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いつになくアホ面した私を、ドSコンビが見逃すはずがなかった。
「Heyななし! 風邪か?」
「ご冗談を政宗様。馬鹿は風邪を引きませぬ」
「そりゃそうだった。悪ィなななし」
「全然悪いとか思ってないでしょうがアンタら」
はふう、とため息をついて、私は改めて二人を眺めた。
うーん、やっぱ小十郎さんは有り得ないわ。
政宗さんはギリギリあり得るかもなあ。
・・・・・・なんて、ジロジロと私が見るものだから、政宗さんは次第に不機嫌へとなっていった。
この人は隠し事とか怪しい事が嫌いなのだ(夫婦の間に隠し事はなしっていうもんね!)
「さっきからなんだよアンタは。言いたいことあんならハッキリ言いやがれ」
「うーん・・・いや、言っても絶対言葉とか通じないと思うんですけど」
「安心しろ、んなもん四六時中だ」
爆弾発電をさらりと言いながら促す我が夫(酷い)
おうおうと泣き崩れる私を見て小十郎さんが「海驢だ」と呟く(更に酷い)
ていうかよくアシカ知ってるな小十郎さん!!
でもこのまま隠すわけにもいかず、私は口を開いた。
「いやね、このメンバーで高校とかアリかなって妄想してたんです」
「おい小十郎、茶」
「はっ、すぐに」
「だから言ったじゃないですかあああああああ!!!!」
聞かなかったことにしようとする政宗さんと小十郎さんは、私の嘆きを完全に無視する。
多分この理由は、「高校」がなんのことかわからないからじゃない。
私の妄想に付き合わされた腹立たしさだと思う。
政宗さんは刀の手入れを始めたし、小十郎さんは政宗さんのご要望におこたえするため部屋を出たし。
私ってば完全孤立ですよちくしょう。
しょうがないので、さっきの妄想を、今度は口に出してみた。
「政宗さんは高校三年生でー私の同級生でー婚約者。
小十郎さんは顔的にも年齢的にも高校生とか絶対無理だから、政宗さん家の居候でいいや。
それで毎日が波瀾万丈で、私がいろんなトラブルに巻き込まれるけど政宗さんが助けてくれるんだ。
・・・・・・三人だけじゃ物足りないな、誰か付けたそう。
あっいつきちゃんと真田さんと猿飛さんとアニキもいれよう、そうしよう!
いつきちゃんは高校生じゃなくて私の近所に住む小学生六年生で、方言がちょう可愛いの。
真田さんと猿飛さんは高校生でもOKだけど、真田さんは二年生くらいかなあ。
猿飛さんは三年生で、なぜか真田さんが年下なのにけっこうパシリさせられてる・・・うわあ可哀相。
アニキは留年タイプだな、それで三年生・・・うわっ三年生に知り合い多くなっちゃった、まあいいか」
「(今すぐ部屋を飛び出してェ・・・)」
政宗さんの心の絶叫は声に出されることなく、私は引き続きその高校を考えた。
メンバーはこれでよしとして、次は高校を決めよう。
自分の通っていた高校でもいいけど、それじゃあ妄想のしようがない。
「校訓はどうしよう・・・適当に考えればいいか・・・でもその適当が難しいんだよね。
言いやすくて三拍子っぽかったらいいな、・・・愛情・・・いや面白くない。
もっと面白くてインパクトのあるやつ・・・・・・・・・・・・あっこれでいいや!
なんか凄そうな高校に見えるよね、これだったら。
あっ小十郎さんちょうどよかった、私の部屋に行って紙と墨と筆とってきてください」
「何様だてめェ」
「自分でとってきます」
ちくしょう、せっかくノッていた気分が台無しじゃないか・・・!(それでもノリより命をとる私だ)
気持ちが冷めないうちに部屋へ走り、三点セットをひっつかむと急いで戻る。
そして校訓を紙いっぱいに書いて、フウ!と息をつく。
そんな私に、小十郎さんが呆れた口調で問う。
「おいななし、何やってんださっきから?」
「私たちの通う高校を考えてるんですよ。楽しみにしててください!」
「全然楽しみにできねーよ」
今まで独り言を聞いていたらしい政宗さんがうなった声で言うけど、今の私にはノーダメージ。
もう一枚の紙に、筆をおとす。
「校歌も決めなくちゃいけないよねー、だって学校だもの! 学校名はー、伊達高校・・・?」
「・・・・・・政宗様・・・」
「何も言うな小十郎」
「よーっし、決まり!!」
紙を掲げた私は、最初に書いた校訓と、二枚目に書いた校歌を、二人の前に置いた。
二人とも、無言でその紙に目を通す。
校訓
『追試・姑息・上等』
校歌
「風林火山」と言いなさい アバンギャルドなセーラー服
右手に闘志、左手に半券 誠より給食の信念を持ち
失笑だらけの文化祭 犯罪すれすれ服装チェック
フレーバー or スイート 燃え上がれ
フレーバー or スイート ななし高校
「校訓はアニキのイメージと、小十郎さんの性格と、政宗さんの口癖をいれてみました!
それからやっぱ創作者が高校名じゃないとってわけで、私の高校です、絶対楽しいですよこの高校っ!
小十郎さんは残念なことに高校生っていえない顔とお歳だから入れませんけど、まあドンマイ!
この高校で、私と政宗さんは幸せな学生ラブコメ生活をおくるわけです☆
・・・・・ってああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
校訓が小十郎さんの手により、校歌が政宗さんの手により、1ミクロンのサイズに分裂した。
そ、そんなに細かくちぎらなくてもいいのに!!!
「なんてことするんですくわああああああ!!! 私の汗と涙の結晶ををををををを!!!」
「ふざけんじゃねえ、妄想と変態の結晶だろうが!!」
「変態じゃないです、妄想と夢見る乙女の結晶です!」
「どちらにしろ、んなfilthyな結晶なんざいらねェよ」
うわああん酷いよ、私の妄想を返せ!!
そう思った私は後日、真田さんにこの愚痴を手紙で送りつけたものの、返事が、
「高校とはなんでござるか」
そ、そこからか・・・ッ!!