本編
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タヌキちゃん訪問から1週間経った頃、城下町に変な噂が流れてるみたい。政宗さんの部下が他の人と会話していた時にその部分を聞いただけだから、本当かどうかも、なんの噂なのかもわかんないけど。でも、面白そうだよねー。変な噂ってやっぱり幽霊? はたまたツチノコ? もしかしたらこの時代だけど学校の怪談みたいな妖怪がいたりして・・・と妄想がふくらむうちに、やっぱりわたしはそのまま部屋でゴロゴロしてるわけにもいかなくなった。
政宗さんと小十郎さんはここ最近、わたしにかまってくれない。なんでもあのこ(タヌキちゃんね)を捜索してるみたいで、まったく見つからずに2人とも不機嫌さMAX。そしてその時だけわたしに八つ当たりするというひどさもMAX(ほんとひどい!)
よし。暇だし気になるから、ななし、ちょっくらおりてきまーす。
いろいろな人に真偽を問うて、まんじゅうを食べて、噂の由来を聞いて、お茶を飲んで。結果判明しました。
「噂はほんとだ、何人か見てる。鬼が奥州に入り込んだんだとさ」
・・・鬼、ねえ。この場合は怪物・・・いや、妖怪の分類? まあどっちにしても、非現実的な話だ。だって鬼だもん。てっきりもっと前みたいに人間が奥州に逃げてきたのかと思っちゃった。予想としては期待してたものだけど、こう話されると笑ってしまう。
「くわばらくわばら・・・。頼むからそいつは、おらの村には来てほしくねえなあ」
「大丈夫ですっておじさん、鬼なんて存在しないんですからー。きっと発見者たちも幻覚ですよ。あ、でもうちの家豆まきしてないな・・・。帰ったら話してみよう」
「・・・おまえさん、まさか鬼ってえのは人間じゃねえと思ってんだろ」
「え? いや、人間じゃないでしょ。怪物でしょ、怪物。モンスター」
「何言ってんだ」
とたんに、おじさんは呆れたようにため息をついた。初対面の人にため息つかれるってどーよ。ムカッときたけど、それよりも気になることがあった。え、鬼って・・・
「人間・・・なんですか・・・?」
「あたりめえだ! こっから遠い四国を治める長曾我部元親っつう鬼が、この奥州に乗り込んできたって、さっきから言ってんだ」
「・・・・・・」
「しかもな、こいつあまだ噂同然なんだが・・・」
「え?」
おじさんが声をひそめだしたので、わたしは耳を寄せて聞いた。
「その鬼はな・・・。宝を取り返しに来たんだと」
「宝・・・。へえ、人間なのに鬼ってそういう意味なんですか?」
「いや、別に鬼といえば宝じゃねえから。なんでもものすげえ価値のある珠が2つ、奥州の浜辺に流れ着いたらしい。でもパッと無くなったみてえで、今 奥州が捜索してるっていう話だ。それから、その珠っつうのは本当は鬼のもんだから、その珠を取り返しにきたんだろう・・・って言うやつが結構いる」
「・・・・・・」
2つの珠。
浜辺に流れ着く。
タヌキちゃんの持ってた巾着袋の・・・薫り。
『この薫りは・・・海の・・・・・・?』
純白の珠。
・・・まさか、ビー玉じゃなくて、あれは、真珠・・・・・・
「ギャーーーーーーーー!!」
「うわああああああ!!!!」
豆まきってやっぱ重要!
節分関係あることにしてください・・・!