本編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・あの」
「!!! ・・・なんでござるか」
それがしは何もしておらぬ、とばかりにそっぽを向く真田さん。この人嘘つくの下手だな。わたしの部屋にやってきて、真田さんはずっとわたしを観察している。部屋監禁令が解けて、わたしが政宗さんに抱きつく時も、そして抱きついた後地面にはり倒された時も(あの時の同情の目、わたしは一生忘れないよ・・・)ずっっっっっといる。
「も~~キモいですよ真田さん! あなたストーカーですか? わたしには政宗さんっていうちゃんとした恋人がいるんですからそういうの迷惑なんです」
「きもい? すとーかー? ・・・よくわからんが、それがしは別にななし殿を狙っているわけではござらん」
「じゃあなんなんですかもう! さっきトイレ・・・厠にまでついてきたでしょ! スカピー!プレイがお好みなんですね可愛い顔して!」<fon color=gray>(ヒロインらしからぬ暴言のため雑音を入れました)</font>
「あ、あれは違う! ついてきたら気づいたら厠に・・・それがしちゃんと出たでござるよ! とにかくななし殿、落ち着「あっ武田さんがあっちで腹筋してる」
真田さんの後方を指さした直後、一陣の風が吹いたかと思えば、彼は消えていた。ワオ、素晴らしいね。政宗さんもいつか、小十郎さんに「後ろにななしが」って言ってすぐに飛んできてくれたらいいのに。そしてわたしはちゃんと後ろにくっついてるから(=ストーカー)抱きしめあってそれから・・・・・・うん?
ガサガサ、と目の前に立っている木の葉が揺れた。かと思えば、ピョンと飛び降りるものが・・・あっ、
「タヌキちゃんん!!」
目が輝く。タヌキちゃんはわたしをちゃんと覚えていてくれて、わたしにタタッと駆け寄ってきてくれた(嬉しいんですけど!) えへへ、これで政宗さんに化けてくれたらもう言うことないんだけどなあ。まっ、このままでも可愛いからいいか。今の時間帯は、現代でいうおやつの時間。お金はこの間小十郎さんからもらったから(必死にお願いしたらもらえた、ラッキー!)これで何か買って、タヌキちゃんにもわけてあげよう。
タヌキちゃんを抱えると、わたしは上機嫌に走り出した。向かうは城下町でも有名な、あんみつ屋!
「・・・・・・ごめん、タヌキちゃんやっぱ走って」
おかしいな、この間はこんなに重くなかったのに。
わたしは、タヌキが冬に近づくとたくさん食べることも、そのことで50%も体重が増えることも知らなかったため、タヌキちゃんを降ろして歩くことにしたのだった。
「タヌキちゃんは何が好きなのかな~」
あんみつ屋に着くと、美味しそうなものばかり。でも、ほとんどが団子でタヌキが食べることができるようなものじゃない。のどにつまらせたら大変だし・・・。とりあえず団子を選んでから、店員さんに聞いてみた。
「すみません、タヌキが食べれるものってありますか?」
「狸ねえ・・・。ああ、狸は柿食べるから」
秋が終わっても、干した柿はまだ残っていたみたいで、わたしはそれをもらうことができた。椅子に座ると、ひざの上にタヌキちゃんを乗せて、干し柿を口の前にちらつかせる。それを取って、タヌキちゃんはモグモグと食べる。その光景は見事に、わたしの欲求不満を解消してくれた。今政宗さんに変化してくれたら最高なんだけどなあ・・・!
タヌキちゃんと一緒におやつを食べて、わたしはタヌキちゃんと一緒に城へ帰ることにした。途中でタヌキちゃんが去ったらそのままわたし一人で帰るけど、もしかしたら一緒に寝ることができるかもしれない。フッカフカで、そして今度こそ政宗さんに変化してもらって・・・!(いかん、頬がゆるむ!!)
「ああ~、もう早く政宗さんの胸に飛び込みたいなあ!」
道を歩いていき、いつしかタヌキちゃんのことも考えなくなり、頭の中には政宗さんがいっぱいになっていく。そのため、わたしは背後からの足音にまったく気づくことがなかった。
そして野太い声が急に上がり、驚いて振り返るのと、タヌキちゃんの甲高い声があがるのと、頭に痛みが走ったのと、それから、
「・・・・・・・・・う」
目の前が真っ暗になったのが、同時に起こった。
お腹は満腹、背後はがら空き
タヌキちゃんが意外に人気あって嬉しいです。