本編
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「何してんだななし、唇が鳥みてーなくちばしになってる」
「キスミーですっ!(キラキラ)」
直後、わたしは政宗さんに蹴られました。
「Pardon? 俺の耳は聞き違えたらしい」
「・・・・・・ね、寝込んでます(なんだその片足、明らかにもう一度やる気じゃないか!)」
「OK. 素直にそう言やいーんだ」
浮かべた片足を地につけると、政宗さんはわたしの枕元で立ったまま、呆れたように見下ろす。
「こりゃ変なモンだな、ナントカは風邪をひかねーとかいう言葉があった気がしたんだが」
「あ、それ知ってます。政宗さんのワイフはグエッ!」
政宗さんにガツンとやられて、わたしは頭の回転がのろくなった気がした。のろくなったついでに説明しておくと、わたしは熱を出し風邪を引いてしまった。というのも、この間 政宗さんといちゃついてた夢を見たあと小十郎さんの雪だるまを作り続け、その雪だるまが壊れるまで雪玉をぶつけ続けて、その日の半日を外で過ごしていたせい。つまり小十郎さんのせいなわけ(って言ったら政宗小十郎コンビに叩かれた) それで大人しく寝ていたら、珍しいことに政宗さんのほうからわたしの部屋を訪ねてきてくれたんだよイエーイ! これでいい夢見れる、といいますかもう今が夢? みたいな。
「ななしの部屋はいつもこうだな」
「えへ、いつでも旦那さまの相手になウソデスゴメンナサイ」
ここの時代(特に政宗さん)はジョークが通じないから困っちゃうなあ、まあ今のは半分本気だったんだけど! タンスと小さな机だけで化粧箱や火鉢がない、殺風景なわたしの部屋を政宗さんは やらしく見回す。まるで妻の浮気証拠を探す夫みたい・・・いやいや、わたしは浮気なんてしてないから!
「あそこにゃ何が入ってんだ?」
「政宗さんからもらったものを全部保管してあります。いつ現代に帰っても政宗さんの形見として肌身離さず、です!」
「へェ・・・・・・俺は死んでねーぞオイ」
そういや俺 何あげたっけ、と政宗さんがそのタンスに向かって歩き出した。そして一番上の引き出しを開けると、瞬間的な素早さでそれをしまった。あれ、どうしたんだろーって、
「ほぎゃああアアアア!!</big> ななななっなんですか政宗さんん!?!! わたし病人ですよ、病人!」
「これァどういうことだ?」
そのまま寝てたら本気でかかと落としをくらっていたに違いない、寒い空気に身を縮こまらせながらわたしは起きあがった。
返答によっちゃ斬り殺す、と妖しく笑う政宗さんの手にあるのは、彼が愛用しているキセル。
「ああ、それは・・・。政宗さんの部屋に遊びに行ったらいなかったんで、それを持っておけば取り返しに来てくれるかなあなんてかわゆいことを思ってみました。作戦ってやつですよ、あはは!」
「よし斬り殺すことに決定した」
「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛?!!」
でも政宗さんに斬られるなら本望かも、と一瞬思ってしまったわたしは末期でしょうか?
「ちなみにあとの下の段には政宗さんが前まで使っていた枕と、この間戦から帰った時に汗をふいていたタオル(てぬぐい)がしまってありますよ。見てもいいです」
「見る気持ちが俺にあると思うアンタがすげーよ」
風邪を引くバカもいる。
ヒロインはずっと居座り続けるつもりです。