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走る。
走る。
「うぐぐ…寒い…学校行くのめんどー…」
「ななし殿! おはようでござる!」
「うわっ! お、おはようございますー真田さん、朝から暑苦しいくらいに元気ですねえ」
「うむ!」
「(あ、駄目だ皮肉が通じない)良いことあったんですか?」
「! そっそうでござるな…!」
「なんでそこで顔を赤らめるんですか、そこで。…あれ、そういえば今日朝練ないんですね」
「部員は電車利用が多いのだが、この雪の影響で電車が止まってしまったそうでござる。それで朝練は中止にと、佐助が」
「ああ、なるほどー。あれっそういえば猿飛さんは? 寝坊ですか、ざまあみぞ知るセカイ」
「佐助はいつも通り早く登校していったでござるよ」
「うげっマジですか!? この寒い中、鉄筋コンクリート製の冷えた学校に行って何がしたいのやら…」
「きっと毎朝を同じように過ごしたいのでござろう」
「さすが真田さん、猿飛さんのフォローに回るのが上手いですね」
「いやいや、そのような事は…! そ…そういえばななし殿、政宗殿は…?」
「ああ、あのコンビニですけど、いつもあそこで待ってるんです」
いつも。
いつも。
「そうでござるか」
「でも、今日は三人で登校ですね! 凄く久々じゃありません?」
「そうでござるな」
「多分政宗さんはまだ来てないと思うんです。なのでコンビニの裏に林があるので、そこに隠れて驚かしてやりましょ」
「それは名案でござる」
林。
林。
「着いたところで…。さあさ、こっちですよ、真田さん」
「……わかったでござる」
「ここでいいかな。ギリギリ見つからないぐらいの距離です」
「うむ」
「……」
「………」
「…………」
「………ちょ…あの…」
「…どうかしたでござるか、ななし殿」
「したっていうか、するっていうか、な、なんで隣じゃなくて後ろにつくんですか…?! しかもなんか近い、近すぎる!」
「近くなければ一緒になれないでござる」
「はあ?!」
「一緒になりたいでござる」
「? そんなゴザルゴザル言われても…ていうか『一緒』に距離は関係な」
「後ろについたのは、狙いをより定めやすくする為」
「……え? なんの」
こちらを振り向くななし殿の顔がとても可愛い。
「ななし殿、愛している。だから、」
その瞳をのぞき込むと、ちょうど自分が握るナイフが映っていた。
「つかまえた、でござる」
温かい。
温かい。
「もう、ななし殿は、それがしの、ものでござるよ」
雪が赤く染まる。
雪が赤く染まる。
「離すものか……渡すものか」
囁く。
囁く。
「…ななし殿?」
返事がない。
返事がない。
「ああ…………………………、良かった」
どうやら先に「あちら」へ向かったようだ。
頭を垂れているななし殿の心臓から、どくどくと流れる温かい血を、その傷ごと抱きしめる。
ぬるぬるとした感触が気持ちいい。
しかしそれに酔いしれている時間は、自分にはない。
結局ナイフはななし殿だけを通し、己に刺さることはなかった。
彼女の体からそれを抜くと、すでに開いている傷穴にナイフを一度通してから、そのまままっすぐ空へ高く上げる。
これで、一緒に。
このナイフが、つなげてくれるのだ。
ななし殿と己の体を。
嬉しさのあまり、笑みがこぼれる。
「それがしも、いま逝くでござるよ」
白い空で、君の笑顔が広がっていた。
出口はここだよ</b>
次の行き先は 僕らだけの世界へ。
表面上は普通でも精神が既に崩壊していた真田さんと心中。