番外・現パロなど様々
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【胸糞END注意】
昔々、ある森に、伊達政宗という男がいました。
彼は猟師で、普段は一人森の奥にある小屋に住んでいましたが、人望は厚く、街に行けば多くの友人に声をかけられていました。
そしてとある冬の夜。
遠い遠い村から、たった一人で、少女がその小屋を訪れました。
「もしもし、ここはどこでしょうか?!」
「Ah?」
それが、伊達政宗と、少女の出会いでした。
「ここがどこだって? 森に決まってンだろう」
「いや、それはわかってますから! なんか道に迷っちゃったみたいで…」
「…どこから来た?」
少女が答えた場所は、伊達政宗の全く知らない、聞いた所もない村でした。
そう正直に返答すると、少女からさっきまでの勢いは消え、心細そうに俯かれました。
「どうやって来たんだ? アンタ」
「…わかりません…。昨日も布団で寝てたんですけど、さっき起きたらこの森の切り株の上で寝そべってて…切り株って意外と寝心地いいので、しばらくぼうっとしてたら、あれっここどこだ?と気づきまして」
「…………」
少女の脳天気ぶりに呆れましたが、それでも彼女が可哀相な立場だとわかった伊達政宗は、ややあってため息をつきました。
「手がかりが見つかったら、すぐに出て行ける準備はしときな」
「? え…?」
「それより腹すかねェか。何が食いたい?」
「…あ、えっ、えっと…!」
遠回しすぎる不器用な優しさと、クールな笑みに、少女は恋に落ちました。
また、日をおうごとに、伊達政宗もこの少女の素直さと明るさに、心を許すようになったのです。
そして。
気づけば、少女の名前も知り、気の置けない仲となり、また、彼女と出会って一年が過ぎていました。
「ななし」
「なんでしょう、ダーリン!」
うふ、と目をキラキラさせるその姿を、伊達政宗は慣れたように無視をしました。
「熊とってきた。火ィつけてくれ」
「チッ作戦しっぱ…あ、いやなんでもないです! 喜んでェェ!!」
ギロンと睨まれた少女・ななしは冷や汗をかきながら竈に走っていきます。
その後ろ姿を見ながら、伊達政宗はフッと笑いました。
そんな平穏がしばらく続いた、ある日のこと。
「おーい、政宗ぇ!」
一人で街を歩いていた伊達政宗を、友人がつかまえました。振り向く伊達政宗に向かって、友人の肩に乗っている小猿が、キィと鳴きます。
「アンタか。何の用だ?」
「つれねーなぁ。久々に会ったと思ったら、そんな大荷物で…まさかまた森に閉じこもる気か?」
「閉じこもるも何も、俺は元々森育ちだ。普段と変わらねーだろ」
実際、ななしと出会ってからの彼は、以前に比べ街へ出ることが極端に少なくなりました。
目的は調味料や最低限の生活用品のみでした。
今の伊達政宗には物を購入した後の街に、何も用はなかったのです。
しかし友人からすると、なぜ素っ気なくなったのか、理由はわかりませんでした。気のせいか目の前にいる人物が、落ち着きがないように見えます。
もしかして……と、友人は、何気なく尋ねました。
「何かあったのか?」
伊達政宗の肩が少し跳ねました。
「!!!?」
瞬間、友人の全身を鋭い殺気が突き刺しました。
まるで刀が多方面から一斉に向かってきているような、危険信号が脳いっぱいに伝わった気分でした。
そこでゆっくりと、眼帯の男は答えました。
「ない」
それから念を押す様に、もう一度呟きました。
「何もない」
小猿が自らの束ねた髪にしがみつき、ぶるぶると震えるのを見て、友人は素早く「そうか、ならいいんだ」と引き下がることにしました。
「…で、なんの用だ?」
すると威圧感もピリピリとした空気も消え、いつもの伊達政宗に戻っていました。
友人は早速話そうと口を開きましたが、伊達政宗が変化していることに躊躇し、この場は黙って見送ることにしました。
「また今度話すよ。急いでるみたいだしな」
「Sorry.」
話のおあずけをくらっても全く気にしない伊達政宗は、むしろ切り上げた友人に笑み、足早に街を出て行きました。
その背中を黙ってみていた友人の頬を、小猿がペチンと叩きました。
「ああ、…ごめんな、夢吉。怖い思いさせちまって。本当なら、この紙見てもらうだけで終わったのになあ」
手に握っていた、用紙をもう一度広げます。
そこには、『娘を捜しています』という大きな文字と共に、一人の少女が写真で載っていました。
「一晩で村から消えちまったなんて…凄い話だよな。まさかここまで来てるとは思わないけど、困ってる人を放っておけるわけもないし」
「キー!」
元気よく鳴く小猿に、友人は力強く頷きました。
「だよな。情報を集める為にも、行動あるのみっ!!」
「だてーまさーむねさんの服は、とっても~いいにお~い」
鬼の下着の替え歌を口ずさむななしは、今 小屋に一人きりでした。
伊達政宗は朝ご飯の食料を調達しに行っています。
洗濯をしながら、ななしは昨日のことを思い返しました。
「昨日、政宗さんの機嫌悪かったなあ…。街で何かあったのかな?」
アンタは絶対に街へ出るな。
そう釘をさされて一年経過。
いまだに、この約束を彼女は守っていました。
ななしにとっては伊達政宗が全てであり、同時に絶対の存在だったのです。
「おーい」
「!!」
しかしそれらは、先程の友人とななしの出会いにより、消えてしまうこととなりました。
「おはよ政宗ー! ………って」
小猿を頭に乗せた友人は、小屋に明かりがついていたのは伊達政宗がいるからだと思っていました。鍵のついていない小屋に入ることはとても簡単で、にこやかに手をあげてお邪魔をします。
ところが友人を待っていたのは、お目当ての男ではなく、
「あ、あわばばば…!!?」
真っ青な顔でテーブルの後ろに回る、少女でした。
一瞬、入る家を間違えたかと友人は驚きましたが、部屋の内装といい外の景色といい、伊達政宗の小屋に相違ありません。
そして一つの結論にたどり着きました。
「あんた……強盗か?」
「ちっがいます!! こんな幼気ない少女つかまえて強盗って!? 貴方こそ誰ですかっ?!」
「俺は前田慶次、政宗の仲間だ。さ、あんたは誰だい? 政宗はどこに行ったんだ?」
「わたしはですね…!」
そこでななしも、名乗った前田慶次も、同時にハッとしました。
「(いいのかな、勝手に話しちゃって…)」
「(この顔…どっかで見たことある…)」
それぞれがそれぞれの考えでいっぱいになった為、部屋の中は無言に包まれました。
ななしは、伊達政宗のいないこの場が不安でした。この一年、伊達政宗以外の人と話す機会がなかった為、第三者の出現に混乱していたのです。勿論それは、伊達政宗が小屋に訪れることを友人達に禁止していたからでした。
一方 その友人達の一人である前田慶次は、なぜ急に伊達政宗が小屋に入ることを嫌がったのか、街に居る時間が短くなったのか、この少女を見てなんとなく察知することができました。好きな人がいれば、誰よりも優先して、誰よりも長く一緒にいたい…それは自分自身が一番よくわかっている心情でした。
あの政宗が恋ねえ、と思わずにやりとした時、ななしの顔とあの、写真の少女が重なって見えました。
そこでようやく、思いだしたのです。
目の前の少女は、あの捜索ポスターに載っていたななし自身だと。
「…そっそうだ!! あんた、あんただったんだ!!!」
「は、はあ? あんたあんたって…わたしにだって名前の一つや二つあるんですよ」
「いや、名前は一つしかないだろ。ななし」
「え! なぜそれを…?!」
「ちょっと待ってな」
仰天するななしを尻目に、前田慶次はポケットをゴソゴソしながら例の紙を探しました。
探すことに、夢中になっていたのです。
「あ、政宗さん」
「え?」
瞬間、待っていたのは衝撃と、暗闇でした。
「ま、まさ、むね、さん…?!」
ななしは何がなんだかわからず、説明を乞うために伊達政宗を見上げました。
なんの躊躇もなかったようでした。
自分の友人を、背後に立った伊達政宗が銃で殴りつけたのです。
「…………」
小猿がキィキィとわめくと、伊達政宗は黙って掴み上げました。
そして前髪で少し隠れた目を、愛しい少女に向けます。
「ななし。何を話してたんだ?」
「え………ッ」
直後、恐ろしい程のプレッシャーが、ななしにのしかかります。
「な、何を……って…」
どうして躊躇してしまうのか、自分でもわかりません。
いつもの自分ならば、伊達政宗に嘘をつくことなんて全く考えないのです。
そう、いつもの伊達政宗に、ならば。
「答えろ」
人を襲った伊達政宗の顔は恐ろしく、ななしは小指の関節さえ動かすことが怖くなるほどでした。ただ男の目に吸い込まれそうになるのをかろうじて耐え、
「自己紹介、だけです」
それだけの言葉を吐き出しました。
前田慶次に名前を当てられたことを、なぜか伏せてしまったのです。
「それだけか?」
なおも尋ねられ、もう声を出す気力がなくなったななしは、黙って首をこくりとおろしました。
「………」
「………」
その姿を睨みつけるように見ていた伊達政宗は、やがて「そうか」とまぶたを閉じました。
あ・・・
「こいつが何を言ったかは想像にかたくねえが、俺はこんな男は知らねェ。大方 強盗か何かだろう」
「…………」
笑顔で部屋に入ってきた彼は言ったはずでした。
伊達政宗の、仲間だと。
「…え…でも…」
その男の体を、氷のような冷たい目で見下ろす伊達政宗に、ななしは戸惑うしかありませんでした。
「こいつは街のお巡りに突き出してくる。俺が帰ってくるまで誰も小屋に入れるな。Did you understand?」
「は、はい」
慌てて頷くななしに、伊達政宗はいつものように少し笑いかけます。
ああ、いつもの彼だ…………と少女も嬉しくなり、ぎこちないながらも笑みを浮かべました。
それでも、一度気になったことをそのままにしておくことは、ななしには無理でした。
彼の機嫌が悪くなったのは街から帰った後。
自分の名前を当てた、前田慶次と名乗る男が住んでいるのは、その街。
「……怒られちゃうかなあ…やっぱ」
好きな人との約束を破ってまで、確認しに行くことなのか。
色々な謎をそのままにしておいて、今の生活を平穏に過ごすべきなのか。
深夜、そんな好奇心と約束を天秤にかけ、しばらくベッドの中で悩みに悩み、ななしはついに決心しました。
「(…大丈夫、大丈夫。聞き込みするだけだし)」
伊達政宗がいつものように仕事へ出かける間に、少しだけ、街に出ることにしたのです。
翌朝、平常心を装って伊達政宗を送り出したななしは、急いで森を抜けました。
初めて街に向かいますが、一本道の為、迷うことはありませんでした。
「わー…! ここが、街かあ…!」
自分の村とは大違いの、にぎやかさ、そして人の多さ。
店も端から端まで広がっており、思わず当初の目的を忘れそうになります。
しばらく街を歩いていたななしでしたが、街の掲示板というものを見つけ、なんとなくそこに近づきました。そこにはいろいろな掲示物がありましたが、一つ、奇妙な張り紙がありました。
「……『娘を、探しています』?」
一番上部にそうありましたが、それから下は悪戯なのか、破られています。
「おや?」
その紙をぼんやり眺めていたななしを見つけたのは、ひげをたくわえた男の人でした。この掲示板を整理する担当のようで、その手にはいくつかの掲示物が握られています。
男の人はここまで来る途中 今から貼る紙を見ていましたが、その中に捜索のポスターがあったことを思い出しました。
昨日、先に貼っていたものが破られていると報告があり、新しく印刷し直したのです。
それを手元でもう一度見ると、なんとそのそっくりな少女が掲示物の前にいるではありませんか。
早速男の人は、ななしに声をかけました。確認したらすぐ保護し、村へ連絡してあげよう……そう思いながら。
「やあ、お嬢さん」
「あ、こ、こんにちはー」
知らない大人に声をかけられたななしは、わかりやすいほどに動揺していました。
そこで自己紹介からはじめると、徐々に警戒心がとけていくのがわかりました。
「すまない、怖がらせてしまったかな。安心してくれ、私はこの掲示板の責任者だよ。熱心に君がこれらを見ていたからね。何か捜し物かい?」
「うーん、捜し物ではないんですけど…」
言葉を濁し、どう伝えるべきか迷う少女を、男の人は微笑んで見守っています。
その時、少女の遥か後ろ…………森の方面から、何かチカッと光るものが見えました。
なんだ?
ついそちらに目を向けた瞬間。
あ・・・
目の前で激しい音がしました。
同時に体が大きく揺れ、バランスを失います。
地震が起きたのか?
そう思いとっさに足へ力を入れますが、全く意味がなく、崩れ落ちます。
そのまま背中から、地面に倒れました。
「(なんだ? 一体何が起きてる…)」
痛みは感じません。
ただただ、急激な眠りに蝕まれていきます。
「おじさん?」
少女が自分を見、目をますます丸くします。
直後、少女の顔から血の気が失せていきました。
「あ……ああ…あ…」
歯をガチガチ鳴らし両手で頬をぶるぶる抑える少女を安心させようと、手をのばします。
のばした、はずでした。
その手は途中で方向を失い、重力に従い、下へと………地面へと、落ちました。
「きゃああああっ!!」
「いやああああああああああ!」
「なんだ?!」
「今の銃声だったわ!」
「誰か倒れてる!」
「掲示板の責任者の方だ」
「あの子が、掲示板の責任者を?!」
「えっ! ちっ、ちがう…違う、わたしは…!!」
徐々に人だかりがふえていき、中にはななしを捕まえようとしているのか近づく男たちがいます。
「あ、あれ……あの顔…」
「!!!」
また、だ。
わたしが知らない人がわたしを知っている。
ますます怖くなったななしは無我夢中で街を飛び出し、森へと飛んで帰りました。
その道のりで、ななしが振り向くことは一切ありませんでした。
あの時目の前で脳を撃たれた男の人が、追いかけている気がしたのです。
「まっまさむねさん!!」
たどり着いた小屋には、誰もいませんでした。
それが非常に心細く、恐ろしく、必要とする人間がいないこの状況に苛立ち、たった今まで何があったのかわからず混乱したままのななしは、その目から涙をぼろぼろとこぼします。
「…ななし?」
「!!」
待っていた、人が帰ってきました。
床にへたり込むななしを見て、驚いています。
ななしは「昨日の伊達政宗」を瞬間的に忘れ、無心で抱きつきました。
「政宗さん、政宗さぁんっ…う、うぇええええっ!!」
「何が……いや、…まずは落ち着け。ミルクでいいか?」
気が動転しているななしを気遣った伊達政宗は、事情よりも心のケアを優先しました。泣き続けるななしの前に温かいミルクの入ったカップを置くと、猟銃を壁にたてかけます。
ななしがぐすぐす鼻をならしながらミルクを飲み干したところで、伊達政宗は尋ねました。
「知らない奴が小屋に入ってきたのか?」
「……違う、です…わた、…わたし…あの…わた、し…」
そういえば、黙って街に出たんだった…と気がついたななしは、再び泣きじゃくりながら頭を下げました。
「ごめん、なさい……! 政宗さんの、約束、やぶって……!」
ななしの言わんとしていることが、相手にはすぐわかりました。
「…街に、行ったんだな」
ああ、きっと怒られる。嫌われる。
街での出来事も、全て自分の招いた結果だ。
後悔と絶望に打ちのめされるななしを、しかし伊達政宗はクッと笑いました。
「……?!」
その笑いに、ななしは耳を疑います。
どうして彼は笑ったの、と。
伊達政宗は瞠目するななしの顔を面白そうに笑いながら、
「ななしの性格上、街に一生行かないわけがねェだろう」
「ま、政宗さん…」
予想外の反応に、ななしはきょとんとしました。
いつの間にか涙が止まっていることにすら気づきません。
ただ、伊達政宗の顔を穴が開くほど見つめました。
「オイオイ、アンタは俺が約束破っただけで怒鳴りつける男だと思ってたのか」
「そっそんなこと思ってません! でも政宗さんとの約束は本当に破る気がなかったんです! 本当ですっ!!」
「All right、わかったから熱くなるな」
椅子から立ち上がるななしを片手で制し、伊達政宗は言いました。
「それで、街で何があった?」
「あ……」
その瞬間、ななしの気分が沈んでいくのがわかりました。
伊達政宗は急かすことはせず、彼女の口が開くのを待ちました。
そうして語られた一部始終を聞くと、眉をひそめて舌打ちをしたのです。
「街のド真ん中で銃殺か…。物騒になりやがったな」
「…でもわたし、全然状況がわからなくて…。わたしじゃないんです、撃ったの。…むしろ突然おじさんの脳から血が出て、倒れて、すごく怖く…て」
「そりゃわかる。アンタに銃を撃てるだけの技量はねェ」
しかし周りの人々は、至近距離にいたななしを怪しいと思いました。
また、ななしも弁解することはなく黙って逃げてしまいました。
そのことで、街の人たちはいよいよななしに疑いをかけることとなってしまったのです。
「もう、ここにもいられません。みんな、わたしが森の中に入っていくのを見たはずですから…」
悲しそうにうつむくななしを、伊達政宗はそっと抱きしめました。
「安心しな。アンタはここにいていいんだ」
「政宗さん…。でも」
「俺が明日 街に行って、先手をうっておく」
「先手…?」
「女は森を通過して向こうの山へ逃げた、ってな。そうすりゃ誰も森を捜索はしねェ」
それは真実でした。
他ならぬ伊達政宗が言うのだから、と街の人々は信じて、山の方へ目がいってしまうのです。
それほどまでに、伊達政宗の人望は厚いのでした。
「だが、アンタにゃ悪ィが、街に行くのは今後禁止だ」
「行きません。もう、絶対に」
腕の中で強く言い切るななしに、安心したように男は呟きます。
「良い子だ」
聞きとがめた少女が、ふてくされたような声を出しました。
「子って……わたし、子供じゃありません」
「へェ」
ニヤリと笑った伊達政宗は、素早くななしの足をすくいあげるとお姫様抱っこをしました。
突然の行動に仰天するななしに、なんでもないかのように言いました。
「子供じゃねェなら、わかるだろう?」
翌日。
「…こいつァひでぇ」
「これもあの娘の仕業なのか…?!」
伊達政宗の言葉を信じた男達が山中で見つけたもの。
それは身体中に穴をあけられた、一人の男と、小猿の死体。
体を貫通し地面に突き刺さっていた数々の弾が、あの掲示板責任者を銃殺した弾と、全く同じものでした。
君はとてもかわいい
何も知らないまま、俺とずっと一緒だ。
王子の皮を被った殺人者と監禁エンドに気づかないお姫様。
昔々、ある森に、伊達政宗という男がいました。
彼は猟師で、普段は一人森の奥にある小屋に住んでいましたが、人望は厚く、街に行けば多くの友人に声をかけられていました。
そしてとある冬の夜。
遠い遠い村から、たった一人で、少女がその小屋を訪れました。
「もしもし、ここはどこでしょうか?!」
「Ah?」
それが、伊達政宗と、少女の出会いでした。
「ここがどこだって? 森に決まってンだろう」
「いや、それはわかってますから! なんか道に迷っちゃったみたいで…」
「…どこから来た?」
少女が答えた場所は、伊達政宗の全く知らない、聞いた所もない村でした。
そう正直に返答すると、少女からさっきまでの勢いは消え、心細そうに俯かれました。
「どうやって来たんだ? アンタ」
「…わかりません…。昨日も布団で寝てたんですけど、さっき起きたらこの森の切り株の上で寝そべってて…切り株って意外と寝心地いいので、しばらくぼうっとしてたら、あれっここどこだ?と気づきまして」
「…………」
少女の脳天気ぶりに呆れましたが、それでも彼女が可哀相な立場だとわかった伊達政宗は、ややあってため息をつきました。
「手がかりが見つかったら、すぐに出て行ける準備はしときな」
「? え…?」
「それより腹すかねェか。何が食いたい?」
「…あ、えっ、えっと…!」
遠回しすぎる不器用な優しさと、クールな笑みに、少女は恋に落ちました。
また、日をおうごとに、伊達政宗もこの少女の素直さと明るさに、心を許すようになったのです。
そして。
気づけば、少女の名前も知り、気の置けない仲となり、また、彼女と出会って一年が過ぎていました。
「ななし」
「なんでしょう、ダーリン!」
うふ、と目をキラキラさせるその姿を、伊達政宗は慣れたように無視をしました。
「熊とってきた。火ィつけてくれ」
「チッ作戦しっぱ…あ、いやなんでもないです! 喜んでェェ!!」
ギロンと睨まれた少女・ななしは冷や汗をかきながら竈に走っていきます。
その後ろ姿を見ながら、伊達政宗はフッと笑いました。
そんな平穏がしばらく続いた、ある日のこと。
「おーい、政宗ぇ!」
一人で街を歩いていた伊達政宗を、友人がつかまえました。振り向く伊達政宗に向かって、友人の肩に乗っている小猿が、キィと鳴きます。
「アンタか。何の用だ?」
「つれねーなぁ。久々に会ったと思ったら、そんな大荷物で…まさかまた森に閉じこもる気か?」
「閉じこもるも何も、俺は元々森育ちだ。普段と変わらねーだろ」
実際、ななしと出会ってからの彼は、以前に比べ街へ出ることが極端に少なくなりました。
目的は調味料や最低限の生活用品のみでした。
今の伊達政宗には物を購入した後の街に、何も用はなかったのです。
しかし友人からすると、なぜ素っ気なくなったのか、理由はわかりませんでした。気のせいか目の前にいる人物が、落ち着きがないように見えます。
もしかして……と、友人は、何気なく尋ねました。
「何かあったのか?」
伊達政宗の肩が少し跳ねました。
「!!!?」
瞬間、友人の全身を鋭い殺気が突き刺しました。
まるで刀が多方面から一斉に向かってきているような、危険信号が脳いっぱいに伝わった気分でした。
そこでゆっくりと、眼帯の男は答えました。
「ない」
それから念を押す様に、もう一度呟きました。
「何もない」
小猿が自らの束ねた髪にしがみつき、ぶるぶると震えるのを見て、友人は素早く「そうか、ならいいんだ」と引き下がることにしました。
「…で、なんの用だ?」
すると威圧感もピリピリとした空気も消え、いつもの伊達政宗に戻っていました。
友人は早速話そうと口を開きましたが、伊達政宗が変化していることに躊躇し、この場は黙って見送ることにしました。
「また今度話すよ。急いでるみたいだしな」
「Sorry.」
話のおあずけをくらっても全く気にしない伊達政宗は、むしろ切り上げた友人に笑み、足早に街を出て行きました。
その背中を黙ってみていた友人の頬を、小猿がペチンと叩きました。
「ああ、…ごめんな、夢吉。怖い思いさせちまって。本当なら、この紙見てもらうだけで終わったのになあ」
手に握っていた、用紙をもう一度広げます。
そこには、『娘を捜しています』という大きな文字と共に、一人の少女が写真で載っていました。
「一晩で村から消えちまったなんて…凄い話だよな。まさかここまで来てるとは思わないけど、困ってる人を放っておけるわけもないし」
「キー!」
元気よく鳴く小猿に、友人は力強く頷きました。
「だよな。情報を集める為にも、行動あるのみっ!!」
「だてーまさーむねさんの服は、とっても~いいにお~い」
鬼の下着の替え歌を口ずさむななしは、今 小屋に一人きりでした。
伊達政宗は朝ご飯の食料を調達しに行っています。
洗濯をしながら、ななしは昨日のことを思い返しました。
「昨日、政宗さんの機嫌悪かったなあ…。街で何かあったのかな?」
アンタは絶対に街へ出るな。
そう釘をさされて一年経過。
いまだに、この約束を彼女は守っていました。
ななしにとっては伊達政宗が全てであり、同時に絶対の存在だったのです。
「おーい」
「!!」
しかしそれらは、先程の友人とななしの出会いにより、消えてしまうこととなりました。
「おはよ政宗ー! ………って」
小猿を頭に乗せた友人は、小屋に明かりがついていたのは伊達政宗がいるからだと思っていました。鍵のついていない小屋に入ることはとても簡単で、にこやかに手をあげてお邪魔をします。
ところが友人を待っていたのは、お目当ての男ではなく、
「あ、あわばばば…!!?」
真っ青な顔でテーブルの後ろに回る、少女でした。
一瞬、入る家を間違えたかと友人は驚きましたが、部屋の内装といい外の景色といい、伊達政宗の小屋に相違ありません。
そして一つの結論にたどり着きました。
「あんた……強盗か?」
「ちっがいます!! こんな幼気ない少女つかまえて強盗って!? 貴方こそ誰ですかっ?!」
「俺は前田慶次、政宗の仲間だ。さ、あんたは誰だい? 政宗はどこに行ったんだ?」
「わたしはですね…!」
そこでななしも、名乗った前田慶次も、同時にハッとしました。
「(いいのかな、勝手に話しちゃって…)」
「(この顔…どっかで見たことある…)」
それぞれがそれぞれの考えでいっぱいになった為、部屋の中は無言に包まれました。
ななしは、伊達政宗のいないこの場が不安でした。この一年、伊達政宗以外の人と話す機会がなかった為、第三者の出現に混乱していたのです。勿論それは、伊達政宗が小屋に訪れることを友人達に禁止していたからでした。
一方 その友人達の一人である前田慶次は、なぜ急に伊達政宗が小屋に入ることを嫌がったのか、街に居る時間が短くなったのか、この少女を見てなんとなく察知することができました。好きな人がいれば、誰よりも優先して、誰よりも長く一緒にいたい…それは自分自身が一番よくわかっている心情でした。
あの政宗が恋ねえ、と思わずにやりとした時、ななしの顔とあの、写真の少女が重なって見えました。
そこでようやく、思いだしたのです。
目の前の少女は、あの捜索ポスターに載っていたななし自身だと。
「…そっそうだ!! あんた、あんただったんだ!!!」
「は、はあ? あんたあんたって…わたしにだって名前の一つや二つあるんですよ」
「いや、名前は一つしかないだろ。ななし」
「え! なぜそれを…?!」
「ちょっと待ってな」
仰天するななしを尻目に、前田慶次はポケットをゴソゴソしながら例の紙を探しました。
探すことに、夢中になっていたのです。
「あ、政宗さん」
「え?」
瞬間、待っていたのは衝撃と、暗闇でした。
「ま、まさ、むね、さん…?!」
ななしは何がなんだかわからず、説明を乞うために伊達政宗を見上げました。
なんの躊躇もなかったようでした。
自分の友人を、背後に立った伊達政宗が銃で殴りつけたのです。
「…………」
小猿がキィキィとわめくと、伊達政宗は黙って掴み上げました。
そして前髪で少し隠れた目を、愛しい少女に向けます。
「ななし。何を話してたんだ?」
「え………ッ」
直後、恐ろしい程のプレッシャーが、ななしにのしかかります。
「な、何を……って…」
どうして躊躇してしまうのか、自分でもわかりません。
いつもの自分ならば、伊達政宗に嘘をつくことなんて全く考えないのです。
そう、いつもの伊達政宗に、ならば。
「答えろ」
人を襲った伊達政宗の顔は恐ろしく、ななしは小指の関節さえ動かすことが怖くなるほどでした。ただ男の目に吸い込まれそうになるのをかろうじて耐え、
「自己紹介、だけです」
それだけの言葉を吐き出しました。
前田慶次に名前を当てられたことを、なぜか伏せてしまったのです。
「それだけか?」
なおも尋ねられ、もう声を出す気力がなくなったななしは、黙って首をこくりとおろしました。
「………」
「………」
その姿を睨みつけるように見ていた伊達政宗は、やがて「そうか」とまぶたを閉じました。
あ・・・
「こいつが何を言ったかは想像にかたくねえが、俺はこんな男は知らねェ。大方 強盗か何かだろう」
「…………」
笑顔で部屋に入ってきた彼は言ったはずでした。
伊達政宗の、仲間だと。
「…え…でも…」
その男の体を、氷のような冷たい目で見下ろす伊達政宗に、ななしは戸惑うしかありませんでした。
「こいつは街のお巡りに突き出してくる。俺が帰ってくるまで誰も小屋に入れるな。Did you understand?」
「は、はい」
慌てて頷くななしに、伊達政宗はいつものように少し笑いかけます。
ああ、いつもの彼だ…………と少女も嬉しくなり、ぎこちないながらも笑みを浮かべました。
それでも、一度気になったことをそのままにしておくことは、ななしには無理でした。
彼の機嫌が悪くなったのは街から帰った後。
自分の名前を当てた、前田慶次と名乗る男が住んでいるのは、その街。
「……怒られちゃうかなあ…やっぱ」
好きな人との約束を破ってまで、確認しに行くことなのか。
色々な謎をそのままにしておいて、今の生活を平穏に過ごすべきなのか。
深夜、そんな好奇心と約束を天秤にかけ、しばらくベッドの中で悩みに悩み、ななしはついに決心しました。
「(…大丈夫、大丈夫。聞き込みするだけだし)」
伊達政宗がいつものように仕事へ出かける間に、少しだけ、街に出ることにしたのです。
翌朝、平常心を装って伊達政宗を送り出したななしは、急いで森を抜けました。
初めて街に向かいますが、一本道の為、迷うことはありませんでした。
「わー…! ここが、街かあ…!」
自分の村とは大違いの、にぎやかさ、そして人の多さ。
店も端から端まで広がっており、思わず当初の目的を忘れそうになります。
しばらく街を歩いていたななしでしたが、街の掲示板というものを見つけ、なんとなくそこに近づきました。そこにはいろいろな掲示物がありましたが、一つ、奇妙な張り紙がありました。
「……『娘を、探しています』?」
一番上部にそうありましたが、それから下は悪戯なのか、破られています。
「おや?」
その紙をぼんやり眺めていたななしを見つけたのは、ひげをたくわえた男の人でした。この掲示板を整理する担当のようで、その手にはいくつかの掲示物が握られています。
男の人はここまで来る途中 今から貼る紙を見ていましたが、その中に捜索のポスターがあったことを思い出しました。
昨日、先に貼っていたものが破られていると報告があり、新しく印刷し直したのです。
それを手元でもう一度見ると、なんとそのそっくりな少女が掲示物の前にいるではありませんか。
早速男の人は、ななしに声をかけました。確認したらすぐ保護し、村へ連絡してあげよう……そう思いながら。
「やあ、お嬢さん」
「あ、こ、こんにちはー」
知らない大人に声をかけられたななしは、わかりやすいほどに動揺していました。
そこで自己紹介からはじめると、徐々に警戒心がとけていくのがわかりました。
「すまない、怖がらせてしまったかな。安心してくれ、私はこの掲示板の責任者だよ。熱心に君がこれらを見ていたからね。何か捜し物かい?」
「うーん、捜し物ではないんですけど…」
言葉を濁し、どう伝えるべきか迷う少女を、男の人は微笑んで見守っています。
その時、少女の遥か後ろ…………森の方面から、何かチカッと光るものが見えました。
なんだ?
ついそちらに目を向けた瞬間。
あ・・・
目の前で激しい音がしました。
同時に体が大きく揺れ、バランスを失います。
地震が起きたのか?
そう思いとっさに足へ力を入れますが、全く意味がなく、崩れ落ちます。
そのまま背中から、地面に倒れました。
「(なんだ? 一体何が起きてる…)」
痛みは感じません。
ただただ、急激な眠りに蝕まれていきます。
「おじさん?」
少女が自分を見、目をますます丸くします。
直後、少女の顔から血の気が失せていきました。
「あ……ああ…あ…」
歯をガチガチ鳴らし両手で頬をぶるぶる抑える少女を安心させようと、手をのばします。
のばした、はずでした。
その手は途中で方向を失い、重力に従い、下へと………地面へと、落ちました。
「きゃああああっ!!」
「いやああああああああああ!」
「なんだ?!」
「今の銃声だったわ!」
「誰か倒れてる!」
「掲示板の責任者の方だ」
「あの子が、掲示板の責任者を?!」
「えっ! ちっ、ちがう…違う、わたしは…!!」
徐々に人だかりがふえていき、中にはななしを捕まえようとしているのか近づく男たちがいます。
「あ、あれ……あの顔…」
「!!!」
また、だ。
わたしが知らない人がわたしを知っている。
ますます怖くなったななしは無我夢中で街を飛び出し、森へと飛んで帰りました。
その道のりで、ななしが振り向くことは一切ありませんでした。
あの時目の前で脳を撃たれた男の人が、追いかけている気がしたのです。
「まっまさむねさん!!」
たどり着いた小屋には、誰もいませんでした。
それが非常に心細く、恐ろしく、必要とする人間がいないこの状況に苛立ち、たった今まで何があったのかわからず混乱したままのななしは、その目から涙をぼろぼろとこぼします。
「…ななし?」
「!!」
待っていた、人が帰ってきました。
床にへたり込むななしを見て、驚いています。
ななしは「昨日の伊達政宗」を瞬間的に忘れ、無心で抱きつきました。
「政宗さん、政宗さぁんっ…う、うぇええええっ!!」
「何が……いや、…まずは落ち着け。ミルクでいいか?」
気が動転しているななしを気遣った伊達政宗は、事情よりも心のケアを優先しました。泣き続けるななしの前に温かいミルクの入ったカップを置くと、猟銃を壁にたてかけます。
ななしがぐすぐす鼻をならしながらミルクを飲み干したところで、伊達政宗は尋ねました。
「知らない奴が小屋に入ってきたのか?」
「……違う、です…わた、…わたし…あの…わた、し…」
そういえば、黙って街に出たんだった…と気がついたななしは、再び泣きじゃくりながら頭を下げました。
「ごめん、なさい……! 政宗さんの、約束、やぶって……!」
ななしの言わんとしていることが、相手にはすぐわかりました。
「…街に、行ったんだな」
ああ、きっと怒られる。嫌われる。
街での出来事も、全て自分の招いた結果だ。
後悔と絶望に打ちのめされるななしを、しかし伊達政宗はクッと笑いました。
「……?!」
その笑いに、ななしは耳を疑います。
どうして彼は笑ったの、と。
伊達政宗は瞠目するななしの顔を面白そうに笑いながら、
「ななしの性格上、街に一生行かないわけがねェだろう」
「ま、政宗さん…」
予想外の反応に、ななしはきょとんとしました。
いつの間にか涙が止まっていることにすら気づきません。
ただ、伊達政宗の顔を穴が開くほど見つめました。
「オイオイ、アンタは俺が約束破っただけで怒鳴りつける男だと思ってたのか」
「そっそんなこと思ってません! でも政宗さんとの約束は本当に破る気がなかったんです! 本当ですっ!!」
「All right、わかったから熱くなるな」
椅子から立ち上がるななしを片手で制し、伊達政宗は言いました。
「それで、街で何があった?」
「あ……」
その瞬間、ななしの気分が沈んでいくのがわかりました。
伊達政宗は急かすことはせず、彼女の口が開くのを待ちました。
そうして語られた一部始終を聞くと、眉をひそめて舌打ちをしたのです。
「街のド真ん中で銃殺か…。物騒になりやがったな」
「…でもわたし、全然状況がわからなくて…。わたしじゃないんです、撃ったの。…むしろ突然おじさんの脳から血が出て、倒れて、すごく怖く…て」
「そりゃわかる。アンタに銃を撃てるだけの技量はねェ」
しかし周りの人々は、至近距離にいたななしを怪しいと思いました。
また、ななしも弁解することはなく黙って逃げてしまいました。
そのことで、街の人たちはいよいよななしに疑いをかけることとなってしまったのです。
「もう、ここにもいられません。みんな、わたしが森の中に入っていくのを見たはずですから…」
悲しそうにうつむくななしを、伊達政宗はそっと抱きしめました。
「安心しな。アンタはここにいていいんだ」
「政宗さん…。でも」
「俺が明日 街に行って、先手をうっておく」
「先手…?」
「女は森を通過して向こうの山へ逃げた、ってな。そうすりゃ誰も森を捜索はしねェ」
それは真実でした。
他ならぬ伊達政宗が言うのだから、と街の人々は信じて、山の方へ目がいってしまうのです。
それほどまでに、伊達政宗の人望は厚いのでした。
「だが、アンタにゃ悪ィが、街に行くのは今後禁止だ」
「行きません。もう、絶対に」
腕の中で強く言い切るななしに、安心したように男は呟きます。
「良い子だ」
聞きとがめた少女が、ふてくされたような声を出しました。
「子って……わたし、子供じゃありません」
「へェ」
ニヤリと笑った伊達政宗は、素早くななしの足をすくいあげるとお姫様抱っこをしました。
突然の行動に仰天するななしに、なんでもないかのように言いました。
「子供じゃねェなら、わかるだろう?」
翌日。
「…こいつァひでぇ」
「これもあの娘の仕業なのか…?!」
伊達政宗の言葉を信じた男達が山中で見つけたもの。
それは身体中に穴をあけられた、一人の男と、小猿の死体。
体を貫通し地面に突き刺さっていた数々の弾が、あの掲示板責任者を銃殺した弾と、全く同じものでした。
君はとてもかわいい
何も知らないまま、俺とずっと一緒だ。
王子の皮を被った殺人者と監禁エンドに気づかないお姫様。