本編
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おい。これァどういうことだ。
「・・・面目ない・・・」
「面目ないですべてが許されると思ってんのか、オイ」
「旦那・・・これは俺でもかばえないや」
猿飛がため息をつく。俺とそいつが仁王立ちして、それらを見上げている状態の真田幸村は、どうしようもねー役立たずだ。
女をかたっぱしから殺してきた男が甲斐から逃げてきた、という情報は誰がやった?
奥州でも女が連続で殺されているという報告と重ねたのは誰だ?
この俺が頼んであいつを見張るように言ったのに、こいつは本当に役立たずだ。
「小十郎、ななしはまだ帰ってこねーのか」
「只今 手分けして捜索中でございます」
今は黄昏。城下の人間が言うには、数刻前にあんみつ屋で狸といたらしい。ワーワーうるさいのが逆に目立ったのが、せめてもの幸いみてーだ。shit,と舌打ちをして、苛つく心を抑えることもできず、ひたすら畳の上を歩き続ける。
その時、大声から逃げるような足音が俺達のいる部屋に転がってきた。俺の仲間のような格好をしているが、無言で俺を睨みつけることからして、何かが違うことに気づく。まさか、
「お前は、・・・あん時の狸か!」
「は?」
「た、狸?」
甲斐の二人は首をひねるが、そいつは息を切らせたかと思うと、またあの時のように煙をあげて狸の格好に戻った。いきなりのことに二人は言葉をなくしているが、んなもん俺には知ったこっちゃねえ。
「お前、ななしと一緒にいたんだな」
すると狸が迷わず歩き出した。こいつァ根性ある動物だ、疲れてんのにまだ動くとは・・・。小十郎を呼ぶと、俺は猿飛と真田にここにいるよう指示をする。しかし、真田はすぐさま立ち上がると、ついていくと言い出した。
「今度こそ、それがしがななし殿を守る。政宗殿は、その男をしとめることに集中してもらいたい」
「Ha,さっきのアンタはどこにいったんだ。まあいいが、一つだけ言っておく」
剣を手にし、俺は真田を片目でとらえる。
「俺は男をしとめる。だが、ななしを守るのも、俺だ」
耳の穴かっぽじってよく聞きやがれ!!
甲斐から奥州に逃げてくることがあり得ないとかいうツッコミはなしでお願いします。