本編
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「起きたらこのお城の城下町に落ちてました、以上」
「それだけでござるか?! も、もう少し長い話なのでは・・・」
真田さんががっかりした顔で言ってくるけど、本当にこの通りなんだからしょうがない。そしてもう一つは、政宗さんといちゃつくため(ズバッ!) 「また後で話しますよ」と二人をあしらって、酒を持ち政宗さんの隣に座った。
「政宗さん、はいどーぞ!」
「Thanks.」
政宗さんの出した皿を手にとり、お酒をトクトクと注ぐ。そして口を付けようとしたらチョップが頭に落ちた。い、痛い! 少し酔ってるせいなのか、いつもより手加減なし・・・! 思わず涙ぐむ。そんなわたしに、政宗さんが呆れた顔を向けた。
「やけに素直かと思いやァ、アンタは真田以下の脳みそもってんだな」
「「酷い!!」」
「旦那、お嬢ちゃんと台詞かぶってるよー」
佐助ェェェェ政宗殿がァァァァ!! と 猿飛さんに泣きつく真田さん。えーと、わたしは、わたしは、
「こっ小十郎さァァァん!!」
「鼻水垂らして寄るんじゃねえ!!」
小十郎さん本気で酷いです。
無表情じゃなくて、凄い真剣な表情だったのがよけいに傷つく・・・! やっぱりここは、政宗さんだよね!(政宗さんのせいでこうなったけど) 背中から抱きつくと、政宗さんはヒュッと背を丸めてわたしを飛ばした。手をつかわずに背負い投げをしてみせる政宗さんもかっこいい、でもなんでだろう、肉体的にも精神的にも痛いや!(泣)
「ななし、政宗様は疲れていらっしゃるんだ。変な態度は慎め」
「小十郎さん わたしが嫌いですか。わざわざ声の大きさ調節しなくていいですから! ああっ、そうかそうか、わたしに妬いてるんでしょ?! 政宗さんを独占されて!」
「I do not remember that I was monopolized.(俺は独占された覚えはねえ)」
泣く泣く政宗さんと小十郎さんから離れて、二人のところへ避難した。こちらは政宗さんたちと違って、のほほんとしたムード。ああ、和む・・・! 真田さんは茶をすすって(お酒が飲めないらしい)るけど、「さっきの話の続きをどうぞ」とばかりに静かだ。猿飛さんも同じく、「で、どうなったの?」とニコニコ。・・・しょうがないなあ。わたしはコホンと咳払いをして、口を開いた。
ちょうど雪が降ってた日、わたしは部屋にいた。ちょうどお風呂上がりで、パジャマを着て、髪をふきながらベッドに倒れ込んでたっけ。そんな中、いつもわたしは思っていたんだ。恋がしたいなあ、と。学校も楽しい、友達もみんな好き、ただ、ドキドキがなくてつまらない。恋する友達(と書いてオトメと読む)はみんな言う、いつもドキドキしてるって。
(こっっここ恋とは・・・! おなごが滅多なことを言モガ)
(旦那、立ち上がらない叫ばない騒がない)
雪を見てたら、どんどん眠くなってきて、わたしはそのまま寝て・・・・・・・・・
起きたら、本当に、政宗さんが目の前にいた。その時は ここだったんだけど、実際は城下だったみたい。夜で雪が降ってる中、パジャマを着て地面に寝っ転がって、グースカ寝ていたそうで。
(お嬢ちゃんらしいね)
(その日は疲れてたんですよ!)
政宗さんの第一印象は、「格好いい」。パジャマじゃなくて着物を身にまとっていたわたしは、寒空で濡れた髪のまま寝ていたため、風邪を引いていた。そんなわたしを、政宗さんはジッと見つめて一言。「good morning.」わお、この人 英語上手いなあ。ていうか今どき英語で挨拶するなんて、変わってる・・・って引いた気がする。
(あっ、今のは内緒ですからね!)
(へっへー、どうしようかな)
(真田さん、猿飛さんを止めてください)
とりあえずわたしも、英語で「グッモーニン」と流暢ではない挨拶を返した。すると政宗さんは、細い目を開いて、嬉しそうに笑ったんだ。「異国語がわかるgirlなんて、コイツぁgoodな拾いもんだぜ」
(・・・伊達の旦那らしいね)
(せめて人間と言ってほしかったです、拾いもんじゃなくて)
「・・・ってなわけで、お気に入りになったわたしは、今現在こうしているわけでございます」
「へえー。まさかお嬢ちゃんが、異世界から来たなんて、俺様信じらんねーや」
「わたしだって、ここが戦国の乱世だなんて思いもしなかったですよ! 政宗さんが鎧着てても今でもコスプレとしか思えないですし」
「は? こすぷれ?」
「いや、なんでもないでっす。とにかく、政宗さんに誓ったんです。一生を添い遂げるって・・・! うひゃー言っちゃった! これ内緒ですよ、政宗さんに!」
「で、ご本人の意思は?」
「乙女は突っ走るものですよ、猿飛さん」
「・・・だろうね」
心当たりがあるのか、猿飛さんは苦笑いをした。真田さんかな(武田さんに対する) 真田さんは、さっきから静かだなあと思っていたら、寝ていやがりました。こ、この野郎・・・せっっかく話してあげたのに!!! 猿飛さんは小十郎さんと同じように、「疲れてるからさ」と言うと、真田さんの頭をひっぱたいた。えええええっ猿飛さん、台詞と行動が矛盾してません!?
「真田さん起きちゃいますよ!」
「いーのいーの。じゃないと、俺様が旦那を引っ張って布団に運ぶハメになるんだから」
「・・・・・・猿飛さんて、オカンだと思ってたのに」
「一度もオカン呼ばわりされたことないよ」
うーん、猿飛さんって時々腹黒いね・・・。
「ところでさお嬢ちゃん。今の過去の話のどこに、伊達の旦那に惚れる要素があったんだ?」
「 第 一 印 象 で す 。格好いいし時々優しいんですよっもうホントッわたし恋したんです!」
「・・・楽しい?」
「恋してから、もっと楽しいですよ☆」
猿飛さんはため息をつくと、「女ってややこしー」と愚痴をこぼした。
そして翌日、武田さん達が帰るときも、「お嬢ちゃんって誰かさんに似てるわ、やっぱ」と頭をなでられた。・・・誰だろう、わたしに似てる人って。
「・・・・・・・・・・・・へへ」
昨夜の過去話を思い出して、わたしは去っていく猿飛さんの背中に笑いかけた。
本当はですね、猿飛さん。政宗さんに惚れたのは、外見じゃなくて、優しさなんです。寝たきりな見ず知らずの女を何度も看病に来て、お料理を作ってくれた(小十郎さん談) そんな所に、わたしはときめいてしまったのです。
「何 笑ってんだ、ななし」
「えへへ、わたしここに落ちて良かったなあと思ったんです」
「そうかい。俺ァ大変なブツ拾ったもんだと日々後悔してるがね」
「も~政宗さんったら!!」
照れ隠しですかって背中を叩こうとしたら、振り向きざまにその手をつかまれ、今度は堂々の背負い投げをされました、ななしです(昨日よりも痛いんですけどォォォォ!!)
Far-off days.
過去話はこれで終わり。