温が下がっていく感じが・・・!
「......Do you want to die that much?(そんなに死にたいか?) どけっつってんだろ」
「・・・・・・」(無言+怒気)
「お二人とも・・・ま、政宗さん達・・・すストップ・・・・・・!」
無理だ、本気で怒ってる政宗さんを止めるなんて(ぶっちゃけ小声でした、今の台詞) みんながみんな無言で、小十郎さんはすでに刀に手をかけていた。それを見て、わたしはさっきまでの臆病風が止んだ・・・気がした。とっさに立ち上がり、叫ぶ。
「や、やめてよ! わたしの部屋で殺しとかしたら、もうこの部屋に住めないっつーの! 幽霊とか本当は怖いんだから、その男は・・・・・・」
全部言い終わる前に、ニセ政宗さんは動いた。といいますか、倒れました。そして あっけにとられる全員が見たもの。
そのニセから ボワンと音がして煙が瞬間的に出て、あれっと目をこらせば、そこにいるのは、
「たたっ、たぬきいい?!!!!」
・・・・・・わあ、たぬきの化ける姿って生まれて初めて見たよ。
混乱しきったわたしの脳裏に浮かんだのは、とりあえずこんな感激でした。
狸の恩返し
ちーとだが、いい夢見たぜ!byななし