本編
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「ななし、客の前でそういう行動は慎め」
「へ・・・?」
よく見ると、政宗さんの後ろに、乗馬した誰かがいた。あらあらごめんなさい、政宗さんのオーラが大きくてその人が隠れちゃったみたい。・・・ときちんと謝ったのにまた殴られたのはどうしてだろうか(謎だ、謎!)
「クックック・・・」
「!? だっ誰ですか」
見ず知らずの人間に笑われるのはここに来て慣れたけど、今の笑いは明らかに馬鹿にしたものだ。ムカッときて回り込んでやると、初めて見る顔だった。ポカンとして、それからあることに気づく。
「あ。海の薫りがする」
「・・・へェ、鼻が効くのかアンタ」
「だから言ってんだろ、俺の居候は野生動物だ、ってな」
「本当みてーだな。よう野生動物」
「・・・・・・・・・政宗さん、酷くないですかそれ。せめて野性的なほ乳類にしてください」
「アンタの言いたいことはそれか」
眼帯と口調と性格(まだわかんないけど、だいたい) わたしはしばらく考えてから、「ああ!」と手をたたいた。
「もしかしてこの人、政宗さんの双子のアニキかなんかですか!?」
「は?!」
「・・・・・・・・・ななし、Please leave.(去れ)」
「だって眼帯してるし、口調も性格も似てるし! 政宗さんは陸で生活して、この人は海で生活って、やっぱ双子みたい・・・じゃ、ない、・・・みたいですねその表情だと」
「・・・ククッ、ハハハハッ!!! 本当に笑えるぜこの女ァ!」
政宗さんは頭痛がするのかその部分を手でさすっている。たいして目の前にいる男は大笑いすると、「よっ」と馬から降りた。そしてわたしの頭に大きな手をポンとおく。
「いいな、アンタ。海にいても退屈せずにすみそうな人間だ」
「いえ、わたし海は焼けるのであまり好きじゃありません」
「ハハ、そうかい」
「・・・なんか子ども扱いしてませんか」
「よく聞け嬢ちゃん」
「無視ですか」
「アンタの勘違いはある部分正解だ。俺は仲間から『アニキ』と呼ばれ、海をさすらう男だ」
「ああ、海賊なんですね! ひとつなぎの大秘宝を手に入れるつもりなんでしょ、ええと・・・伊達?じゃないんですよね」
「当たりめーだ。俺は長曾我部元親。わけあって、今こうして伊達の野郎に招かれてる」
・・・・・・ん?
にっこりと笑ったまま、わたしは再度名前を聞いた。
「ごめんなさい、名前がものすごく長くて・・・」
「長曾我部、元親だ」
「・・・・・・・・・」
ズズズ、と足が地面をすっていく。そして長曾我部さんと一定の距離を保ったあと、わたしは城に逃亡した。
「あァ?! 何してんだアイツ」
「野生動物は危険に敏感だ。・・・きっとまずいことでもしでかしたんじゃねーのかい?」
ななし、後でシメる。
政宗さんのうなるような声が何故か耳に届き、わたしはヒイと戦慄した。
ドロップキックは君のために
短くてすみません。