本編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
政宗さんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!! と絶叫して、城へ逃げ戻った。走りながら鬼に見つかりやしないか、そしてふところに隠した真珠が落ちないか、細心の注意を払った。今すぐ見つけて政宗さんに託そう、この宝。わたし持ってても絶対駄目だ。なんていうんだっけ、豚に真珠?(自分で言って傷ついた・・・)
「おいななし・・・」
この城でわたしの名前を呼ぶのは、夫とその側近しかいない。顔をあげるまでもなく、小十郎さんだとわかる。・・・・・・そして、怒ってることも、すぐにわかる。声が低い。低すぎる。「呼ぶ」というよりも「うなる」に近いその声の低さで、わたしのテンションはみるみる下がっていく(いや、元々あれから急降下だったけど) なんですか、と聞いたわたしの胸ぐらを、小十郎さんが勢いよくつかんで怒鳴った。
「狸を呼べェ!!」
「え?」
「今すぐに、あの狸を呼べっつってんだ!」
ああ、このことか。わたしはただいまローテンションなので、言動もなんだかつまらない。いつもの「えええ?!」という反応は一切無く、ポツリと呟いた。
「それ、意味ないです」
「あァ?! ・・・・・・なんだお前、熱でもあんのか? いつものうぜえ雰囲気はどこいった」
「(うぜえって・・・!)だからわたし、そのことでテンションが落ちちゃって」
「・・・知ってんのか」
「聞きました。鬼が来て真珠探してるんでしょう?」
「それなら、俺が言いてェこともわかるだろう」
「わかりますよ。だからわたしがお願いしようと思って」
小十郎さんに胸ぐらを離してもらうと、わたしは真珠を2つ取り出した。正体がわかって改めて見ると、うーん、やっぱビー玉より真珠に見えてくる。なくさなくてよかったなあ。ふと顔を伺うと、小十郎さんの細く切れた目が、珍しく開いていた。うん、仰天だよね。あれだけ頑張って探したものが小娘の手にありましたって・・・あれ? これもしかしてヤバくない? はっとしたわたしだけど、既に遅し。
「だったら早く言わねーかア!!!!」
「すッ、すすんませんでしたァァァァ!!!」
しょんぼりとしながら真珠を小十郎さんに渡す。でもこれでわたしは無事だ。安全が約束されたも同然!
「お前、これだけ持ってたのか?」
「いえ、タヌキちゃんが巾着袋持ってます。真珠はその中に入ってました」
「そうか。・・・その巾着も、一応 捜索しとくか」
「はい。・・・・・・それで、小十郎さん?」
「なんだ」
「政宗さんは?」
「城下町に」
「行ってきまーーーーーーす!!!」
小十郎さんが刀を振り回すのをすり抜けて(政宗愛だからこそのパワー!)わたしは再び城下町に降りることにした。別に面倒なんて思わない、政宗さんのためならえんやこら、だ! ああーなんて夫想いなんだろうわたし。日頃から罵声や暴力浴びせられても屈しないしむしろそれに負けないように「わたしぜんっぜん平気ですよ!」ってアピールしたら政宗さんがピタリとバイオレンスを一時期やめてくれたことあるし!!(・・・おかしくないよね?) 政宗さんに会ったらやっぱ抱きついてしがみついてしばらく離れないようにしようっと。にへらっと笑う顔を引きしめて、城を出ようとした。するとなんということでしょう! 政宗さんのほうからわたしに会いに来てくれたのだ。
「まっ政宗 ぶはっ!」
突進してきたわたしを横に避けて腕をつきだし、ラリアットという技を無意識のうちに繰り出す政宗さん。ああカッコイイ!
嵐の前の静けさ
ヒロイン変態・・・。