本編
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そこへ近付けば近付くほど、聞こえてくる騒音と雄叫び。でもその雄叫びは一種類しかない。真田さんしかない。しかも雄叫びって「ウオオオ」とか「ドリャア」とかならわかるけど、「ウオヤカタサムワァァァ」はナシだと思う。ないない、絶対ない。まるで武田さんを相手にしてるみたい。ていうか朝からうるさいなあ・・・。でもわたしがそう言うと、「お前に言われたくねーよ」と小十郎さんに冷たく返されてしまった(ガーン!)
「わ、わたしは朝はちゃんと静かですよ! ちゃんと政宗さんのことを考えて静かにアプローチしてるんです」
「その仕方でお前が絶叫するからいけねーんだろうが・・・!」
「やれやれ、独眼竜も大変だねぇ。俺様この子に惚れられなくて良かったよ」
「(ムカッ)誰が猿飛さんに惚れるんですか、誰が! 猿飛さんを好きになるのはメス猿くらいですよハハン」
「ねえ、アンタって俺様に対して超冷たくない?」
え、そうかなあ。あ、きっと第一印象が最悪だったからですよ、と結論を出すと、猿飛さんは口元を引きつらせ、「あ、そう」とだけ返した。あれ、なんか落ち込んでる? わたしなんか言ったかな(メス猿かな、ハハンって鼻で笑ったからかな)
「大丈夫ですよ、猿飛さんは猿に人気そうですもん。小猿とかメス猿とか!」
「お嬢ちゃん、下手な励ましと勝手な予言はやめてくれ。全然嬉しくないからさ」
「おいおめーら、着いたぞ」
小十郎さんに続いて、道場を通り過ぎ大庭に出た。そしてその中央で、真田さんと政宗さんは、腕一本の太さがある 大きな木の枝(無理矢理折ったんだ、だって切断部分がギザギザだもん)をお互い振り回していた。真田さんは二刀流、政宗さんは一刀流で、二人の立つ下には木の皮がパラパラと散っていた。冬で凄く寒いというのに、二人は暑そうに汗をかいていた。格好いいな、政宗さん!! と、真田さん。
「政宗さァァァァん!」
えへへ、政宗さんに一番に駆けつけるのはわたしよ!! と走り出したけど、それより先に猿飛さんがわたしの頭を踏んづけて飛んでいった。
「いったぁぁ! 何するんですか猿飛さんん!」
「お嬢ちゃんが悪いんだよ、俺様怒らせっから」
「はああ?! 意味不明です、ていうか大人げないです猿飛さん」
「そうだぞ佐助! 何があったかはしらぬが、ななし殿の・・・おなごの頭を踏むとは!」
「最強弁護士軍団に訴えますよ猿飛さん!!」
「(超無視)で、旦那は何の用?」
ハッとすると、真田さんは「おお、そうだ」と思い出したように言った。そして二人が何やら会話しているうちに、わたしはススス・・・と政宗さんの隣に見事落ち着く。汗がまぶしいです、政宗さん・・・格好いい!
「政宗さん、お疲れ様です! 一緒に湯浴びますか?」
「アンタは水ん中に突っ込んどきな。小十郎、俺と真田幸村の着替え用意しとけ」
「御意」
「あとななしを部屋に閉じ込めろ」
「御意」
「えっいや最後は普通疑問にもつとこ・・・うわっ、小十郎さん待ってェェェ!」
小十郎さんはわたしの首ねっこをつかむと、ズルズルと引きずっていった。こういうのを問答無用っていうんだね、うん。わたしは政宗さんにブンブンと手を振りながら、姿が見えなくなるまで「エルオーブイイー政宗ェェ!」と叫び続けた。まったく、わたしってば愛情をそそぐにも程があるわ。なんて一途な女!!
「そういうてめーの行動がうるせーんだ!!」
「ぐぎゃ!!」
小十郎さんにボカンと頭をたたかれ、今度は大泣きするわたしでした。ねえ絶対この人わたし嫌ってるよね。容赦ないもん、何事にも!! 酷いですよ小十郎さん、そんなに政宗さんが大好きなんですね、でも負けませんと言うと、なんの話だともう一発もらってしまった(ギャア!)
「猿飛さんも小十郎さんも、なんでそんなにサディスティックなんですかもおお!! わたしは政宗さん以外にいじめられるのはヤーなんです!」
「・・・・・・(こういうのなんていうんだっけか、政宗様に教えてもらった異国語で・・・)ああ、お前・・・・・・マゾ、だな」
「政宗さん専用ですけどね、えへ」
「・・・・・・・・・(こいつうぜえ)」
「いだだだだだあだだだだだァァァ!!! 小十郎さんあんまり上に引っ張ると、わたし首しまりますから! ていうか現在進行形で・・・しめ・・・むッ」
・・・小十郎さんは、政宗さん以上にサディストだという結論、です(ちーん) ていうか、なんだろう。わたしが部屋にいないといけない理由って。猿飛さんたちは、近況報告って言ってたのになあ。うーん、なんだか匂うぞ。
波乱の予感、ていうかほぼ確定
こんな展開もアリかと思いまして。